前尾根

         (三重)
MAEONE

2008年6月7日 くもり時々はれ

P7:15〜(中道裏道)〜小屋〜前尾根(P5〜P3)〜国見峠〜石門〜国見尾根〜(裏道)〜小屋〜(中道)〜P13:30

先生は既に歩き始めている。前尾根をお願いすると「ちょこっとならいい。」とのお許しが出た。
登山口では初夏の花「ウツギ」が咲き乱れている。
道具を全部自分持ち。ずっしり重い。額から汗が流れる。腰に膝にこたえるけどホンちゃんなら水も食料も増える。これくらいは普通に持てるようにならなくては・・・。山は体力勝負だから。



小屋前テストストン。
小さい緑のがくが岩いっぱい落ちていた。一回だけ上る。久しぶり。
山栗の花?があちこちに散っている。カシ?の落ち葉もいっぱい。

前尾根テストストン。
十人ほどの人は皆一壁へ行ってしまった。今日は山靴。「かかと上がりすぎ。」靴底が濡れているがこのスカルパは滑るという感じはない。前回のクライミングシューズのほうが滑りやすい。
誰かがホールドの周囲を削ってくれたらしい。岩肌がざらざらしてよりフリクションが効く。先生はあちこち試して下の方ではトラバースも。少しまねてみる。これからその練習もしよう。

P7通過。
前回苦労したテラス上の岩を見上げる。ここから見るには尖がって格好いい。

P6通過。
すぐ右から巻くと去年ヌンチャクを拾いに降りた道。チムニーを見上げると小さいクラック。他にもルートがありそう。巻き道にはシャクナゲの白い産毛の新芽。小さいイワカガミもまだ咲いている。
背中が赤い足の長いクモみたいな?生き物が歩いている・・・。今大騒ぎしているセアカなんとかいう毒グモではなさそうだけど・・・。

P5。
手前の巻き道はどのあたりに出るのだろう。
前回一壁で使ったままのロープ。雨で大急ぎで片付けてそのまま。からまっている。先生に直してもらって?(面倒をおかけしてすみません。)次回から巻き取る時にねじた分を戻してきちんと片付けること。
コンテでスタート。一歩右に大きく出てモアイ像の前に立つ終了点。この瞬間、前尾根にいることを実感する。目の前にドーンとツルムが聳えていい気分。

P4。
私が先に。ここは楽しい岩登り。三箇所ほどヌンチャクをかけて終了点。最後の岩も右岩に出てすんなり。
まず自己確保。これを忘れて落ちる事故が多いらしいから気をつけよう。
ルベルソを使ってロープを上げようとするがうまく上がらない。
やり方を間違えたのかな?腕が疲れて・・・。
「ロープが岩の狭い所に入り込まないようにする。」「ロープは曲がらないように真っ直ぐ伸びるようにセットして行く。」私が手繰れないロープを先生は手に持って・・・。
確保する位置もまずいし、足元にはロープがいっぱいで、先生が上がる場所もない・・・。
P4でのセカンドのフオローがうまく出来なかった・・・。
「ここは肩がらみかグリップビレイで。」

名無し。
コンテで楽しく。


P3。
先週うまく取り付けなかったけど・・・。藤内側の枯れ木から登ろうとするが折れそうで怖い。その直ぐ右の大きいガバを左手で、右手を小さいクラックに入れジャミングする。指先で左の岩を押し付け肘から手首で右岩を押す感じ。岩と体がくっついたような不思議な感覚で岩を上がる。これがジャミング?今日初体験!チムニー下へ。

チムニー。
私が先に。行ったことないと思うけど行ってみる。すぐにクラックには入らず、下のほうからクラックの右岩に右足、背中のザックを後ろ岩に押し付ける。なんか楽にチムニーを登れた感じがした。多分これが体力を消耗せずに上る登り方だろう!体感。
次の丸岩への登り、今まで二歩目が怖かったのだが・・・。今日は楽しく乗り込んで終了点。
自己確保。ザイルをアップする。今度はグリップビレイで。こっちの方が早いし楽。「クラックにロ−プを入れないように。」気をつけて岩の上に流す。先生が上がって終了。今度はうまく出来た。
格好いいクライミングシューズの年配男性に先を譲る。一人で前尾根を歩くなんて尊敬する。
ここで一休み。後続はなし。だーれも来ない。


何気なく普通に目の前の岩に乗って前尾根を見下ろす。上のP3二つ岩とヤグラも見上げる。え?こんなこと今まで怖くて出来なかったはず・・・。ここは御在所前尾根の特等席。今日のご褒美はさくらんぼ。
静かな前尾根をゆったり楽しめてハッピー。ずっとここにいたい気分だけど・・・。重い腰をあげスラブの横を歩き始める。先生はそのスラブを歩いて二ツ岩右岩へ。
降りてしまう前にもう一度前尾根を振り返る。ここも立ち止まることもできなかった岩なのに、今日は不思議。写真を撮ることができた。慣れるってこういうことかな?
「セミ版」前尾根終了。コルで道具を片付ける。ロープの巻き方、よく見てしっかり覚えよう。
今年二回目の前尾根。あちこちはしょって楽しいところばかり。こんな前尾根もいい。



いい気分で巻き道からヤグラへ。ここにもまだイワカガミやタテヤマリンドウが咲いていた。核心部をカットしたので疲れてない。おまけに時間も早い。

ヤグラ手前の岩場。
去年前尾根が終わってホッとしてここから転げ落ちた。緊張の糸が切れたのだろうが、私の犠牲になったその木の枝は枯れていた。木に助けられて学んだことは「岩登りが終わっても決して最後まで気を抜かないこと。」だった。多分事故はそんな時に起きるのだろうから・・・。

P1から裏道。さらに国見峠から国見の岩場へ。
久しぶりにここから藤内壁を眺める。目の前には深い緑の夏色御在所。望湖台の標識がきらきら光る。スキー場の緑も鮮やか。藤内壁には靄がかかって夏山のよう。

石門へ。
この躑躅林が好き。新緑シャワーを浴びて超気持いい。「石の上からはサラサが見事・・・。」のはずがチラホラ。今年は花数が少なくて残念。


天狗岩。
手前から頭へ。多分ここは二回目。チムニーのようにして背中を押し付けて上る。目の前に国見岳の岩場が格好いい。足下の谷の新緑が綺麗。


頭から眺める藤内壁は圧巻。

P4は渋滞中。ここから見れば垂直の梯子上り。P3の傾斜も急だ。取り付きが難しいのもうなずける。6級フエースは「真白の大きい靴」壁だ。二ツ岩直下のハングした岩壁が格好いい。
ヤグラのコルから真下に前壁。三角の岩山がいくつも。
さっきまでいた前尾根をここから眺めるのは又格別・・・。ゆったりまったりする。
頭から背中へ降りるのが怖い。前向きにクライムダウン。ザックの底が岩にかかって・・・・。尻尾から降りるのも慎重に。


揺るぎ岩前から岩場を降りる。展望台には先客がいた・・・。

尾根末端の岩から裏道へ。
急傾斜の道だ。去年ショウジョウバカマの写真を撮った岩に来た。と言うことはずっと来ていなくてこの道一年ぶり・・・。そして多分三回目。


途中、前尾根と一壁を見上げる。
土石流が流れた跡のように見えるのは藤内への道。四角い積み木を積み上げたようなチムニーが面白い。その上に人一人。見ている間にもう一人・・・。
一壁はここから見るとオニギリのように三角。ダイレクトは初心者ルートの二倍ほどの高さ。すごーい。



裏道と合流。
濡れた落ち葉に滑らないようになるべく石に乗る。

中道へ。
急登がきついと分かっていて進む。乗り越しまでは休まず登ろうと決めて・・・。やっとたどり着く。案の定、足はフラフラ息はきれて死ぬ思い・・・。バナナで元気を取り戻す。
登山口ではスカイライン両側や温泉最奥駐車場に車が溢れている。
いつの間にか季節は巡って初夏。今日の御在所は濃い緑の衣装を纏ってすっかり夏色だった。


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