乗鞍岳
      3026m
(長野・岐阜)

NORIKURADAKE

2007年11月3日 快晴

先日、白山からのぞんだ乗鞍岳。その美しい峰に魅了され登りたくなった。今までいつでも登れるような気がして縁がなかったけど・・・。
自然のままの姿を知りたいのでスカイラインではない道から。
色々コースがあるらしいが・・・。
乗鞍高原飛騨高山スキー場、国立乗鞍青年の家からの丸黒尾根、千町尾根超ロングコースに挑戦しよう。

2日自宅21:00〜尾西(東海北陸道)〜郡上〜乗鞍高原飛騨高山スキー場・国立乗鞍青年の家P24:00(車中泊)

お気に入りのせせらぎ街道から。紅葉がライトアップされて綺麗。道路わきには4度とか表示されている。山は冷え込んだだろう。
青年の家近くの広い駐車場。満天の星がまたたいている。真上に昂。カシオペア座も綺麗。いつのまにか星が変わった・・・。

3日P5:00発〜丸黒山7:25〜千町ケ原9:00〜奥千町避難小屋9:45〜中洞権現11:00〜大日岳(奥の院)〜剣ケ峰手前12:00〜避難小屋(13:00〜13:15)〜丸黒山15:00〜P16:50

ひだまりの湯(高山市内)¥1000


朝、車が真っ白で雪かと思った!降霜。
鈴を鳴らしながらライトをつけて出発。大きい案内板横に登山口。すぐに「丸黒山登山道」の看板。そこから林道歩きとなる。30分ほどで歩くとゲートが現れた。左横に登山道がありここから山道へと進む。
アップダウンの木の階段がきつい。日影平山と丸黒山分岐の案内板を右に丸黒山へ。

ブナ林の平。
旧道、新道の分岐は右の旧道へ。
冷え込んで筋肉がこわばったのか右足がつるような感じ。念のため、芍薬湯を飲む。

枯松平。
道は木の階段の上り下りが続く。笹に落葉松の落ち葉がいっぱい。そこに霜が降りた。雪のように降り積もった落ち葉が面白い。登山道にもその黄色い落ち葉が敷き詰められて落葉松絨毯道。ふわふわして香りもいい。
カエデなどの落ち葉は霜で真っ白。いかにも晩秋らしい風情の山道を歩く。いい気分・・・。
ザクザクと霜柱を踏む。これは冬の感覚・・・。

平金乗越。
この辺りに最近整備された青屋あたりからの登山道があるようだ。


古い祠がある丸黒山。
空はすっかり明るくなった。天気は快晴。「文化の日」は特異日でやっぱり晴れ!
今歩いてきた落葉松林を見下ろす。そこだけ山が黄金色。樹間に穂高岳や槍ヶ岳、笠ケ岳を望む。

さあ丸黒尾根を千町ケ原へと進もう。
いきなり急な降り。木につかまりながら必死に降る。と思えば次は霜柱を踏みながら苔むしたうっそうとした樹林帯を登る。きついアップダウンにひたすら耐える・・・。
展望がないのでもういい加減飽きてきた頃、突然目の前が明るくなって草原が現れた。森林限界。

木道に池塘。シラビソのような木々。芝生のような草には霜が朝日にきらきら輝く。綺麗で見とれる。池の氷も美しい。
素晴らしい別天地の出現にさっきまでの辛さを忘れてしまっている・・・。


お地蔵さんが所々に鎮座する。霜で滑りやすい木道を慎重に歩く。
仰げばカナダかどこか外国のような雰囲気の白い峰が・・・。乗鞍岳!
池塘の彼方にどーんと雪化粧してあらわれたその峰はとても遠く気高く美しい・・・。


前方に御嶽山が見えてきた。大草原に何か小屋らしき・・・。

奥千町避難小屋。
左前方には乗鞍岳が大きく迫り、観測所のような建物も見える。さらにずっと左手には笠ケ岳から穂高岳への峰も・・・。
あの辛い樹林帯からこの天国のような湿原は想像できなかった・・・。ずっとここにいたくなるような所・・・。
ここまでが今日の目標だったが予定より早く行動したので行けるところまで行ってみよう。


緩やかに左に曲がって千町尾根へ。登山道には針のように細く尖った霜柱。きゃしゃな霜柱なのでザクザクではなくサクサク踏んで行く。全く初冬の感覚・・・。


右手には大きく御嶽山が迫る。ジグザグ尾根を登りつめると目の前には緑のハイマツが大海原のように広がっていた。彼方に乗鞍岳大日岳、剣ケ峰。
この季節にこれほど緑溢れる壮大な光景に出会えるなんて・・・。この広さ、この開放感がたまらない・・・。
こんな見事なハイマツの海にお目にかかるのはじめて。美しい・・・。その弾力性ある枝が丁度顔や胸辺りに伸びているので両手でかき分けて進まなければならない。ハイマツに負けないように押し返す・・・。さながらハイマツ泳ぎ。疲れる・・・。



この辺りで上から二人降りてきた。今日会った人は後にも先にもこの東京の方々だけ。昨日子の原高原から三時間で非難小屋まで。6時にスタートして9時に剣ケ峰に立たれたそうだ。我々にはちょっと無理かも・・・。

その後もえんえんとハイマツが続く。背は低くなったので泳がなくていいが・・・。このハイマツ海原尾根には岩場が数箇所。丁度ケルンのように目印になっている。
振り返れば先程までいた奥千町避難小屋がとても小さくなった。その後方に白山も望める。子の原高原への尾根にも池塘があるようだ。

私は今、なだらかでたおやかな美しい乗鞍岳千町尾根に立っている。雄大な山から見ればとっても小さい豆粒のような存在だ。孤立したような、山に同化したような不思議な感覚・・・。
山頂が近づいて来た。直下は黒い岩に覆われて荒涼としている。粉雪薄化粧の峰がまあるく優しい・・・。


中洞権現?
石畳を敷きつめたような広場から望む御岳山が圧巻。剣ケ峰や摩利支天の鉾先が空に向ってとんがっている。乗鞍岳からのぞむ御岳山はとてもすっきりした山容で美しい・・・。

乗鞍岳Uにつづく。

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