前尾根
     1212m
(三重)


2007年6月30日 晴れ

P7:00〜(裏道)〜前尾根(P6〜P3)〜(中道)〜P13:00

蒼滝トンネルを越えた駐車場、一番乗り。
昨日の雨に大気はしっとりしている。歩き出すととても蒸し暑い。なんとなくヒルが出そうな日。御在所はいないからいいけど。

ウサギの耳。
ササユリはどうかな?雨にすっかり散らされて見当たらない。先週見ごろだったウツギも白い絨毯になっている。

藤内沢出合。
今度はエゴの白い花びら絨毯。



テストストン。
スタンスに水がたまっている。滑りそうで思い切り乗れない。からからに乾いた先週と今日の濡れた岩とはまったく違う。同じ岩とは思えない。こんな岩は難しい。
足を交差したり、中ほどに乗ったり・・・。
以前H谷さんに「交差はとてもいい練習になる。体が岩から離れるし、片足に乗り切るから。」と言われていた。足の交差はめちゃ楽しい。

P6。
取り付きの岩は濡れている。なぜかザイルがアップされない。見れば二箇所のカラビナの真ん中あたりでザイルがねじれて絡まったようになっている。出す時はなんでもなくすんなり出て行ったが・・・。
「変な癖がついている。」よく考えれば先週片付ける時巻き取ったのは私。キンクしないように巻いたつもりだったが初めてのことでやはりうまく出来ていなかった・・・。ザイルをきちんとねじれない様に巻かないと次の時にこうなることを知る。
左足に乗って右足に乗り換える。もう一箇所同じような乗り換えがあった。今日はカラビナを落とさないようにはずす。立って歩きほふく前進。
少し小雨が降っている。

チムニー
先週、楽だったのになぜか体が重くて進めない。「一歩進んで三歩戻る。」状態の私。今日は力餅を食べなかったから体に力が入らないのかな?
ガバを持ってからでも体がいうことを聞かずしんどい。
上がると目の前に一壁がでかい。上に続く後尾根とが一体となってすごい迫力。その後尾根下の人は今からバットレスに行くのだろうか。ここからではまだツルムが見えない。

そのままマントル岩へ。
中ほどから。はじめの一歩がなかなかとりつけない。足を置き換えて左上の小さいスタンスに左足を置くようにする。二つのガバをしっかり持ってあがる。


P5。
コンテで歩く。前回行った右端垂壁から。

終了点。
いつも左から上がるが、右からでも登れるようだ。
目の前にツルム。展望台あたりから手を振ってくれる人。今からツルムに行くのかな?その人達とは別に展望台下から取り付く人もいる。

P4。
ここをトップで行くように。
何をどうやるのだろう。ボルトがあったらカラビナをかける。自分側のザイルがねじらないように下のカラビナにクリップする。ランニングビレイ。
ハーケンなどがあれば何箇所でもカラビナを掛けていい。5・6個持つ。確かな一歩で登らなければ・・・。行けるかな?
まず一個目のボルトにカラビナを掛ける。二つ目がすぐだった。「もうこの岩?」緊張しているせいか、あちこちの見覚えある岩がいつもより早く現れる感じ。中ほど右の岩に出て、クラックに戻る。終了点近くで入りすぎないように右岩に右足で体を外に出す。

終了点。
ボルトのある岩に登ろうとするが風がきつくて吹き飛ばされそう。息が出来ないし、怖くて上に乗れない。立てない。
取りあえず自己確保だけ早くしなくちゃ。カラビナがない?腰のハーネスを手探り。皆使ったのかな?あよかった。一個だけ残っていたよ。焦るとある物でもないように感じる・・・。
なるほど、カラビナは最後に自分のビレイ用がいるので一個は残さなくてはならないのだと知った。気付くのが遅いけど、そしてあったから良かったけど・・・。
しゃがみこんだまま「終了。」そのままザイルを足元に手繰る。ザイルが下に落ちないようにして、座ったままビレイする。
「絶対落ちないように。」と思うと緊張する。喉が渇く。ザイルが後ろに引っぱるので手で手繰り寄せて登らなくてはならないし・・・。目の前に立ちはだかる岩だけがすべてで、「今より上へ。」の一瞬一瞬の積み重ね。失敗は許されない真剣勝負・・・。
先生が登り終え、その場所でザイルをループに巻き取る。広場に下りてやれやれ一安心。
風がよく通るのでP4からの岩は乾いていた。

ななし。
「どこでも行ける。」

P3。
ここもトップで?それは無理。
取り付きもチムニーもうまく出来ないし、終了点手前の岩が難関だし・・・。まったく自信がない・・・。
取り付くと左手尖塔のような岩にボルトがあった。そこにシュリンゲとカラビナがかかっていた。

チムニー。
右足をクラックに掛けて外を行く。中ほどからチムニーに。足を楔にして難関ののっぺり岩。左足、右足に乗り込んで三歩目、「やったー。」やっと左足に乗れた。いつも膝をついていたけど・・・。今日は二歩目右足にしっかり体重移動できたようだ。

終了点。
ここで写真タイム。ツルムへ行こうとする人、展望台を乗り越えて二畳分ほどのテラスに降り立っている。いよいよ距離が長そうなチムニー。西の方向を向いてあっという間に上まで行った。
一壁には右端のむずかしいルートを行く人。去年行った後尾根のザレも目に入る。
時々山頂から霧が流れ藤内壁を白くおおう。ひんやりした爽やかな風が頬をなでて通り過ぎる。
ここ前尾根P3は貸切状態。誰も来ないのでゆっくり藤内壁見学。どの岩も今にも落ちそうだけど落ちないでいる。お城の石垣のように岩同士押し合っているらしい。
アップルパン、さくらんぼ。
その後はコンテで。
スラブ岩の右横はちょっと怖いけど・・・。コルに降りて終了。
今日はヤグラも静か。

裏道に下りて三ルンゼの一番上の岩へ。
先ほどまでいた前尾根を見下ろす。ヤグラのてっぺんが白っぽい。人工登攀の人が使うそうだが私はそこに人がいるのを今まで見たことがない。
緑の谷の三ルンゼ、リョウブが蕾をいっぱいつけていた。


富士見岩から下では晴れ。1000m以上だけガスがかかっていたようだ。
中道のササユリは咲いたかな?昨日の雨に打たれてどの花も痛々しい。

キレット。
楽しい岩歩き。

地蔵岩。
今日の仕上げを。久しぶりで右足に乗り切れない。風がきついので怖くて立てない。肩で座り込む。
降りる。
一番下で左手を伸ばして左足で着地。これはできた。前尾根のおかげで恐怖感はないが、不器用な私の場合、何度も繰り返し反復練習しなければ身につかない。



數こぎ練習をして?少し登山道を外れる。ここのササユリは、美人・・・。半ばあきらめていたのに今日も可憐なササユリに会えて幸せ。

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