前尾根

        1212m (三重)
GOZAISYO

2009年9月6日 はれ

裏道P 5:30〜小屋6:00〜前尾根取り付き7:10〜P7・7:30〜P3(10:00〜10:30)〜(藤内沢)〜旧カモシカセンター11:00〜峠11:50〜鎌ケ岳13:00〜(三ツ口谷)〜ダム〜裏道P 14:30

裏道駐車場。
はるばる姫路から見えた方三人がスカイライン道路上で朝食。「御在所から鎌へ行きたいのですがどのルートがいいですか?」と聞かれた。夫が地図で中道から三ツ口谷をすすめている。
藤内小屋のベンチで寝袋に包まっている人はMベルの方?今日は小屋新築の日らしいから。
ウサギの耳少し上でどーんと藤内壁が目に入る。今日の青空は素晴らしい。なぜか国見峠だけにガスがかかっている。

中道の尾根を見上げれば、丁度、北谷テラスに人が来た。ザックの色やズボンからTさんらしい。「やっほー。」声は届かない。同じ頃に出発して中道からだとテラスで、裏道からはこのあたりになるようだ。
遭難看板手前付近から明るい若者の声が聞こえてきた。二人が夫々一人用テント外で朝食中。今どきらしいテントの使い方。

7:10前尾根テストストン到着。

P7。
足元にアブがぶんぶん飛んでいる。昨日の疲れで腕に力が入らない。体も重い。ジャミングも苦労して1ピッチを上がる。
核心部、テラス上のギザギザ岩からフエースへ移ろうとしたその時、左腕にチクリ。「痛っ!」刺されるのが目に見えていたが手が離せないし・・・。ハチかアブか?終了点で刺され口から毒?を搾り出してもらって水で消毒。辺りには、ハチが飛び回っている・・・。
「構うとダメだから。アブだからたいしたことないし・・・。」と前へ進むことしか頭にない人と「痛いので降りる。まだ死にたくないし・・・。」と口げんかしながら行く。

P6。
苦手なフエース。「もっと腰を岩につけて。」とか言っているが刺された腕が痛くてそれどころではない。



P4。
練習の為、中ほどでピッチを切ってロープを引き上げる。テントの若者がノーヘルできた。昨日のバットレスも彼等だったそうだ。めちゃはやい。

P3。
腕は痛いが、チムニーはやっぱり楽しい。二歩目もしっかり膝を伸ばして乗り込む。クラックを登る人はジャミングにもすっかり慣れたようだ。二ツ岩を左に下りて終了。



大阪の若者二人は今からヤグラへ。一人が私と同じようにハチかアブかに刺されたそうで足首が赤く腫れていた。

その後ろからI藤さん。一緒に藤内沢から鎌ケ岳へ行くことに。剣岳北方稜線の話を聞きながら歩く。

冬から一度も来ていない沢は荒れていた。ダイモンジソウが咲いていた。鋸岩で前尾根を見下ろすと大阪の若者さんはヤグラのテッペンにいた。すごーい。
辺りのミズナラには緑のドングリがいっぱい付いている。実りの秋を迎えた大地は黄金色。ここはすっかり秋。


遊歩道から鎌ケ岳へ。
あずまやでは早くもヤシオが紅葉。ワイン色の葉は光を浴びて真紅にも見える。トンボはもうとっくに下界へ降りたらしく一匹もいなかった。
日が当たる峠道は照り返しが暑い。前尾根よりずっと蒸し暑かった。峠で一休み。クッキー、アミノバイタル。今日の峠は風がよく通って涼しい。
アキノキリンソウ、ママコナがあちこちに。

展望台。
三ツ口谷から吹き上げてくる風が気持ちいい。カラッとして爽やか。なのになぜか御在所や雨乞岳はモヤッとしている。イワツバメが急降下してきた。八月半ばの乗鞍でも見たが、九月の鈴鹿にもまだいる。

源頭部から一人登ってきた。その谷からの風にしばし吹かれる。気持ちいい。馬の背岩も直下の岩もからからに乾いている。こんなざらざら岩は滑る気がしないので快適。当然大胆になる。
アゲハが一匹舞っているだけで山頂にもトンボの姿はない。リョウブは葉も花も茶色く枯れたようになっている。そこにはもう夏の鎌ケ岳はなかった。

尾根から降りると、日本庭園は紅葉が始まっていた。少し先の草原で、朝会った姫路の山岳会さんが分かれ道に迷っていた。「ついて行きます。」としばらく一緒に降りる。
巻き道から三ツ口谷へ。大滝の水量は少なかった。谷の水で虫刺され腕を冷やす。


ダムのエゴノキの実は数えるほど。みな落ちてしまったのか、あの花数からは想像できないほど少なくなった。
ススキが覆いかぶさった道をかき分けて進むと、堰堤はススキ野原。ここもすっかり秋の風情。

スカイライン道へ出る。ツクツクボウシが気忙しく鳴いていた。ありったけのエネルギーをぶつけているように聞こえる。「もう夏が終わるよ。急がなくっちゃ・・・」と。
ツクツクボウシの残された命を思うと切なくなってきた。

一日で夏と秋を感じて、ふと我に返る。ハチに刺された腕は赤く腫れあがってきた。まだ痛いけど、ショック死しなくて良かった。
さらに翌日は腫れがひどくなり、赤くなった部分も広がっていった。次回からは虫除けスプレーをもってこよう。

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