前尾根

        1212m (三重)
GOZAISYO

2011年5月14日 晴れ

青滝P6:45〜(裏道)〜藤内小屋7:45〜前尾根(P7〜P2)(9:00〜13:30)〜(前壁ルンゼ)〜小屋14:30〜P15:20

北谷のえん堤工事が着々と進んでいた。小屋から見上げる砦岩は新緑の裾模様。青空に緑、風薫る五月の山が美しい!
Sルートを開拓されたS田さん、よろしくお願いします。

「日本の岩場」に乗っているのでルート名は知っていました。人工で誰も行かないような岩を攀じ上られた方だそうです。すごーい。


ちょっと肌寒いのでカッパ上衣を着る。

P7藤内側ルート。
いきなり、ここ?半年ぶりだけど登れるかな・・・

S田さんの登り方を見る。速いので目がついていかない。右足だけ足裏全体を壁に押しつけたりする。
支点と木の間でビレイをしていると、場所が悪いそうだ。上の岩壁から「そこはトップが落ちたら岩にたたきつけられる。メインロープでビレイした木の延長線上に立つように」注意される。よくわかりました。
取りつきはうまく乗れた。フレークした岩を超えて、ハング岩に乗り込むのが難しい。左足を押しつけて、二回目で乗れた。その後の手掛かりがない岩を歩くのが苦手。足で立つように意識して、最後は細いクラック沿いに右に出る。

丸岩。
「ヘビのように岩に沿って動く。左手がポイント、プッシュして乗り込む」登れた!ベテラン女性二人が先行。

P6。
リード。「ロープの掛け方が反対」まったく身についていない。魔法の手のおかげで終了点手前の難関を突破。ここでもっと立てたらいいな。ビレイは半マスト。
「以前からイタリアでは半マストが当たり前だった」そうだ。「ビレイなどはシンプルが一番」 「岩登りはスピードが大事。のんびりしてたらチャンスを逃す!」

跳び箱岩、「ガバの手前で左に乗り込めば簡単」だとか。それがいつも乗れない私・・・


P5藤内沢側ルート。
取りつきが難しい。ガバが高くて左に体を振れない。何度も滑り落ちる。後の人がいないので、押し上げてももらえないし・・・
あきらめずにやっていると、なんとか取りつけた。次のスラブは細いクラックに立てばいいのだが・・・藤内側に滑落しそうで立てない。神の手をかけてようやく立てた!
今度はスパッと切れ落ちた岩、下を見たらクラクラ目眩がする。それからは岩だけを見て、もたれかかる。少しずつ体重移動して左上する。その後右に回り込む。岩を抱きかかえるようにして終了点下に降りる。


P4。
すべり台の下部に向かって登る。このスラブは初めて。確保されているが、6級フエースみたいで怖い!

すべり台。
クラックに足を入れ、痛い思いをして中間部へ。その後トラバースしてノーマルルート凹角部へ。ここから私がリード。このあたりの岩が好きなので、気分は最高。風がキツイ終了点。半マストでビレイ。

腕に力がないので、いつもながら、ロープの巻き取りは数回が限度。フラフラする。

P3。
S田さんは6級フエースをスイスイと。

オニギリで遊んでいる人数人、一壁も十人ほど取りついている。ここ前尾根は空いている・・・


P3上部のチムニーはリード。その後はフリーで。下界の緑が綺麗だ。

P2。
アカヤシオに縁どられた春のヤグラ。柔らかな緑も綺麗!


岩は乾いているようだ。


突然、真中につながれた。核心部で、怖くて右に出られない。真中を攀じ登る。チョックストンを抱きかかえて立つ。がその後のマントルもうまく乗り越せない。腕に力が入らない!

三番目、S田さんが登ってきた。体や手を岩に押し付けたり、ジャミングなどなんでもどこでもさっとできる。無駄な動きがなく、軽やか。やっぱ凄い!

藤内壁を仰ぐとアカヤシオが祝福してくれている!今日の御在所北面は岩の隙間をアカヤシオが埋め尽くしているのだ。

オニギリを超えてさらに上に進んでいく人がいる!そんな所にもルートがあるの?ちなみに、S田さんが一番好きなのはこの中俣とか。

懸垂下降。
二本のボルトに、ロープを通して先端を結ぶ。ロープダウン。ルベルソの方向がどっちかなって迷う困った人・・・

プルージック。
今までロープに二回巻いていたが、今日は一回。摩擦が少ないからか?ガクガクとならず、よりスムース。左手の調節が楽だった。

上部の尖った岩の降りは足で岩を挟むようにする。「足を伸ばす、体を倒す、まかす」わかりやすい!

S田さんはカラビナを組み合わせて降りるそうだ。めちゃ速くて滑らかな下降!
どうしてそうなるの?


降りは前壁ルンゼ。
前壁にも何本もボルトを打ったそうで、まだ残っているのを見せてもらう。どうやって登るの?と思うほどのっぺりした垂壁。何十年もの間、そこにあるボルトに思いを寄せる・・・

前壁下の裏道に出ると、国見峠から降りて来た人が大勢立ち止っていている。「あの岩から降りたのですか?道はあるんですか?」と聞かれる。道はないので行かないように話す。

黒い藤内壁と、その隙間に咲くピンクのアカヤシオ、そして生れたての淡い緑の葉をつけた木々が美しい北谷。街中のようにカラフルな装いの山ガールが色を添える。


明日も、岩三昧の先生方にお礼を言って小屋をあとにする。ぐねぐね巻き道を登ると、花束イワカガミ。

梅雨前の爽やかな日、新緑に包まれた前尾根の岩を歩けてハッピーでした。

         トップメニューへ
inserted by FC2 system