前尾根
     1212m
(三重)


2007年6月2日 くもり

P7:00〜(裏道)〜前尾根(P5〜P3)10:15〜(裏道)〜(表道)〜P13:00

千草あたりから見上げる山は山頂付近が雲の中。朝雨が降ったのかガスっている。なんか空も暗い。堰堤の上で白いあやめ。
小屋裏でササユリの蕾、先週とほとんど同じ大きさ。成長していない。進歩の見られない私みたい。時間がかかる・・・。
オレンジ色のシャツの若者が走りすぎた。後ろ姿から「A野さん?」やはりそうだった。トレイルランニングとかで釈迦まで行くそうだ。
親子一緒に山を楽しめるなんてイチロー親子みたいでいい。私と同年代で?息子さんと同等の体力、気力があるのがすごい。ほのぼのしたあったかい親子関係を築かれているのも素晴らしい。すべてが前向きで尊敬する。気をつけて。
裏道の岩はあちこち濡れて滑りやすい。
湿気も多くてじっとりしている。汗が額からポタポタ流れ落ちる。気温は低め。

ウサギの耳。
ユリのような甘い香り?ササユリはまだだし、ウツギにも香りはない。ヤマユリかな?香りの主はわからない・・・。いつもならここから藤内壁を望むが今日は何もない。ガスっている。タニウツギが綺麗。


「テストストンまで行ってみましょう。」
テストストン左端二回練習。靴の裏が減ってまん丸なのでよく滑る。片足に乗り込んだら「手を離す。」「意識して踵を下げる。雪の時も水平より少し下げる。」きっと怖いので力が入って上げてしまうのだろう。
今日の目標、「靴の踵を下げる。」

P7。
腐葉土の上を歩くようにふわふわした巻き道。落ちた杉の葉などが滑りやすい。岩は大丈夫かな?

チムニーパス。
チムニーの中はいいけど先週落ちた手前のリッジが怖い。あんな所で雨が降りだしたらきっと身動きできない。
「落ちたところは苦手意識を持つので必ず登り直しておく。」

P5から。
そのまま登る。なんか違う。そういえばヘルメットを被っていない。モアイ岩まで来てザイルも何もなかったことに気づく。



P4。
岩の隙間にイワカガミ。土なんて何にもないように見えるこの岩場。冬は寒風が吹き抜けるだろう・・・。こんな厳しい自然条件の下で自ら育ち、そして今淡い色の花をつけている。なんて強く逞しく優しいのだろう。凛としたその健気な姿に胸を熱くする。そして生きる力をもらう。
ここは楽しくて好きな岩。なのに終了点横の一番上の岩でクラックに入り込んでうまく出られない。「少し手前で外に出るといい。」上から見るとなるほどとよくわかる。
中尾根にもそんな所があるらしい。
今日は三箇所ほどカラビナがあった。そして気がつけば手袋をしたままだった。いつも素手で岩を持たないと怖いのに・・・。
ガスッてあたりは何にも見えない。悪天候なので前尾根へは誰も来ない。

ななし。
取り付きのアイゼン跡がテストストン。その上にスタンスがない。踵を下げて右左一歩一歩ていねいに確かめるように乗り込む。あとは楽しい岩歩き。
広場に出て少し水を飲む。今日は肌寒いくらいなので喉も渇かない。

P3。
6級フェースのクラックを見に行く。少し乗ってみる。「リス」という細いクラック。クライミングシューズなら行けそう。
ここで前回同様、太い木で確保。
シュリンゲの結び方間違い。
向き合うように駒結びすること。反りあってはだめ。
結びなおしてカラビナをかける。自己確保とグリップビレイ。
「意地でも・・・。」と行ったところ、やはり滑りやすい。踵を下げて登る。
私は藤内沢側の木があるところから。膝をついたりして。いかん、踵のことをすっかり忘れている。

チムニー。
下の方は岩が濡れている。中ほどで「正座」のような姿勢になって動けなくなってしまった。入るのが早すぎたのか?足が後ろに上げれない。背中のザックを押し付けたりして上へ。やっと楔のように前後にできた足。
手がかりのない丸い岩の一歩目左足は乗れるが次の右足がいつも乗れない。また「踵を下げること。」を忘れていた。
そのまま「トップ気分で。」二ツ岩へ。 ザイルが私を後ろに引っ張る。腰が「重い。」先週は無我夢中でわからないままだったのかな?こんなの二本もついてたら重すぎて大変だろう。初めて味わう感覚。
スラブ岩を歩こうとすると下から「確保されていないんだから落ちたら藤内へまっさかさま。」そうか今はいつものセカンドではないのかと気付く。まったくよくわかっていない・・・。スラブ岩右横から二ツ岩右へ。

コルに下りてザイルを手繰る。これもすごい腕の力がいる。運動会で綱引きをしているよう。「岩登り」は全身運動。腹筋、背筋、上腕筋他のどこもかしこも使うようだ。


ヤグラのコル。
おかげで雨には降られなかった。小休止。くるみパン、トマト、アメリカンチェリー。
前尾根にはまったく人の気配がない。一壁には少し。あそこなら雨が降り出してもすぐ降りれるから。

以前H谷さんから前壁ルンゼは雨の後とかは絶対降りないように言われていたので尾根道へ。

ヤグラ上の岩へ木登りをして、前尾根の写真を撮り、眩しくてサングラスをかけた。その後上の岩に乗ろうとして、なぜか転げ落ちた。丁度マンサクが一本あってひっかかった。
落ちるような所ではないのになぜ落ちたのか。
岩登りが終わったという安堵感、まだザイルにつながれているような錯覚、それに岩登りでなくてもいつも登っている岩という油断。そういう心の隙があったのではないか・・・。
Mさんに言われていた。岩の事故は確保されている時でなくその前後に多いと。それと確保したとか、したつもりの思い込みが事故を招くと。いつも確認する癖をつけるように。一壁でも下から見上げている人が落ちたりするとか。
今日、それを身をもって知る。
セカンドでもトップの気持でいるということはそういうことなんだろう。人任せでは進歩がないことはもちろん、事故もおこりうる。
いつも何もかも自分でしょっているのだ。細心の注意を払う事が出来ないおっちょこちょいの私にはその資格がないかも・・・。落ち込む。
そしてお尻の一部だけの軽い打撲ですんだことに感謝して、いつでも今落ちたらどうなるということを考えながら行動しなければと深く反省する。
そして山を降りるまでは絶対気を抜かない事。

裏道。
先週のヤシオの葉がまだ綺麗。シロヤシオは今日が見頃。清楚で美しい。落ちた花びらは白い絨毯。横平にもその上を歩く私・・・。


表道。
余り歩いた事がない。多分数回。
ダムの新緑が鮮やか。中洲?に砂地が・・・。イチヨウランの葉も多い。
沢沿いに進むと前方に岩?鷹見岩だった。そしてキララ。


サラサドウダンの花越しに鎌ケ岳。いい眺め。天気が回復してきて新緑が青空に眩しい。鎌ケ岳へ行けたかな。

色の濃い赤いサラサドウダンも綺麗。
左に百闡黷フ東多古地谷、右に西多古地谷。その間の尾根道が表道。
時々ヤマツツジも。

左に水音が聞こえて百闡黷望む。高い。百閧ニいうくらいだから・・・。登山口に出て橋下をくぐり、武平峠からの道と合流。

三ツ口ダム。
湖底に沈んだ落ち葉まではっきり見える。澄んだ緑の水に心まであらわれ清々しい。


ヤマボウシ。
まだ薄黄色の葉。白くなるのはもう少し先。
ギンリョウソウ。
スカイライン道でコアジサイ。ウツギ。
花達に夏が近いことを教えられる。


朝方はお天気イマイチ。こんな日はクライミングシューズの人たちは来ない。岩が濡れてフリクションが効かないからとか。
空いているこんな時こそゆっくり練習できる。難しい怖い所で落ち込むより、簡単な岩、たとえばP5などで昇り降りに慣れるといい。
一回でも岩を歩こう、続けて練習しよう、
踵を下げることを意識しよう。
すべて私の課題。

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