前尾根
     1212m
(三重)


2007年6月23日 快晴

P7:00〜(裏道)〜前尾根(P6〜P3)12:00〜(裏道)〜望湖台〜武平峠〜P14:30

昨日の大雨からまったく予想できなかった今日の天気。梅雨のさなかとは思えないすっきりした青空。奇跡的・・・。
千草あたりで御在所を仰ぐ。前尾根の白い岩、バットレス、白い鉄塔、白いレーダーが緑の山肌に浮かび上がる。「白い私を見てください。」といわんばかりに。
裏道駐車場、既にOさん到着。「2キロ減らしたら体が軽くてすごく楽。考えてみりゃ水2リットル分だから大きいよ。」自分自身の荷物は少ない方がいいけど私の場合なかなか減らない・・・。



小屋テストストン。
右岩。Oさん、久しぶりで、しかも柔らかい靴なのに楽々登る。「若いって事はすばらしい。」
裏道でササユリ数本。小屋の裏にも咲いていた。甘い香りのコアジサイが咲き乱れている。ウサギの耳ではまだ蕾。先週に続きウツギが綺麗。


テストストン。
Oさん。手も使わず、足だけで駆け上る。すごい。素質がある人は努力しなくもできるんだ。「スキーと同じ。」と言っている。青森での子供時代、スキーは生活の一部でストックを使わなかったとか。
若さも素質も何もない私はただひたすら努力あるのみ。靴が軽くて硬くてとてもいい感じ。
膝に乗るように意識してスタンスに立つ。手は添える程度にして。


P7通過。

P6。
岩が乾いて気持ちいい。新しい靴で行くのは初めて。
取り付きのスタンス。左足で乗って右足に乗り換える。クラックに左足。ここまで今日はうまく歩けたと思ったのもつかの間。なにやら岩にぶつかる金属音。どうやらカラビナを落としてしまったようだ。

なぜ?カラビナをはずす時、先にザイル側をはずした?わけの判らない自分の行動に落ち込む・・・。落ちたのがカラビナでよかったけど・・・。
その後、右足は一番前のスタンスに「立って」からほふく前進。チムニー下へ。
先生はスニーカーで楽々チムニーを上がる。ザックを三個上げる。初めてのOさんはちょっとしんどそう。私は新しい靴でめちゃくちゃ楽しいチムニー登り。


上のマントル岩。
真ん中を上がる。最後の小さなスタンスに左足、左手上のガバ二つを持つ。上がって平らな岩で確保。Oさん、フリーで。
その後コンテで歩く。途中巻き道からP6へ降りてカラビナを捜しに行く。降りたところは急斜面。もう少し上で降りるべきだった。巻き道も何箇所かある。
運良く取り付きあたりに落ちていたのを拾ってもらう。藤内沢にでも落ちたと半分あきらめていたけど・・・。
戻って小休止。

P5。
私は初めて右側の垂壁から。F山岳会が中ほどから。一緒に登るとザイルが絡まる?
楽しく登ってモアイ岩で確保。ザイルを手繰る。
新人を指導中の同山岳会のM岡さん。先週も労山の登山学校指導中にテストストンでお会いした。同山岳会は北岳バットレスへ行くためのトレーニング中。私の憧れ、前穂北尾根も。新人は前尾根3回目とか。それで行けるの?じゃあ私も行けるかな・・・。
その後コンテで歩く。P4取り付きでも先ほどのF山岳会が渋滞。しばらく待つことになる。最後尾の彼女に聞くと「山岳会では8月、登山学校は9月。バットレスはクライミングシューズで登る。」と言っている。登山靴と履き替えるの?てっきり靴で登ると思いこんでいたのでそれはとても意外だった。

P4。
Oさんが登っている時にアオスジアゲハが来た。美しい羽を惜しげもなくひらひらさせて私の目の前に。前尾根にアゲハ。この季節だから見られる情景・・・。
東方に目をやれば青空の下に広がる緑の大地。綿菓子のような雲と岩。これも前尾根だからこそ望める景色だよ。この綺麗な空忘れない、きっと。御在所前尾根からの蒼空を独り占めする。
終了点近くで体を外に出して左の岩へ。そのまま下の広場へ降りコンテにする。

ななし。
楽しい岩歩き。



広場から6級フエースを見に行く。Oさんは少し登ってずずーっと滑り降りる。
私も「クライミングシューズなら行けそうだけど・・・。」と思いながら少し取り付いてみるが降りるのが心配で・・・。

P3。
取り付きの木で確保。北谷よりの大きいスタンスから登る。

チムニー。
早くから入り過ぎないようにする。楽しいチムニー歩き。
終了点近くの岩、課題の二歩目右足。「靴を信じて。」前回よりは乗り込めたのに三歩目左足が上がらず、膝を使ってしまった。まだ二歩目右足に確実に乗り込んでいない証拠。体重移動ができない・・・。

そのまま二ツ岩へ。
スラブ岩右から。Oさんの写真撮影のため、二ツ岩手前岩にエイトノットでワッカを作りザイルをかける。エイトノットはハーネスから1、5m離す。ボルトがない場所での自己確保。岩から抜けてしまわないかと心配になって念を入れて出来るだけ下にかける。初めてだけど出来た。
いつも素通りしてコルに降りてしまうのでここで下を見下ろすことはなかった。今日はじっくり前尾根全景を見下ろす。
すごい高度感。なんて危ない所に二人は立っているのだろう。自分もだけど・・・。
足ががたがたすることもなく冷静にOさんの写真を撮ることができる自分が信じられない。



ザイルを岩からはずしてコルに降りる。Oさんが前の岩で確保しているので私はそのままザイルを手繰り寄せる。
先生は二ツ岩から降りて右上の岩へささっと登った。多分写真を撮りに。そこはP3で一番高い特等席だ。私もいつか登りたい・・・。
コルに下りて終了。初めてザイルを自分でループに巻き取る。キンクしないように巻くのは難しい。うまくはないができた。


ここで12時。私の失敗と待ち時間の為、こんな時間・・・。岩登りの待ち時間中は休んでいるので山歩きほどお腹が空かない。
軽く食事。アップルパン、ミニトマト、さくらんぼ。(甘い佐藤錦)
先週ここから眺めた国見の登山者はUさんとOさんだった。峠から呼んでもらったらしいがまったく聞こえなかった。藤内沢からの声はよく聞こえるけど・・・。風の向きにもよるのかな?

キセキレイが岩角で国見岳に向いラブソング。金属音のような・・・。そして御在所前尾根の紺碧の空に、雲が流れる。綺麗。

ヤグラ。
先ほどのF山岳会の人たち。アップザイレンで降りている。アップで降りる?よくわからない言葉。アンザイレンはザイルにつながれた状態?スタカットもコンテもかな・・・。
藤内沢から降りてもう一度前尾根を登ると言っている。同じ所を何度も登れば慣れてうまくなる?

望湖台手前で。
あまり弱音をはかないOさんが「疲れたー。」といっている。いつもと違う筋肉を使ったから?望湖台で大休みする。
一番前の岩へ。風はほとんどない。あっという間に雲が広がってきた。ザックを背中に敷いて足を伸ばし御在所の空を仰ぐ。燕が飛んでいる。私も鳥になってこのまま空に飛んでいきたい。いい気分。
「トンボ」も一匹?今年も御在所目指して飛んで来るかな、アキアカネ。
ベニドウダンがまだあちこちに。谷には朴木の花が白い。


歩き出すと体が重い。いつも大休みすると体が元に戻ってしんどい。歩き続けるほうが楽。
それでもすぐ慣れて今度は「ササユリ、ササユリ・・・。」と捜すが全く見つけられない。

峠から降りる。
スカイラインでなく登山道を。木立の中で涼しい。
そして三ツ口ダム、山小屋前、スカイラインを歩いて裏道駐車場へ。



二週、P6を休んで久しぶりの今日、恐怖感はなかった。乾いた岩が気持ちよく片足にも乗りこめた。新しい靴だから・・・。
うまくできたと思ったらカラビナを落とすミス・・・。私が何もかもちゃんと出来るようになるには人の何倍も時間をかけなくては・・・。

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