乗鞍岳

       3026 (長野)

2009年8月23日 晴れ

乗鞍高原・ベル鈴蘭小屋3:20〜乗鞍高原観光センター始発バス3:40〜肩の小屋口4:30〜肩の小屋5:10〜剣ケ峰6:00〜肩の小屋(6:55〜7:15)〜富士見岳(7:40〜7:50)〜畳平(8:10〜9:10)〜鈴蘭小屋10:20(温泉)〜観光センター12:00〜高山〜(せせらぎ街道)〜(東海北陸道)(郡上〜羽島)〜自宅16:00

山は屋久島宮之浦岳しか経験がない長女。突然、山ヘ行きたいというので、今回、乗鞍岳へでかけることになった。我々も行った事がないので・・・。


3時過ぎ、ヘッドランプをつけ合羽を羽織って宿を出発。バス乗り場(観光センター)へ徒歩5分。往復切符。¥2400
ご来光がお目当ての50〜60人ほどが二台に乗り込む。



一時間弱で肩の小屋口到着。バスを降りると風が冷たく寒い。東の空が明るくなってオレンジ色に染まり始めた。ご来光だ!

肩の小屋到着。
山慣れない長女は一気に高度が上がった為、呼吸が苦しそう。昨日上高地で慣らしたけど、アルプスは初めてだし・・・。一緒に深い呼吸を心がける。身軽な夫にザックを持ってもらう。
足元はガラガラした岩場。背後に槍ヶ岳と穂高がはっきりみえてきた。手前には焼岳。その後方に北アルプスの峰々。「荷物がないと楽。」と元気な足取りになった。
野口五郎岳、針ノ木岳。水晶岳、立山、剣岳。笠ケ岳、黒部五郎岳、薬師岳。北ノ俣岳。見事に勢ぞろい。

乗越。
池が見えた。権現池かな?前方に剣ケ峰の祠!強風に飛ばされそうだ。寒い。手足の指先がかじかんできたので手袋をはめる。バスの乗務員は「山頂は4、5度。真冬と思って下さい。」と言っていた。風があるからか?体感的には氷点下。

頂上小屋。
ここから見える山の名前が写真に表示されていた。「今年の夏は先週の16日に晴れただけ。今日はこの夏二回目の晴れ。ずっと天候が悪く気温が上がらなかった・・・。」とは小屋の人の話。

剣ケ峰。
目の前に富士山のような裾野を持った山・・・。御嶽山だ!乗鞍から見る御嶽山、なだらかな山容が美しい。
祠、左手から回り込んで山頂へ。大きい鳥居と神主さんが現れてびっくり。白山が青くて綺麗。寒さはピークに。そして立っていられないほどの強風にさらされる。

以前、丸黒山から登ったのはどの辺りまでだろう?と見下ろす。ほとんど山頂直下まで来ていたようだ。どんどん空が明るくなる。雲間から差し込む光に山が眠りから覚めていく。

乗鞍高原のほうを見下ろせば、ハイマツの中にエコーラインが白い。はるか彼方に八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス。乗鞍岳からの周囲360度の大展望!見事だ。
観光化されているからと今まで足を向けなかったのが惜しまれる。女性的なたおやかな峰、丸みを帯びたなだらかな山並みに魅了される。近ければ毎週でも通いたいほどだ。



直下で夫がザレに足を滑らし一回転する。手が冷たくてポケットにいれたままだったから?他の人を見ていてもザレの下りが怖そう。危なっかしい。
権現池の周囲に大日岳、屏風岳、雪山岳(せつさん)水分岳(みくまり)朝日岳。

蚕玉岳(こだま)から望む剣ケ峰は荒涼としている。明るくなった道を肩の小屋へと降りる。

小屋では宿泊した人々の朝食時間だった。我々もここでぜんざいとうどん。体が冷えてしまったので温まる。生き返ったよ。八月の山とは思えない寒さだったから・・・。
車道のように整備された道を歩いて行くと前方に池が見えてきた!背後には雪渓と剣ケ峰が美しい。

富士見岳へ。
上り始めるとコマクサが咲いていた。


左手はるか下には先ほどから見えている不消ケ池と摩利支天、不動岳。ハイマツの緑絨毯がきれい。
槍ケ岳、穂高岳がぐっと近づいて目の前だ。まるでヨーロッパアルプスのように壮大な景色が広がっている。素晴らしい大パノラマ!

降りようとするとお花畑の畳平が見える。大黒岳、魔王、恵比寿岳とまだ峰々が続いているがそちらはまた次の機会に。

鶴ケ池の淵にもコマクサがいっぱい。ハイマツの下からはイワヒバリ?がチッチと姿を現す。

乗鞍高原まで歩いて降りるという夫とここで別れ、我々はお花見。

バスの時間を確かめに行くと一時間に一本。次は9:10それまで歩こう。

自転車でここまで登ってくる若い人が多い。皆同じようなヘルメットに、マウンテンバイク。中には一人で上って来る女の子も・・・。すごい脚力だな。聞く所によれば、30日に「全日本マウンテンサイクリングIN乗鞍」が開催されるのでそのトレーニングとか。



お花畑へ下ると白や黄色の花がいっぱい。ウメバチソウ、キンポウゲ、ヨツバシオガマ、アキノキリンソウ、ウサギギク、タデ、チングルマの綿毛、イワギキョウ・・・。

ちょっと遅かったようだけど十分楽しめる。イワツバメが急降下してきた。こんな高地に虫いるのかな?えさを見つけるのが大変だろう。

満員のバスに乗る。肩の小屋口までくると雪渓でスキーを楽しむ人が見えた。今から板を担いで登る人もいる。
摩利支天のバス停手前で「こんなところを人が歩いている。」隣の人が叫んでいるので窓の外を見ると夫だった。自転車はひっきりなしに登ってくる。

鈴蘭小屋前バス停で下車。夫は10時半ごろに山頂から歩いて戻った。約二時間半かけて。
エコーラインから入る登山道はよく整備され案内もしっかりして迷うことはなかったらしい。出会った登山者は、登る人三人、下る人二人の五人。日帰りの人も多いとか、きっと健脚者ばかり・・・。

すずらん温泉は11時から。前夜宿泊した人は無料。正午に乗鞍高原のこの小屋で気温18度。朝、剣ケ峰で冷えたはずだ。


見納めに、センターから山頂を仰ぐ。そこにはちょこっと雪渓を残した、ほとんど真緑の夏山乗鞍岳がたおやかでなだらかだった。きっと火山活動前は富士山のようなスケールのでかい山だったのだろうな。気の遠くなるような年月が今のような山に変えて行ったということがよくわかる。

はじめて3000mの高度と強風を、バスでらくらく体験した長女。筋肉痛は起きなかったようだが、もしかしたら山にはまるかも・・・。

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