前尾根

         (三重)
MAEONE

2007年9月8日 くもり時々晴れ

P7:00〜小屋〜前尾根P7〜P3(11:20〜11:40)〜御在所〜鎌ケ岳(13:20〜13:40)〜(三ツ口谷)〜P14:45

蒼滝トンネル上の駐車場。
歩き出すと蒸し暑い。額から汗が流れる。台風の強風で緑のドングリや栗のイガが飛ばされていたりする。ドングリもよく見るといろんな形があって面白い。ミズナラ、カシ、コナラ夫々個性がある。
登山道の岩は少し濡れているようだ。
小屋は朝の光を受けて明るい。テーブルに秋の花、ワレモコウが・・・。秋の七草ははぎ、すすき、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう。ワレモコウは七草に入っていなかった・・・。

藤内沢。
テストストン。ちょっとだけ練習。空が暗くなってきた。今にも雨が降り出しそうな気配だから早く行動しよう。

P7から。
クラック中ほど下から三メートルくらいの左側にハーケンがある。ちょっと錆びているけど大丈夫?と思いながらカラビナをはずす。
クラックを登る。左上にガバがあって、右足下に錆びたハーケンの残骸。そのあたりに足を置いてちょっとチムニーみたいに攀じ登る。
胸のあたりに小さいマントル岩を抱きかかえて上に。右上方向にスラブ岩。小さいスタンスに乗り込んでリッジ下に進む。
深いアイゼン跡のある岩に乗る。木登りをしてリッジを登る。「木登りができないと岩登りはできない。」
左に小さいテラス。ここで確保されていた。そのままバンドの様な岩に沿って進むと左側にボルトがあった。

P7の核心部はその後だった。ボルトすぐ左の丸い岩。手がかり、足がかりがまったくない。右足下の小さいスタンスに掛けてもすぐ落ちる。中ほど左足もイマイチ自信がなく乗り切れない。
目の前に左手で持てそうなガバがあるだけ。カラビナを持って上がってもそれを上から取る自信がないし・・・。あっちからこっちからと色々やってみても取り付けない。
最終的に多分、左手でガバを持って左足に乗り込んだように思う。フー難関突破。
コンテで歩くとP6はすぐ。とても近かった。

P6。
ここの課題は三センチのスタンス。今日は左足で乗ってそのまま立つ。乗せ替えない。右足を交差してすぐ前のスタンスへ。よく見ればクラック左下に左足の大きなスタンスもある。そこへは足を乗せずにクラックの少し中ほどに左足で乗りこんで立つ。
ほふく前進。
少し這って進んだ後、両足とも入ると楽だった。


チムニー。
今日は岩が濡れている。「ちょっと滑る。」と思いながらもうまく登れた。

マントル岩。
上に上がって目の前には一壁。まだこの地点ではこんな所にいる。P3まであがると一壁が随分下に見えるけど・・・。
「コンテでつながって歩く時は少しザイルを手に持って調整しながら進む。」

P5。
コンテで藤内沢側、尾根左寄りに行ってみるが「滑り台」はないようだ。下に降りていつもの岩から終了点へ。「同じ岩でも同じルートでなくて色々歩いてみるといい。」

P4。
少し降りたあたりで前尾根40年ぶりの単独の方。
突然、この飛び入りさんと一緒に行くことになり三人がつながる。私は三番目。
登っていてもなんか気分が変。なぜかよく考えてみると、もうここは自分が先に行くのが普通になっていてそういう心の準備をしていたからのようだ。出鼻をくじかれたような・・・。
終了点少し下で「真ん中」の先生に確保されていた。


名無し。
コンテで。いつも階段状の大きいスタンスで登るけど少し左にクラックがあった。6級フェースより傾斜は緩やかで短い。でもよく似ている。登れた!

P3。
フェースでなくて普通にリッジから。久しぶり。

チムニー。
6級フェースもP4も「お預け」になったのでここを私が先に。でも行けるかな?丸岩三歩目、問題なくしっかり乗れた。
自己確保して飛び入りさんを確保。その後先生も。

終了点上で食事。空が少し暗いけど、ここ前尾根P3は御在所で一番。超気持ちいい岩場。
ツルムにオレンジ色のカッパ数人。
そしてやはりここから見る一壁ははるか下。
又単独の男性。シュリンゲを拾ってきてくれた。足取りがとても軽い。茶色のクライミングシューズが優しく柔らかくなめるように歩いて行った。


やぐらの前を通り、P1へ。
山頂一帯はヤシオがワイン色に染まり始めている。少し秋の気配・・・。

遊歩道。
あたりにはススキが揺れている・・・。

天指し岩。
鎌ケ岳山頂はもやっとして暗い。雨か雷がくるかも・・・。
峠道は気温が高くむっとする。でも下りなのでそんなこと気にせず降りる。楽しくてあっという間に武平峠。速い。

鎌ケ岳への登り。
先週見たミヤマウズラの花・・・。
湿度が高く蒸し暑い。たしか夏に弱いと言って見えた先生にザイルを預けたままだ。気づくのが遅い・・・。
展望台からは自分で持つ。重心はザックの上の方なので楽。早く鎌ケ岳の岩を歩きたくて私の足取りは弾んだまま。もっと早く持てばよかったごめんなさい・・・。

直前の岩場、そして大岩と私の岩を楽しく歩いて鎌ケ岳山頂。
祠に参拝して南に行くと鎌尾根も春霞のようにもやっとしている。登山者は単独の男性のみ。静かでいい・・・。
山頂にはまだ燕が飛んでいた。アキアカネもいっぱい。蝶も多い。黄アゲハ、カラスアゲハ、ヒョウモン蝶。アサギマダラも。
余り暑いからまだ夏と思って涼しい山頂へ戻ってきたのかな?
しばらく風に吹かれる。額の汗が静かに引いていくのが心地よい。


直下の岩場。シャクナゲが艶々生き生きしている。今年の新芽が立派に成長したようだ。逞しい。確実に冬に向う力を蓄えている。
日本庭園は少し紅葉し始めていた。

草原から大滝。「前尾根より危ない滝への降り。」落ち葉に滑落しそう・・・。木の根などをしっかり持つ。
小滝からダム湖へ。足元にアキノキリンソウ。
湖の空を見上げると積乱雲がもくもくと。雷が来なくてよかった・・・。
表道からの出合はススキの草原。秋の陽に銀色に輝き揺れる穂が美しい。
湖の水面は青空を写して綺麗。
風に水に少し秋を感じながら歩く。


山の家前で「アケビ」。バナナの房のようで五個ほどくっついている。たしかほんのり甘くて種ばかりの果物・・・。

駐車場で風に飛ばされたアカガシ?一枝。
ドングリの横に小さい新芽が出ている。植物はもうちゃんと冬の準備をしていた。
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