南山
           (愛知)

NANZAN

2005年11月10日 快晴

(湾岸)(R153)〜南山岩場(8:00〜14:00)

湾岸から行くと一時間で南山へ。
空が明るい。風もない。いいお天気になりそう。紅葉はやっと里に降りて来た。
南山は丁度去年の今頃、有料講習で初めて登った岩。今日は二回目。
Hさんの指導で、ご一緒して頂くのはTさん。
岩場には誰もいない。空いている。まず雄岩へ。ここは初めて。川を渡って左へ。足場は狭いが岩の傾斜は緩やか。岩場の上の方だけ日が当たっている。
壁の右からまわってHさんはザイルを岩の上にかけに行く。(支点)上からザイルが降ろされ、先を下の木に駒結び。ワッカを二本のザイルにかける。そのワッカに安全環カラビナをかけ確保。
トップロープクライミング。
八の字結びに安全環つきカラビナ二個をビレイループにつける。

「足を何度も置き換えない。後ろ足でけりあがらない。」という先日の課題は克服したらしい。体重移動がちょっとできるようになったかな?
ここを二回。よく覚えていない。



次に川を下って雌岩へ。
去年来た所だ。はじめに岩の下でトラバース練習。重心の事を考え移動する。左足を出そうとする時、まず右に体を持っていく。
左足を出したらその足に体重をかけるように腰と太ももをもっていく。完全に体重が乗ったら右足をあげる。そこで体重を完全に移動させずにいい加減に乗るとすべる。落ちる。完全に片足に乗ってから次の岩へ。
二・三歩、先を見る。次どこに足を置くか考えながら。
「地軸と自分の重心を考えれば、岩登りは物理的にかなっている。体を三角形か逆三角形の形にする。山を歩く時の三点確保と同じ。山を歩く時は手を使わないが、その時は無意識に体重移動をやっている。」岩は手が使えるので姿勢がわからなくなるのかも・・・。
「手の指を岩にかける時、人差し指に親指を上からかけるとより力が入る。」
「腰を入れる。岩につける。背中を反らす位。そうすると下足もけらない。落石もしない。」
「そっと足をおいたら動かさない。そして体重移動。その繰り返し。岩はその積み重ねだから・・・。」
「一歩一歩を意識しながら確実に体重移動する。意識してやらないと上達しない。」
「上手な人を見ると無駄な動きがなく綺麗。それは体重移動を確実にやっているから。ヘビが一定の速さで動くような感じで登る。早く登る必要は全くない。」
「交差する時は内側から。バレー足で。」
体重移動を意識すると岩歩きはなんか太極拳みたいな感じ。ゆっくりやんわりと動くあの感じ。それで行こうっと。


その意識のまま、トラバース練習すると不思議なことに次のスタンスへの確実な体重移動ができた。初めてだ。横移動で行って戻ってと何度もやる。
木登り、梯子登り状態ではわからなかった事が今日のトラバースではじめてわかった。
岩を登る時はその「太極拳」と「ヘビ」を意識した。
言われた事が頭に入って自分なりにできるようになるってすごい。子供のようにうれしくなる単純な私。又すぐ忘れるけど・・・。
何度聞いてもわからない何度やってもできないと思い込まないことかな?十九回やってできないことが二十回目にできるようになることもあるんだ。それが今日の私だった。
このトラバースでできた事がどこでもできるようになるには相当練習しないと・・・。
二十一回目には又できないということもあるし。



1・左端。初心者ルート。二回。
2・まんなか凹各部の右。二回。
3・その右の凹各部一回。
4・まん中の凹各部左階段を一回。合計8回。
まんなか凹各部右ルート。手がかりが小さく足を掛けるのにスタンスも小さい。ヌンチャクを持って上がるがその後全く手がかりがない。のっぺらぼうの岩が難しい。
小さいスタンスに足を乗せようとするが怖いので体が岩にくっつく。二回ともうまくいかない。不完全燃焼。
その右、凹各部。手がかりがない。左足をクラックに入れて右足を高くかけて行ったらしい。よく覚えてない。その上はザラザラしてスタンスがしっかりしている。先ほどのルートより登りやすい。


最後凹各部左側の階段。
早めに階段下へ行く。左手を何時左壁から離すかが難しい。体を右にやろうとすると二回ほどだらりと右に落ちた。
あっさりあきらめて「降ります。」といったら「そこまで行けたんだから・・・。」と下からHさん。
「もう一度やります。」とやる気を出す。階段の下からもう一度行く。ここで重心を考えて体を少し右に振って上がりながらすべる右足を少し上げて左足も少し上げて左手を離す。やっと岩の階段に対し、真っ直ぐ登る姿勢になる。
バランスを崩さないように少しずつ上がってヌンチャクをかける。取る。二個使う。左の岩に上がり、その後は支点まで快適な岩歩き。「やったー。」

下で「あそこであきらめていたら悔いが残る。」もっともです・・・。
「三回目は重心の事を考えました。」「そう、ただガムシャラばかりでもだめ。考えて登らないと・・・。一度諦め開き直ったのがよかったのかも。」
Hさんの「そこまで行ったんだから。」の一言でもう一度やってよかった。

帰り、道路から振り返ると、先ほどいた雌岩凹各部の階段は狭い急な岩だった。そこから支点までも結構距離がある。この岩場の高さは二十メートル以上はあるそうだ。

見ると、右手中指に水ぶくれができていた。「何これ?」いつも使わない指先。使いすぎて刺激が多すぎたのかな?岩をやると指紋がなくなったり指先に硬い豆ができるそうだ。水ぶくれにはびっくりしたがこれは今日の頑張りの証。
(次の日には元の指に戻っていた。)

物事全般に言えることなんだろうけど、何かをやろうとする時「意識すること。」の重要性が身に沁みた。
日常では、何も考えずに無意識にぼんやり行動する事が多い、いい加減な私だから・・・。
私流意識の仕方は、声に出して自分で自分に言い聞かせる。それを呪文のように何度も唱える。人が聞いたら「ちょっと頭がおかしい人。」と思うだろうな。
小春日和という言葉がぴったりの今日、暖かな穏やかな南山の岩場で岩登りができて幸せだった。


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