前尾根

         (三重)
MAEONE

2008年5月17日 晴れ

P7:00〜藤内沢出合8:20〜(前尾根P7〜P3)12:00〜望湖台13:30〜(中道)〜P15:30

裏道はあちこち道普請。石の階段に土を盛って修理中。

ウサギの耳でサラサドウダン。見上げれば藤内壁の新緑が綺麗。
今日はクライミングシューズで。ハーネス、ヘルメットもつけた。
夫は三週間ほど前に一人で前尾根に出かけた。本当にトップがちゃんと出来るのかな?心配・・・。
テストストンで数回練習。



P7。
確保の際には忘れず皮手袋をつける。夫が上り始めた。
私は落ちたら引っ張られる方向に足を向け構える。自己ビレイは木の根。最初のヌンチャクをかける前に落ちたら大変だよ。落ちたらどうなるのか?どれくらいの負荷がかかるのか一度落ちてみる。最近又体重が増えた夫を私は支えられるだろうか。体重差がありすぎる・・・。右手を離さずに持っていればルベルソはしっかりとめた。

それでは前尾根スタート。
意外に速く左上のボルトに一本目をかけたのでちょっと安心する。その後もすぐ上のテラスまでさっさと行ってしまった。
「解除。」ルベルソからザイルをはずしてザイルアップ。自己確保もはずしシュリンゲをコンパクトに丸めてハーネスのカラビナに。手袋もはずして腰に。
「登ります。」左上にガバが幾つもある。マントル岩を抱きかかえる。腕の力がない。直ぐ上には目の前に落ちてきそうな岩。つぶされそうで怖い。早く通りすぎよう。
木の間をすり抜けテラスへ到着。自己ビレイを取る。狭いので夫が上へ行こうとする時に本人が気づかないうちにザックが私の体を押したりする。ビレイを取っていなかったら滑落するよ・・・。
そこから直上するの?「そこは私には無理。」泣きを入れてもまたさっさと行ってしまうので行かなくてはならない。左足をリッジ下の窪みに入れて左手を上のガバにかける。まったく腕に力がない。必死で攀じ登る。体を思い切り外に出してやっとリッジに乗る。あー怖かった・・・。瞬発力もない・・・。

丸岩下がビレイ地点。
自己ビレイを取る。トップの夫側ザイルが上に、私側ザイルが下になるよう手繰る。
トップが出る時、まずこのビレイ地点にヌンチャクをかけクリップする。

丸岩。
藤内側寄りに右手は上のガバに、右足は左端のホールド。左足を岩に押し付けスメヤリング。どうにか登れた!その後は肩がらみで。そしてP6までコンテで。

P6。
木の根に自己ビレイ。足を交差するホールド。すっかり忘れていた。左足に乗り切れない・・・。そうだ膝を伸ばすんだった。伸ばして乗り切って右足交差。やっとできた。

その後はチムニーにはいかず、直登するようだ。ホールドが小さいので怖くてイマイチ乗り切れない。動けなくなってしまった。


気をとり直して足を置き換えると、一歩前に進めた。ところがその後まったく何もないのっぺりした岩。「よく見ればある。」「こんな所行けないよ。」と又泣き事を言いながら、ざらっとした岩肌に靴底を押し付けて必死で・・・。行けた!
下をのぞけばチムニーだった。ここまでが本日の核心部。どっと疲れが出た。
その上のマントル岩を越えてコンテにする。


P5。
コンテで。モアイ像の上まで来るとツルム、中尾根、バットレスがどーんと目に飛び込んできた。この瞬間がたまらなくいい。ここではじめて写真を撮る気になった。さっきまでは無我夢中だったから・・・。

P4。
ここは私が先に。中ほどで右の岩に出る。上まで行かず少し手前で終了点とする。最後の岩は入り込まないように。ここでコンテに。この岩が一番楽しい!

名無し岩。
そのままコンテで。




P3下の広場で小休止。
ヤグラの方から透き通るような鳥のさえずり。その美しい響きに心洗われ、この上ない幸せ感に包まれる・・・。オオルリかな?
後続の人の声が聞こえ、ヘルメットが見えた。土曜日だからか人が少ない。追い上げられると焦るけど今日は空いていて気分的にも楽。それに天気は穏やか、五月晴れ!



P3。
コンテで行くつもりだったのに最初が取り付けない私。チムニー下でビレイしてもらう。

チムニー。
ここも前どうやって取り付いたのだろう。すっかり忘れて四苦八苦。中に入ってしまえば、足を前後に交差してうまく上へ。


ここからは私が先に。
スラブ岩の右からさらに二ツ岩右からコルへ。一本ボルトがあったのでそれでビレイ。
相手が見えないし声も届かない。岩の隙間から来るザイルを手繰るのに力がいる。また腕力のなさを痛感する。もっと腕も鍛えなくては・・・。夫が登ってきて無事終了。

後続三人は大学の山岳部とかでOBの方がリードされていた。肩がらみで。
若い人が二ツ岩から現れてなぜかホッとする。



ヤグラの上でお茶にする。ここから見下ろせば新緑が綺麗な前尾根、藤内壁。鋸岩の藤内沢も緑が美しい。うす緑に包まれた国見もいい。
みどりに染まる御在所。風もみどり。めちゃ爽やか・・・。


望湖台。
谷は萌黄色の世界だった。やっとここまで新緑前線が到達したようだ。御岳神社の尾根も三角点も「みどり。」に染められた・・・。
笹が刈られた道からシャクナゲを見に行く。いくつも蕾がついていた。背後のなだらかな国見の稜線がいい。
記念碑へ行くと先週に続いて足元にタテヤマリンドウの絨毯が蒼い。こんなに沢山咲いているのを見るのはじめて。お見事!


中道を降りるとテラス付近の新緑も午後の光に輝いて眩しい・・・。


初めて二人だけで前尾根へ。
半年ぶりだし、先生不在で行けるか自信がなかった・・・。怖い所が何箇所もある。ほとんどP7P6に集中している・・・。

慣れたら怖くないのだろうか?知り合いのMとさんは女性ながらトップでリードできる方だ。先日「行きたくない所でも行かなければならない。」と言っていた。きっと恐怖心はずっとあるのだろう。
週にジム二日と山二日をこなすタフさにも脱帽するが、やはり普段ちゃんと努力しているからこそ力がつくのだろう。瞬発力も持久力も何もかも・・・。

腕とか指とか上半身の力のなさを痛感した今日、前向きに取り組まねば進歩はないと思った。まずはダイエットがんばろっと・・・。

御在所の「みどり」と「岩」を満喫して帰途につく。
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