南 山
(愛知)

NANZAN

2004年12月2日 はれ

東名阪自動車道〜猿投グリーンロード(力石IC)〜(153号線)〜豊田南山〜八間〜猿投〜東名阪


初めての岩のぼり。ロッククライミング。ご一緒していただく皆さんはベテラン揃い。初心者は私だけだった。もう菰野から不安になって緊張してトイレに何度も行く。
猿投グリンロードの長久手あたりは紅葉で晩秋の雰囲気。いい感じの森が続いている。万博会場のそばを通ると出来上がったパビリオンやモノレールなどが目に入る。森を切り開いて作られた会場らしい。やはり森を壊されて残念だなという思いがした。153号線を中金小学校を左に見て右折れ。山道に入るとすぐ道路沿いに岩が現れた。


駐車場から歩いて5分の所に今日の練習岩場南山「雌岩」があった。川を渡って岩場の下に行く。見上げると御在所岳の一壁よりずっと高く、広く日当たりもいい岩のようだ。
愛知川通いで使っているヘルメットと知り合いからもらったハーネスを持ってきた。クライミングシューズは持っていないので、足にぴったりあったシューズを借りる。
まず下の方をトラバースする練習。その後、八の字結びを教えていただく。そのザイルをハーネスに通し結んでいよいよ本番だ。
靴の裏の砂を払う。先生に一番左を登るように言われた。大丈夫かな。行けるかな。
岩をよく見ると手がかりや足がかりが見つかる。小さなスタンスにそっと足を載せ、その足に体重をかける。手は岩に合わせ持ち方を変える。岩に手を置くだけでも摩擦でもてるとか。それはとても怖くてできない。近くの手がかりが見つけられず、つい遠くに手や足を伸ばしてしまう。
どうにか上部に来た。今にも心臓が止まりそう。下で確保していただく方が随分小さく見える。高所恐怖症の自分が平気で下を見下ろせるのが以外だった。
支点近くの上部で身動きできなくなる。手がかりがない時用に一つもらってきた「ヌンチャク」という物を一番上で掛けた。それを掴んで上がる。そしてはずす。「やった。できた。」
手を上げて合図をすると次が難関。降りるのは後ろ向きだから怖い。「体重をかけて任せて。」と言われるがそれができない。恐怖感から膝が曲がる、岩にしがみつく。
「体を起こして姿勢良く、後ろに体重を預ける」と言われたようにやるとうまく行った。「膝を伸ばして後ろ向きに歩くように、足は肩幅で」などなど。
やれやれやっと足が地面についた。止まっていた心臓が動き出したようにバクバクした。
「手は肩、足は膝のところで次の一歩を見つける。あまり遠くに伸ばさない。」が次の課題。下から見上げると先ほどの自分は他人事のようであの高いところにいたとはとても信じられなかった。
2回目ちょっと慣れて先ほどよりスムーズに登れた。自分でも体が軽かった。「クライミングは体重の移動だから、ゆっくり移動させればいい。」1回目に困難だった最上部は少し左に回ると立ち止まらず行けた。これがルートファインディングかな?
下の方でトラバースの練習をしていると今度は右端のルートを行くように言われる。見上げるとのっぺらぼうで途中手前にふくらんでいるような岩がそびえている。とてもできそうにない。「行ける所まででいいから。」行って見ると下から見るよりは手がかりがしっかりしていた。
上部の岩には日があたりとても温か。近くで先輩の方がクライミングされる姿が目に入ると、私も今そんな感じで岩の上にいるんだと気づきこれはすごい世界だなと思った。
重力に逆らってみんな宇宙遊泳のように岩の上を泳いでいる。気持ちよさそうに。私もいつの間にか上部支点についていた。という訳で雌岩で5回練習。



あっという間に時間が過ぎていった。八間に移動。こちらの岩場は又見ただけでハイレベル。手がかりらしき物が見当たらない。
先輩の方々はジャノメスペシャルと呼ばれる岩を仙人かと思うような格好で取り付き手がかりのないスラブも登っていく。ただただ唖然とするばかり。
「レイバック」という登り方は岩を手でつかみ、足を岩に押し付けて上がる。私も最後にやってみて「ヌンチャク」をはずしてきた。「やった。」
翌日、いつも使わない筋肉を使ったので背中や腕がバキバキいっている。形容しがたい心地よい疲労感。
初めてのロッククライミングは緊張したけど、今まで体験したことのない世界で不思議な魅力を感じた。多分同じ岩はなく、次々と新しい岩に向って挑戦していく面白さがあるのだろう。
そしてその度に困難と苦しみを乗り越え達成感を味わい知らず知らずのめりこむのかな。ロッククライミング初日、この世界の魅力にちょっと触れた気がした。やはり「岩」にも嵌るかも・・・

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