バルムのコル 

           2191m (スイス)
TOUR DU MONT BLANC
トリアンからのつづき。

2011年7月8日 はれ

トリアン〜バルムのコル(2191m)〜ル・トウール〜(バス)〜シャモニ
ホテル(歩行6時間)

昨夜の雨で道が濡れている。雷が二回大きくドカンとなった。日本のようにバリバリと荒れることはなかった。そして雨はあがった。

トリアン氷河と教会を見上げて歩きだす。お世話になった、工事中の白いペンションもしっとりした風情。数台のバイクが丘から降りて来た。バイクの旅も楽しそう。

前方右手に迫力ある岩山が見えて来た。朝方は霧が纏わり付いていたが、登るにつれて、ガスが取れて、どんどん青空が広がって行く。


今、スイスの山を歩いている!なんか信じられない。
十数年ほど前、初めてKさんにつれてもらって歩いた藤原岳、二人ともふらふらだった。そこで出会った、カタクリやレンゲ躑躅の花に感激。その彼女ら?に会えたことが、今日につながっているのだから、藤原岳に感謝しなくてはね。


トリアン氷河の霧が美しい!ナナカマドと草原の緑の中を歩く。振り返るとトリアンの村が随分小さくなった。


足元には花が咲き乱れている。レンゲ草の様な花、フウロソウ・・・
「悪魔の爪」やっと綺麗に撮れました。


前方からスコットランド民族衣装のようなスカートをはいた人がやってきた。後方からアメリカの国旗をひらひらさせて登って来る人もいる。世界各国から来た人が、それぞれにアルプスを楽しんでいる。やっぱり山っていいな。

足元には花が咲き乱れている。山一面のアルペンローゼ!


花はいつまでもどこまでも尽きることがない。「悪魔の爪」が群生している!


星条旗ひらひらさんにおいこされた!空が広くなってきた。


そして最後を飾ってくれたのはゲンテイアナ!宝石のような「蒼」をありがとう。振り返るとトリアンから、歩いてきたジグザグ道が緑の野原にくっきり。

村から、小さく見えていたバルム小屋が目の前に大きく迫ってきた。


バルムのコル。
「わっ」なんと、その横に白い峰モンブランがドーンと!「やったー」最後にこんな絶景が待っていてくれたなんて、感激。


隣にベルト針峰、ドリュ。シャモニの谷を挟んで赤い針峰群。これ以上美しい山はないよ。私たちの山旅はもう終わりに近づいているけど、それはツールドモンブランに相応しいエンデイング!


ずっとモンブランを見続けた十日間。無事に歩き通せてよかった。モンブランの神様、好天と美しい山と感動をありがとうございました。


親切で優しいガイドさん、H谷さん、一緒に歩いてくれた皆さん、ありがとう。

全ての出会いが蘇って、胸がいっぱいになる。やっぱり、私は山が好き!


前方に、自転車の人が大勢登ってきた。手を振っている。この国境までくることなく、そのままスキー場を降りていく。きっと、慣れている地元の人。

名残惜しい我々は、国境の石でおおはしゃぎ!すぐにスイスに別れを告げ、フランスに戻らなければならない。そして日本に帰らなければならない・・・
傍らに「わすれないで」とささやく小さなワスレナグサ。「ぜったい、わすれないよ!」


余韻を楽しみながらゆっくりスキー場を降る。ゴンドラ乗り場手前のレストラン。ホットサンドイッチで昼食。一息つく・・・

ゴンドラからは、見おさめのル・トウール氷河。このスキー場で氷河スキーできたらいいだろうな・・・技量もないのにそんな事を考える。


ル・トウール。
日向ぼっこしながらバスを待つ。緊張が途切れて、心も体もゆったり。バスに揺られてシャモニ駅前のホテルに戻った。

街へお土産を買いに出かけると通り雨!どこかの店に入っているうちに止んだ。ちょっとだけ、シャモニの雨も体験する。街角から見上げる雨上がりの山が又いい。おわかれに、シャモニ針峰群、ミデイ、ボソン氷河、皆、顔を出してくれた!


お土産は、チョコ、ワイン、クッキー、チーズなど。

大勢の人が遅くまで、美しい街を楽しんでいる。訪れた人みんなを幸せにする素敵な街、シャモニ!


2011年7月9日 はれ

シャモニ〜(タクシー)〜ジュネーブ10:50発AY868便〜ヘルシンキ14:50着  ヘルシンキ17:25発AY079便

少し、朝の街を散歩。昼間と違って静か。それに綺麗。ゴミ一つ落ちていない。さすがシャモニ。

氷河の融けた水が流れるアルブ川。白く濁ったような色と、その速い流れに見惚れる。

ホテルの朝食は、大勢の日本人旅行者と一緒。食事も日本人好みにしてあるようだ。ここはどこ?まだフランスにいるんだよね。


Oエンさんのタクシーでジュネーブへ。軽い腰痛でカイロを貼っていたら、女性の調査官が飛んできて、靴までボデイチェックされた!

ジュネーブ空港内に映画カサブランカのワンシーンが動画に見えるように何枚もかけてある。いい感じ。近づいて、一枚一枚をよく見ても荒くてよくわからない・・・

乗りこんで、すぐ朝食。温かいホンレンソウのリゾットにホッとした。

ヘルシンキで乗り換え。
空港内が広くて遠くて、移動が大変。迷子になる・・・


2011年7月10日 はれ

名古屋へ着く二時間前に朝食。時差の関係で、行きに7時間多く、帰りに7時間少ないので、さっき朝ごはん食べたばかりのように錯覚する。
中部国際空港8:50到着。無事日本に帰ってきました。まず感じたこと!「むしあつっ・・・」

ホテルで駐車料金を清算。十日間無料なので、支払いは一日分。車に荷物を置いてセントレア展望風呂「風の湯」ホテルの割引券チケット¥900。
旅は終わった。


ツールドモンブランまとめ。
@ 歩くこと。標高2000mから2500mの高地を何日も歩けるか不安だった。週一回の山歩きに加え、三ケ月前から、毎日ウォーキングをしたのがよかった。余裕ができると楽しい。
A 登山道。岩をよじ登ったり、滑落するような場所はほとんどなく、全体的に安全でなだらかだった。天候によっては、降りで注意する個所もあった。
B 靴。軽登山靴。スニーカーのように軽くて歩きやすかった。
C 服装。夏の北アルプスと同じ。
D 着替え。風で洗濯がよく乾く。ザックを軽くする為にも、予備だけでよかった。
E 水。すべての山小屋の水でOK。
F 食事。ほとんどがパンとスープ、パスタ。消化の悪いものは食べない。お腹をこわさないよう気をつけた。ワインは夕食だけ。
G 冷え症と便通対策。毎朝、山小屋でお湯を貰う。昼食には、持参のKんてんぱぱの寒天入りスープ、ぞうすいなど。おやつとして、Kんてんぱぱの乾燥なっとう、寒天ゼリーなど。
H ストレッチ。最後まで、怪我なく歩き通せるように、足裏マッサージと、寝る前ストレッチをかかさなかった。
I 衛生。山小屋のシャワーがうまく使えず、(背が低いので、手が届かなかったりした)風邪をひきそうになったけど持ちこたえた。湿度が低い為、あまり汗をかかないので、体をふくだけで良い時もある。
J サンダルがあると便利。
K時差ぼけはほとんどなかった。

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