前尾根

         (三重)
MAEONE

2007年9月29日くもりのち雨

裏道登山口P7:00〜(前尾根P7〜P3)〜御在所〜武平峠〜(スカイライン道)〜P

朝、鈴鹿を仰ぐと峰が蒼い。なぜか御在所と鎌ケ岳の空は明るく、藤原、竜ヶ岳は少し暗い。山はくっきりはっきりしている。少し風があるけど、雨はどうだろう・・・。
裏道登山口Pには車が一台もない。天候がイマイチだからか・・・。歩き始めるとアケボノソウが咲き始めていた。
小屋前で作品展当番のYさん夫妻、若いころは前尾根もよく行かれたそうだ。
国見尾根への登山道脇にアザミ。下界のとはちょっと違う。



先週滑落事故があったらしいウサギの耳を見上げる。自分で決めたナッツ?がはずれたとか・・・。ベテランでヘルメットもつけてなかったが頭を打たず、命に別状はなかったらしい。岩登りは危険・・・。そんな話をしながら藤内沢へ。

テストストン。
岩はカラッとしていなくて濡れている。空は今にも泣き出しそう・・・。一壁へ数人。
ハーネス、ヘルメットをつける。夫はクライミングシューズ。

P7から。
まん中が私。三番目の夫は右下の木で確保。
真ん中の私はルート直下の木の根で自己確保。ザイルにはカラビナにインクノットでつながる。
今日はルベルソを持ってきた。先週小屋で少し復習したし、H谷さんにも「ルベルソは片手で持っているだけで止めるから。Iさんみたいな初心者は使わないと・・・。」と言われ、使い方のコピーももらった。上下を間違えないようにつける。
クラック中ほど左壁のハーケン、なぜかくるくる回ってカラビナを掛けるのに少し時間がかかった。私は慣れないルベルソからザイルを繰り出す。あまりゆとりがありすぎてはダメだなと思いながら・・・。
その後上に向って間もなくずるっと・・・。何がどうなったかわからない私。ルベルソの両手はザイルをしっかり握っている。ルベルソが止めた?グリップビレイでは握力も腕力もない私には多分止められない。今日ルベルソを使っててよかった・・・。
次は私。
支点のカラビナで一度ザイルをはずして架け替える。その後、前回さっさとできたマントル岩が越えられない。なぜか腕に力が入らない。右下のハーケンの残骸に足を掛けるが左手のガバを見つけられない・・・。随分てこずってはい上がる。
右斜めのスラブ岩もなんだか怖い。木登りも・・・。その後はテラスのビレイ地点を越え、真っ直ぐ進む。ザイルがいっぱいになったので終了点手前の木で確保。夫が上がってボルトまで登る。

まん丸岩。
やはり今日も取り付けない。後ろから押してもらう。上の木で確保する前に二人とも上がってきた。コンテで進む。「首に掛けたザイルの結び目はハーネスの横ではなくて前のループにカラビナを掛けて留めること。」

すぐP6。
夫が先。二箇所カラビナを掛けてほふく前進の後、チムニー下の終了点で確保。
次に私、やはりドキドキする。この辺りが何回歩いても難しく、うまくできない。三センチのスタンスに左足で乗り立つ。交差して右足を少し上のスタンスへ。右足で立つ。
次はクラックに左足。立って歩いてほふく前進。左腕で左上壁を持って両足とも入る。自己確保。

チムニー。
夫が先に。上がって自己確保。ザックを上げる。あまったザイルが引き上げられ私。なぜか体に力が入らなくて思うように登れない。後ろ足を忘れている。力餅も忘れた・・・。自己確保。

マントル岩。
夫が先に上がって自己確保。ザイルを引き上げて私。小雨で少し岩が濡れている。滑るかなと不安になると思いきり踏み込めない。力が入ってかかとが上がってしまう・・・。
コンテにする為、残ったザイルを巻き取ろうとするが、私はザイルの真ん中なのでどっちを巻いていいかわからない・・・。
コンテで歩く時、前を行く夫は少しも後ろを見ないので首をつりそうになる。岩登りは自分のことも、つながった相手のことも考えないと・・・。

P5。
コンテで、夫が先に。

P4。
私が先に。カラビナを3個ほどもらう。すぐのハーケンに掛ける。少し上にも二個目を。ザイル真ん中の私が先頭なので、足りないかもしれない。終了点を最終より少し手前とする。ここで確保。ザイルを二本引き上げビレイする。
さらに上の終了点へ。
小さい岩の窪みに雨が溜まっている。小雨なのに・・・。そんなことに感心して岩と雨に見とれたりする。
二人一緒に登ってくると、ザイルを二本引きあげるので片方だけ緩みが来たりする。そういうときの手繰り方が難しい。
広場に夫が降りる。ザイルをコンテにする為、巻き取ってもらう。私も降りる。コンテで進む。

名無し。
岩が濡れてきたので滑るような気がして思いきれない。「ささっと走るように。」と言われてそうする。休憩広場。

P3。
私が先に。そういえばここは先に行った事がない。北谷側から。濡れた岩が怖くて踵が上がる・・・。6級フェースのビレイ点のボルトは錆びていた。それを使わずにチムニー下まで進む。ここで自己確保。二人をビレイする。やはり二本のザイル引き上げには力が要る・・・。

チムニー。
中ほど、ザックのベルトをはずして外側へずらす。するとうまくチムニーの中へ入れた。そしてチムニー歩き。次が課題の階段。岩が濡れているので緊張する。
一、二、三歩目が乗り切れずやはり膝・・・。でも上がったのでよしとしよう。自己確保。ザイルを引き上げ一緒に登る二人のビレイ。ザイルがねじれた。ねじれないようにするにはどうすればいいのかな?
私がイマイチうまくできない三歩目、二人とも階段を登るように楽そう・・・。
一壁にいた数人はもういない。ツルムにいた人達も降りていった。やはり岩が雨に濡れると危ないので早めに降りるのだろう。滑りやすいもん・・・。
「濡れた岩の滑り具合を体で覚えると次の岩歩きに役立つ・・・。」
その後コンテで。二ツ岩下のスラブ岩横を通るのが怖い。足元が濡れて北谷まで落ちる気がして・・・。
P3二ツ岩下で終了。


ここで小休止。誰も来ない前尾根。肌寒くてカッパを着る。藤内壁の隙間に黄色の苔が綺麗。壁のはるか下に緑の濃淡の大地。濃い緑は大豆、薄緑は刈り取りがすんだ田んぼだろう。
軽く食事をしていると頭の上で人の声がする。Nさんら!今日は前壁ルンゼから。やっぱりこの周辺が一番好きだと言っている。
巻き道をヤグラの上へ進むとそこにはダイモンジソウがいっぱい。花びらは左が長く、大の字を裏返したよう。白い花びらの赤い点々が可愛い。



この時はまだ鎌ケ岳へ行こうと思っていたが雨も降り出したので武平峠から降りることにする。遊歩道でも苔が綺麗。峠道ではアキノキリンソウ。


峠で「何もない稜線で雷に遭遇した時はハイマツ帯に潜り込む。」などと雷のことを話しながら歩いていたら、登山道をはずれてしまった・・・。話しながら歩くと話に夢中になって周りをよく見ていない。迷う。
登山道に戻ると、スカイライン手前に菰野菊が咲き乱れていた。紫色が秋らしい。クモキリソウの葉もまだあった。タニウツギも狂い咲き?ミズナラはドングリをいっぱいつけている。


スカイライン道から表道登山道前、三ツ口ダムへ。緑の水は光がないのでなんとなくくすんで見える。
車道は相当濡れている。登山口あたりは山頂より降ったようだ。こんな日に前尾根を歩けたなんてとてもラッキーでした。

ルベルソ。
家に帰って復習。「衝撃に自動的にロックする。」と説明書にある。もう一度、やってみると右手を意識しなくてもロックした。瞬発力も腕力も何もない未熟な私に向いている。右手さえ離さなければ、セカンドが確保するにはとてもいいようだ。
よくわかってないけど懸垂下降時には流れるとか書いてある?
又、セカンドの確保する場所は始めの支点の下あたりがよいとある。支点から離れすぎたり、クライマーの下はよくないらしい。なんと衝撃加重は一トンにもなるそうだ。クライミングは相手をよく見る事。集中力が全てだとも言っている。
体調や天候など予期せぬ時の予防にしっかり確保器を使おう。

6月号岳人時評には「セルフビレイは最悪の事態から身を守る最後の砦。アンカーはメインロープで安全菅つきカラビナを使うように。」とある。
今まで気なしに読んでいた記事も今一度真剣に読み直そう。そして安全に3000mの山を通過できる努力をしよう。すべて自己責任なのだから。
アンザイレンとは、お互いザイルを結び合う相手の安全を、責任を持って守りあうことと記されている。
今日は少し勉強しました・・・。




2007年9月24日 くもり

作品展の当番。
8:30に藤内小屋へ行くともう展示されていた。当番は私一人。あとの人は山に行ってしまった・・・。
N村さんにルベルソの使い方を教えてもらう。忘れてしまったので復習。セカンドの確保はそれでいいが懸垂下降は流れやすいので「腕力のない女性にはちょっと不向き。」と言っている。
小屋のT子さん、毎年一月に志賀高原へスキーに行くそうだ。焼額?とか。年齢制限がないスキーは楽しい。毎年「一緒に。」とお誘いを受けているが私の実力ではついていけないし・・・。もっとうまくなったらお願いしよう。


雨は降りそうで降らない。裏道を上り降りする人は皆作品を見ながら通っていく。

今日はテストストン練習。
小屋のお孫さんWくん、小学二年生。素足で岩をさっさと登る。体が柔らかい。ゾウリでもすばやい。山の子と言った感じでとても逞しい。
彼は意識していなくても、生活の中にこの岩がある。ここで遊ぶのが普通。御在所が遊び場。環境が人を作るってそういうことなんだろうな。町の子供にはとてもまねできないよ。いつかは平山ユージみたいなクライマー・・・。
小屋手前の橋を架け替えているので、妹と一緒にそこまで駆けていったり、キノコ採りについて行ったり山を走り回っている。よく遊ぶ子供だ。見ていて微笑ましい。
今日は彼に岩登りの基本を教えてもらった。というより一緒に岩遊びをしたというところかな・・・。
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