西穂高岳〜奥穂高岳

           2909m   3190m(長野・岐阜)

ジャンダルムからのつづき。

2008年7月21日 快晴

テント4:15〜コブ尾根の頭〜ジャンダルム5:00〜ロバの耳〜馬の背6:20〜奥穂高岳山頂6:30〜南稜の頭9:00〜穂高岳山荘(8:00〜8:15)〜(白出沢)〜鉱石沢10:30〜(岩切道)〜重太郎橋〜白出小屋10:40〜穂高平小屋12:00〜P13:00〜富貴(新穂高温泉)14:00〜自宅18:00

馬の背。
奥穂から数人降りてきた。昨夜の雨で岩陰は濡れているので皆慎重だ。ナイフエッジの岩稜歩き。気分は最高。



いつのまにかジャンダルムがあんな後ろに・・・。物資輸送かけが人搬送か飛騨側から穂高岳山荘へヘリが往復した。雲海にゴミのように見えるのがヘリ。


ガラガラした岩場を歩く。もうこの辺りでは高度感も何もない。あるとすれば虚脱感に似た感覚。もう終わってしまう・・・。

奥穂高岳山頂。
人で人で大混雑。足の置き場もないほど。その中に偶然I藤さん。「19日の涸沢は雪が多く寒かった。20日の涸沢岳への縦走は北穂沢の雪とガス。白出の満月が綺麗で涸沢より稜線の方が暖かだった。」と充実した山旅の感想。


祠下。
雲海から目を覚ました山々を眺める。槍ケ岳後方は立山?左に黒い三角は水晶岳かな。少し左の雪渓が大きく見えるのは黒部五郎・・・。さらに後方は薬師岳?そのうち右の方に鹿島槍も見えてきた。3000m付近に残った雲海からちょこっと頭を出した蒼い峰々。これ以上美しい山はないよ・・・。

南稜の頭へ。
涸沢側に張り出した雪庇が面白い。下を見れば涸沢。まだ雪渓がたっぷり。この頭は周囲の山全部見渡せる。素晴らしい展望だ。

目の前に昨日歩いた西穂高岳からジャンダルムの稜線がドーンと。感無量・・・。不安と緊張感いっぱいの初回と比べ、二回目は見覚えある風景に余裕がもてる。
なぜかわからないけど岩を歩くのは最高に楽しい。今回の縦走は、はなまる!




岳沢から降りるI藤さん等を見送る。ラッシュが過ぎた祠前へ・・・。



穂高岳山荘へ。
山荘前の雪を従業員が取り除いている。ゴールデンウイークに屋根まであった雪は融けた。


小屋北側から白出沢へ。
初めて降りるガラガラした岩屑の谷。足を置くと、どの岩もずずーと滑り落ちる。落石を起こさないように静かに歩こう。微かな踏み跡を辿りながら降る。

しばらくすると雪渓の谷となった。踵を入れて歩くが安全の為アイゼンをつけることにする。七月にこんなに雪があるなんて・・・。
しかも急傾斜。スプーンカットの雪面をジグザグ歩く。日陰は凍ったように固い。アイゼンの歯同士ひっかけて転ぶ。滑落したらどこまでも止まれないよ・・・。
確実に慎重に一歩を置こう。陽が当たる所では雪が緩んで歩きやすくなった。傾斜も緩くなってめっちゃ楽しい雪歩き。
それに雪渓の上をひんやりした空気が流れて涼しい。これは最高だ。猛暑の下界では考えられない雪遊び。

セバ谷を過ぎ、一時間ほどで雪渓歩きは終わった。沢を渡りその沢沿いの山道を歩く。木の根や丸太の梯子を降りて、雪渓が多い鉱石沢と出会う。水を汲む。

ここからは右岸の高巻き。ニッコウキスゲが咲いていた。滑落しないように鎖などを持って慎重に岩切道を行く。左手下の白出沢にはたっぷりの雪。重太郎橋で左岸に渡る。雪渓があるので橋はまだかかっていなかった。

シラビソなどの巨木の苔むす樹林道。美しいオオルリや鶯の声が響き渡り落ち着いた雰囲気。心も体も癒される・・・。



白出小屋。
蒲田川右俣林道へ出た。何年ぶりかな?この道。膝がガクガクして、つま先も痛い。

穂高平小屋。
確か以前来た時は牛が放牧されていたと思うけど・・・。牧場は荒れていた。近道から新穂高温泉へ。白のセンジュガンピが清楚だった。

登山センターで下山届を出し「富貴」で汗を流す。この温泉はいつも空いていて楽。既にひどい筋肉痛。足が痛くて歩けない。きつい急斜面の白出沢降りが相当こたえたようだ。

二回目、西穂奥穂の縦走とはじめての白出沢雪渓。七月の岩と雪歩き。どこもかも核心部だったような・・・。とても中身の濃い山旅となった。

そして数日間ひどい筋肉痛・・・。

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