西穂高岳

2909m(長野、岐阜)

NISHIHODAKA

2003年9月13日 くもり Sさん・夫と3人

自宅21:30〜西穂ロープウェイP1:30(仮眠)

9月14日  くもり 

5:30起床〜第2ロープウェイ乗り場7:50発〜西穂山頂7:57〜西穂山荘9:00〜9:30(テント設営)〜西穂高岳(11:30〜12:00)〜西穂山荘13:30

車で仮眠するのに、板を引いたので少し楽だった。
ロープウェイは120人乗りで後ろに笠ケ岳を見ながらの空の旅。途中で登山届を出す。西穂山荘まではよく整備された道で観光客も多い。
しばらく行ってMさんに会う。一人で独標まで行って折り返し焼岳へ行くらしい。「ちょっと日帰りではきついかな。」と言っていた。
山荘は広く、すぐ下にきれいに整地されたテント場がある。板張りのヘリポートのそばにテントをはりザックを置いた。
小屋からは歩きやすい登山道で、ハイマツの中を西穂高岳を仰ぎながら楽しく進むことができた。



初心者のSさんはゆっくり散策することにしたので、Mさんと独標まで行く。ガスは一向にきれない。
独標から先は、スパッと切れ落ちていて「こんな危ないとこ行けるかな」と不安だったが後ろ向きでいけた。さすが西穂高岳とこれからどんな岩が現れるかとドキドキした。あらためて気持を引き締めていく。
山頂手前は、一枚岩のようですべりやすい気がした。たいていの登山者がそこで立ち止まった。岩のVの部分を使って足を置くと、思ったよりうまく行けた。
山頂はやはりガスがかかったままで、奥穂高岳のジャンダルムが見え隠れして神秘的だった。
ここが西穂高岳山頂。今自分が自分の足でここに立っているのが信じられない気がした。
ずっと憧れていたけど、自分ではとても行けないと思い込んでいた山に、今いる幸せを体中で味わった。



間ノ岳や天狗岳は、岩が赤っぽく見えて険しそうだ。
この西穂高岳から奥穂高岳へ向かう人はなく、奥穂高岳から来た人は3人だった。彼らの眉や髪が凍っていて、ここから先がどれだけ厳しい世界か物語っていた。
小屋に戻ると北勢のI さんらが着いたところで、明日奥穂高岳へ向かうと言う。
霞沢岳を眼前に仰ぎながら至福の時を過ごす。やきもちにハチミツと塩をつけていただく。
夕方になって小屋の周りはガスってきた。夜にはパラパラと雨の音がした。寒いのといつもながらの頭痛であまり眠れない。



9月15日 快晴

4:30起床〜5:30発〜西穂頂上7:30〜西穂山荘10:30〜(テント撤収)〜ロープウェイ11:30〜西穂ロープウェイP11:50〜新穂高温泉〜自宅18:40

I さんらと一緒にスタートする。穂高岳から朝日が昇って、赤く染まった焼岳、笠ケ岳が荘厳に輝いている。この美しい空間に、自分がいられる満ち足りた気持は言葉にならない。
独標手前の左の尾根に、白いカモシカが現れた。じっとこちらを見ている。又この神秘的な出会いにも驚いた。
今日の西穂高岳頂上は、青い空と山がどこまでも広がっていた。槍ケ岳の穂先が鋭くつんと見えた。富士山、八ケ岳、南アルプスも・・・
右には、前穂高岳、奥穂高岳、正面には、槍ケ岳、左又岳、カールを持ったもみ沢など・・・
その後ろに、笠ケ岳、双六岳、三俣蓮華岳、水晶岳、黒部五郎岳など、それは見事な大パノラマだった。あまりにも美しすぎるこの景観に、身動きできないほど感動していた。
間ノ岳よりのP1まで行って、I さんらを見送る。奥穂高岳へ行く人はその後男1人、男女4人のパーティーだけ。奥穂高岳から来た人は、3時間30分で来た若者1人だった。
小屋へ戻ってテントを撤収していると、アサギマダラがヒラヒラと飛んで来た。渡りの途中か、すぐに高い空に消えていった。「よかったね。」と感動を共有してくれた気がした。
せせらぎ街道を走って、美並村から高速に乗った。
ずっと自分の世界ではないと思い込んでいた西穂高岳の山頂に立てたことで、一段階段を上がったような満ち足りた思いと、ジャンダルムへの新たな目標を持った山行となった。

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