内部川を渡って入道への新道をジグザグと登る。地質はヌルヌル。トリカブト、コバイケイソウの若葉を見かける。黒い鎧に赤い星ふたつの 「フタホシテントウ」も。虫も動き出した。春だから。そういえば先週「かえる」のなき声も聞いた。ヒルはまだ大丈夫かな?
尾根に出るとミツバツツジ。樹林越し背後に二日前に雪が降って山頂が白い御在所岳、釈迦ケ岳、鎌ケ岳、キララ峰。峠からの急な上りの水沢岳らしき丸い峰もすぐ右手に。それに続く鎌尾根もデコボコと。
今日のこの尾根は寒い。鎌ケ岳からの風が冷たくひんやりしている。カッパの上衣を着ようかなと思いながらもそのまま行く。笹は短く10センチほど。
北の頭に着くまでのこの尾根が好き。大空にでも続いているかのような笹原道を行くと視野が開けて右手にドーンと鎌ケ岳、御在所岳、キララ峰。大きく望めるようになるその瞬間がいい。
アシビが出てきた。淡いピンクや黄色っぽいものなど色鮮やか。この花を見ると入道ケ岳へ来たんだなと思う。冬鈴鹿おろしをまともに受けるのか、木々は強風にたえて風下にゆがんでいる。
北尾根北の頭から鳥居のある山頂へ。
何となく霞んでいるが、左手に広がる薄緑の大地を見下ろす。ここの緑は茶畑。伏流しているとかで茶色の川砂ばかりが目立つ内部川がうねうねと伊勢湾にそそいでいる。
入道ケ岳山頂。
鳥居まで行ってこの入道ケ岳はグルッと360度眺望が開けた山と分かった。(前回は心に余裕もなくまた見る目もなかったようだ。)
手を広げると体前面180度は大地を独占している。左手指先に養老山脈、右手指先には津から伊勢へと広がる伊勢平野、伊勢湾、知多半島。
背中の180度に目を向ければ石大神、野登、仙ケ岳から鎌ケ岳、御在所岳と続く鈴鹿の峰。
地球の丸さ、大地の広大さを感じる。こんな空間に身を置くと心も体も晴れ晴れして穏やかな気分になる。
厳かに鳥居をくぐる。二本松尾根、井戸谷、池ケ谷を見下ろして奥宮へ。振り返ると鳥居が遠くに。
アシビは見事な花をつけている。遠くから見るとほこりをかぶったような黄砂で被われたようにも見える。
新築された奥宮へ右折れ。
いざなぎのみこと、いざなみのみこと、あまてらすおおみかみ・・・。とこの社のいわれがかかれた立て札。よくわからない。
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