入道岳

        906 (三重)

2007年11月23日 晴れ

宮妻キャンプ場P7:00〜(入道新道)〜入道ケ岳〜(イワクラ尾根)〜奥ノ谷分岐10:30〜(奥の沢)〜P11:45

三連休初日の今日は勤労感謝の日。山を歩けることに感謝しながら出かける。
朝、藤原岳、竜ヶ岳が真っ白。800m以上が雪の世界。釈迦岳、御在所、鎌ケ岳は粉雪まぶしたうす化粧。綺麗・・・。
ミルクロード水沢浄水場の看板から右折れ。(湯の山街道イオンタウンの交差点から約5分)
その後、田んぼや茶畑の中の道を直進するとキララと入道岳の間にドーンと鎌ケ岳が聳えていた。モルゲンロートに染まる薄化粧の鎌ケ岳。美しい・・・。
水沢の「モミジ祭」の旗が強風にはためいている。写真を撮る為、車外に出ると鈴鹿おろしの風がめちゃくちゃ冷たい。
19日に御在所初冠雪。その後も寒気が居座って真冬並みの寒さが数日続いている。今日も寒そう・・・。稜線で強風に吹き飛ばされないか心配・・・。



宮妻口バス停から上の谷のモミジが赤い。宮妻峡に入ると先ほどまでの強風はウソのようになくなった。
駐車場に到着。数回来てやっとここまでの道を覚えた。
下のキャンプ場からスタート。川を渡ると小さいケルンに「入道新道」の標識。
数回ジグザグ登る。土砂崩れして道が途切れたような斜面で迷う。直進しようとするが崩れた斜面を登って左折するのが正解だった。
その後は、ぬるぬるした地質の道にシロモジなどの落ち葉がいっぱい。その落ち葉をふみしめながら歩く。晩秋を独り占め。時どき、落ち葉に登山道が埋もれてわからなくなる・・・。この尾根の雑木は数本寄り集まって一株になっているのが特徴・・・。その間に続いている登山道をしっかり見る。
朝の光に水沢側の紅葉が黄色に輝く。腰丈くらいの笹はほとんど枯れて緑の葉がない。
急に視界が開けてシダの広場、そして馬酔木の木が現れた。この辺りの馬酔木は風があたらないからか真っ直ぐ伸びて背が高い。その赤や白の蕾に雪がついて花みたい。
この辺りから背の低い笹にも雪・・・。入道も雪化粧しているんだ!春以外にこの山を歩いた事がないので感動する・・・。


馬酔木の林を通り抜けるとドーンと雪化粧の鎌ケ岳。もう少し登るとその右に白い御在所。さらにその右の白い峰は釈迦岳。猫岳と双耳に見える本峰、松尾の頭。雪がついた釈迦岳は格好いい・・・。
さらに高度が上がって一段と白いのは・・・。笹に覆われた竜ヶ岳の遠足尾根らしい。

手前には大きくキララ峰。


ゴルフ場の芝生のような笹原の彼方に薄化粧した峰々がそうやって次々目に飛び込んで来る。この瞬間がたまらない。遮るものが何もないこの広大な草原。
心も身体も全てのしがらみから解き放たれたように軽い。山と一体化したような、大きな翼を持った鳥になって何処へでも飛んでいけそうなそんな気分・・・。
しばしその峰々のおおらかな優しさに包まれる。ずっとここにいたい・・・。

北の頭からは今歩いてきた尾根を見下ろす。鮮やかな黄色に色づいたなだらかな雑木林が足元まで続いている。この眺望もいい。
笹についた少し硬い雪をくるぶしあたりに感じながらシューシューあるく。雪あってこその感覚。

鳥居が見えてきた。左手下に水沢を見下ろすと濃い緑色のパッチワーク。お茶畑が東方にえんえんと続いている。
足元に雪原が広がる!「やったー。」これは入道山頂の雪!小さい風紋ができた雪面をサクサク歩く。超気持ちいい。
振り返れば雪野原の向こうに薄化粧鎌ケ岳と御在所・・・。今日の一番はここ入道ケ岳山頂からの白い峰々と雪野原。気分は最高!


南に目をやれば仙ケ岳も微かに白い。
鳥居をくぐって笹原を降る。池ケ谷への道を分けて右に登ると祠があるはず。アシビの木々の間を歩く。右にも左にも二本か三本獣道か枝道か?さらに進むとやっと登山道から少し右に入った所に祠が現れた。
背後には伊勢湾と山頂の鳥居が朝日に眩しい。


前方へ進む。雪は笹の上に真っ白に積もっている。全く冬山。なにやら動物の足跡。登山道のすぐ脇を歩いたり、人と同じ登山道を歩いたり、左の谷へ横切ったり・・・。
一匹ではなく何匹も・・・。これが獣道?こんなにはっきりしているところを見ると、どんな動物も同じ道を通るのかな?ついそちらの道が登山道に見えて行きそうになる。迷うよ・・・。
無雪期も歩いているのだろうけどその時は少しも気がつかないでいる私・・・。雪があるからわかる動物の行動。
鹿やキツネの散歩する姿を思い浮かべながら歩く。すると小岐須の谷のほうから数回鹿のあの悲しいような鳴き声が聞こえた。どうも私の少し先を歩いていたらしい。

右に宮妻峡の紅葉。崖崩れしたような絶壁からのビューポイント。開いた空に彩った谷が美しい・・・。
左に小岐須への谷間の紅葉。こちらは手前の生い茂っている木々の間から望む。写真にはうまく撮れないが綺麗。
春、アカヤシオの写真を撮った岩に真っ赤な実。何の木だろう?
イワウチワが群生する尾根も今日は晩秋の色。
重ね岩から見る鎌ケ岳、手前に尖った岩も見えてきた。あれは・・・。
イワクラだ。
少し手前で休むことにする。テルモスのお湯で紅茶をいれてあったまる。この季節、あたたかいものは人を幸せな気分にしてくれる・・・。

イワクラ。
手前に雪、背後にはキララがどっしりと。何もなくても存在感あるとても魅力的な岩だけど、今日は特別格好いい・・・。
そう思うのはきっと雪と紅葉に包まれているから・・・。


入道Uにつづく。
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