前尾根

        1212m (三重)
GOZAISYO

2009年12月12日 晴れのち霧雨

P7:00〜中道裏道分岐〜(裏道)〜前尾根テストストン(8:25〜8:45)〜前尾根(P5〜P3)(8:45〜12:00)〜朝陽台〜(中道)〜P14:25

T尾さん、前尾根デビュー。しかもいきなりのアイゼンワーク。私がアイゼンで前尾根を歩いたのは二年前。それもたった一度きり。今日の天候はイマイチだけど・・・。ロープを預け中道へ。重いので助かります。
分岐まで来て何となく回復しそうなので裏道へ。北谷から見上げれば青空が広がってきた。



朝の光が前尾根に差し込んで綺麗。冬なので太陽の高度が変わって前尾根だけにスポットライトが当っている。その輝きが神々しい。格好いい!


テストストン。
岩は濡れている。今季初めてのアイゼンなので・・・。すっかり付け方を忘れている。Tさんはソールの張替えで靴が大きくなって今までの位置ではキツイそうだ。それも右だけって不思議。硬貨でねじを緩めて留め位置を変えている。
岩のアイゼン跡には水が溜まっている。手袋が濡れて冷たい。「つま先の歯を一本掛けたら両側の二本で岩を押す。」慣れないし、怖くて一本歯に乗れない。
出っ歯でないアイゼンをつけたTさんはアイゼンなんて何もないみたい。山靴と全く同じで軽やかなステップ。どうしてそうなるの?
T尾さんも初めてなのに普通にテストストンを歩いている!素質のある人はすぐできるんだ・・・。何度やっても進歩がない私とは大違い・・・。



P5。
濡れている岩にしがみついて登る。体が重い。テストストン練習は休んでいるのと同じだった。体力をまったく使っていない。大休みした後と同じように体がだるい。

P4。
ロープを運んでくれたT尾さんありがとう。ここで全員つながる。私は真ん中なのでインクノットで。数ヶ月ぶりだし、今までより数センチ高いアイゼンに足も体も慣れないし・・・。足に力が入って体が強張る。ぎこちない。
「アイゼンにはアイゼンの歩き方がある。」岩をアイゼンで歩くのってめちゃ難しい。歩きにくい。
ロープがねじれているのかルベルソからうまく流れない。3人なので25mで「いっぱい」になる。丁度P4中ほどでピッチが切られ、真ん中の私が3番さんをビレイする。がやはりスムースに流れなくてグリップビレイする。グリップした手を緩めたり、硬くしたりする。グリップビレイは手の位置も自由に変えられるのでいいそうだ。P4の終了点は風当たりがきつく寒い。久しぶりに狭いクラックから登る。

名無し。
霧雨が降っている。靴なら滑りそうな所もアイゼンをしっかりかければ滑らない。いつもは歩けない岩をアイゼン跡頼りに登る。上から見下ろすと「あんな所登れた。」と驚いてしまう。
手袋が濡れてびしょぬれになるので時々雑巾のように絞る。気温は高くて手はまったくかじかんでいない。とても12月とは思えない。

P3手前の広場で一休みしたい・・・。ところが空が暗くなってきた。チムニーで土砂降りは嫌だ。これはゆっくりしていられないよ。

P3。
靴ではぜったい滑る出だしも、アイゼンの歯をひっかけて楽に・・・。めちゃ安心。

チムニー。
クライミングシューズで登るのは好きだけど、アイゼンでは背が高くなった分、難しい。アイゼンの歯が足の周りにからみつき、ズボンやロープを引っ掛けたりする。


ヤグラのコルへ。
やっとアイゼンに慣れてきた。こんな日は滑落しそうだから?ちゃんとビレイされている。二ツ岩右からコルへと降る。コルでは頼りないハーケン?(Tさんの弁)で確保されていた。無事修了。

T尾さんはどこでも普通に歩いている。手足は長いし、高い所も平気だし、腕力はあるし、ロープの扱いにも慣れているし・・・。私が何度やってもうまくできないことがすぐできる。若いって素晴らしい!

朝陽台。
ロープウエイ乗り場には気温6度、風速6mと記されていた。天候がよくないのに登山者が多い。T尾さんが入れてくれたコーヒーをありがたく頂く。ホッとする・・・。



中道を降る。私たちは黒雲のオリの中に閉じ込められているよ。雲のカーテンの隙間から大地をのぞきみる。山の天気とは裏腹に下界は穏やかに晴れている・・・。


大降りにならなくて良かった。12月の雨の前尾根を歩けたなんて感激。しかもアイゼンで。Tさんのお蔭でめちゃくちゃ貴重な体験ができました。

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