入道ケ岳〜鎌ケ岳
 
    906m
    1161m(三重)

NYUDO

2007年4月21日 くもり

宮妻峡キャンプ場P7:00〜入道岳8:30〜(イワクラ尾根)〜イワクラ9:30〜イワクラ尾根分岐〜水沢岳11:00〜鎌尾根〜鎌ケ岳(12:50〜13:00)〜(カズラ谷)〜P14:25

ミルク道路から巡見街道R306へ。水沢へ右折れ。「水沢浄水場」とかかれた案内板を見て進む。幾何学模様の茶畑の緑が美しい。
どうも前回走った道ではない。とても広々した田んぼの中の直進路で爽快。はるか前方には鈴鹿の峰々。
しばらくすると見覚えある宮妻口バス停からモミジ谷。そこから宮妻峡へ入る。道幅が狭い。山は山桜のピンクと淡い緑に包まれて美しい春色に染まっている。


キャンプ場からスタート。
無風。先々週傷めた膝と相談しながら歩き始める。今日は飛び跳ねないでしとやかに行こう。内部川を渡って新道をジグザグと進む。
尾根道へ。
ミツバツツジ、シロモジ。足元にコバイケイソウ、トリカブトの葉。背後には水沢岳から鎌ケ岳の峰。
シロモジの黄色い花の彼方に鎌ケ岳、キララ峰が見えるようになる。アシビの大木は雪のような花をつけて清楚。
林を抜けて急に遮るものが何もなくなってぱっと視界が広がる。この場所のこの瞬間が好き。
そして芝生のような笹原の向こうに鎌ケ岳が大きく聳える。裾模様のように広がるいくつもの緑の尾根が翼のよう。
遠く御在所や朝明の谷に夏のように雲が湧き上がる。綺麗。
公園の芝生でも歩いているような気分で北尾根の頭から入道ケ岳山頂へ。
(背丈の低い笹に混じって天然芝のような草もあった。)
山頂の木々は風雪に耐え南東に傾いている。木々の倒れた方向を見れば方角がわかる。なるほど・・・。
山頂にはいろんなルートがあるらしく道が何本も入り乱れている。私はいつもこんな所、どこをどういったらいいかわからなくなる・・・。
鳥居から、はとケ峰、野登、仙ケ岳、奥宮、鎌ケ岳とぐるり360度見渡す。登ってきた入道新道の尾根もどっしりしている。眼下の里では田植えが終わった水田がきらきら光る。なだらかでたおやかな優しい雰囲気の山頂。これが入道岳。
鳥居をくぐって笹原を降る。この辺りの起伏が志賀高原に似ているらしい。


あたりにはがっしりした幹のアシビ。健康そうな大木は花もクリーム色。
池ケ谷などの道を分けて奥宮へ。その後イワクラ尾根に足を踏み入れる。今度はぐにゃぐにゃ曲がった太い幹のアシビ。ここのは風雪に鍛えられている。
右谷側が崩れそうな尾根道となって上り下りが激しくなる。変化があって楽しい。
アカヤシオ、ハナミズキのような花のつき方のコブシ、イワウチワ。次々と花が現れて楽しませてくれる。
重ね岩、イワクラの三角岩も見えてきた。
イワクラ手前岩。
広くて平らでざらざらして気持ちいい岩に乗る。谷を一望して、爽やかで柔らかい春風を頬に受ける。飛び越せそうな岩が目の前に。仙ケ岳の仙ノ石より大きそう。
イワクラ。
あたりはアカヤシオが咲き始め淡いピンクに染まろうとしている。「イワクラ」というこの岩も周回コースが好きな理由の一つ。
「神様におしかりを受けそうだけど・・・。」あとで悔いが残るので三角の底辺あたりの岩に乗る。目の前には水沢岳、鎌尾根、鎌ケ岳。眼下の谷は萌黄色。いい気分。



ぎながらイワクラ尾根分岐。
小休止。四日市名物なが餅、焼いた部分が香ばしい。
宮指路岳への道を分けて右折。ここからは県境縦走路。
しばらくして荒々しい岩場。緩やかに右へカーブして、今歩いてきた入道ケ岳からの稜線を望む。ここも好き。
峠手前で人が登ってきた。林道からイワクラ谷を来たのかな?
水沢峠へ降ってその後登り返す。峠には林道からのしっかりした登山道。
水沢岳山頂。
周囲の木が枯れたのか去年より明るくなった気がする。
違種類の木が押し合ってある部分で幹を共有していた。面白い。そんな木が数本。生きる為に譲ることなくお互いを生かしあって伸びている。自然界の木はなんて逞しいのだろう。気を使いすぎてすぐ疲れてしまう私はやわな庭木。この木のように強くありたい・・・。
いつの間にか鎌ケ岳が見えてきた。
きのこ岩。
芝生のような笹原に所々アシビ。すこし入道に似た山を見下ろしその前方に鎌ケ岳。去年「岳人」の表紙で紹介された場所だ。何となくアルプス的な雰囲気。私の中では焼岳から西穂高を見上げるのに似ている。
「マッシュルーム」のようなきのこ岩がにょきにょきと。雪のような砂を蹴って(気持ちいい。)岩をすり抜ける。
振り返ればきのこ岩左隣に中尾根のツルムみたいな岩峰が砦のようにそそり立っている。


衝立岩。
落ちそうな岩は健在だった。「最後の一葉」のように生きる勇気をくれる岩。懐かしい様な気分で、ざらざらした岩の凹各部を登り衝立岩に乗る。そしてコブシで白く染まった尾根を見下ろす。気分は最高。


前方の鎌ケ岳がどんどん大きくなって迫ってくる。
鎌尾根のきれ落ちた岩場から鎌ケ岳を仰ぐ。春霞の山頂に二人。荒々しい崩壊部からニゴリ谷に崩れた岩くずが仕分けしたようになって面白い。細かいのと荒いのと。
手前の岩に椅子のように座ってみる。ゴツゴツした岩を感じて又いい気分。目の前に庭木のようなツゲ。自然の風雨に剪定されたようだ。



廊下を降って鎌ケ岳山頂へ。
見降ろせば今歩いてきた入道からイワクラあたりは霞んでいる。今日の全行程を目で辿る。県境尾根の稜線はイワクラ尾根に張り出してS字を描いている。
大休みせずゆっくり歩き続けたのでとても楽。歩きながら休むかんじで。
無意識に膝をかばったので両手は泥んこだけど、春爛漫のイワクラ尾根、鎌尾根を歩けて心満たされる。ハッピー!
山頂は人が多くて・・・。立ったままアップルパン、ミニトマト、イチゴ。
降ってるかどうかわからないほどの小雨。早々に降る。
カズラ谷。
尾根道を少し降りると水沢岳にアカヤシオが綺麗。手だけ上に伸ばしてシャッターを押す。撮れた。
水場手前、真っ直ぐ降りて迷いそうな尾根にはしっかりしたペナントがあった。(大きいテープ)掘割道の砂ザレを雪のように滑る。気持ちいい。
ほとんど降りた地点で左手の沢から水音がする。「確かこの辺に・・・。」あった。今季はじめてのイワカガミ。咲き始めの濃いピンクが可愛い。


滝を見て、沢沿いに下り林道へ。ここで植林杉の幹の美しさに惹かれる。何の迷いもなくすっくと伸びる潔さがいい。
朝と同じようにキャンプ場あたりの新緑、山桜が淡く優しい色で迎えてくれた。
先週休んだので膝も順調に回復したようだ。変化に富んだ大好きなこのコースを今年も新緑萌えるこの季節に歩けて幸せ。
爽やかで若々しい装いの山から元気をもらって宮妻峡を後にした。

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