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ストーブが温かい。小屋の中は山頂アタックの準備する人や、我々のように天候待ちの人、小屋近くでテントを張っている人などでいっぱい。中には以前の私のように体調不良の人もいて、机にうつぶせている。大丈夫かな?人のことを自分のことのように心配する・・・
足が凍っている。靴を脱いでストーブで温めて足指マッサージ。全身に血が通い始め、生き返った。ホットレモンも有難い!
天気はどうかな?回復したかな?
まだ、外は雪が降り続いている。涸沢岳も見えなくなった。無理はしないで今年はここを山頂として、おとなしくホワイトアウトのあずき沢を降ろう。
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何も見えないのにどんどん人が登って来る。数珠つなぎ!
相乗りさんが手を振っている。昨日よりは元気そうだ。よかった!
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勇敢に涸沢槍に向かってスキーヤーが登って行く。たった一人で。憑かれたようにひたすらつき進んで行く彼の姿に胸がキュンとなる・・・
時々射しこんでくる日の光。そのスポットライトが彼を浮かばせる。何が彼を前へと進ませるのだろう?雪原にゴマ粒より小さくなって、見えなくなった・・・
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雲の切れ間に、どんどん蒼空が広がる。目の前には白い雪と黒い岩と青空があるだけ!これ以上に神々しく美しい世界があるだろうか・・・
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たしか、上高地から一緒だった方。子どもの日に穂高に登るのが毎年の行事とか。鯉のぼりひらひらの小学二年生は元気げんき!
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ゴジラの背にゴマ粒みたいな人。二、三人いるけど、全然動かないな・・・
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涸沢着。
テントの数が減った。奇跡的に蒼空が広がっていった。テントを撤収しているとヘリの音が大きい。物資を運ぶにしては時間が長い。北穂高岳山頂直下の急な斜面辺りでネットに怪我人を乗せてすばやく飛んで行った。
我々も、無理して山頂へ行かなくてよかったよ!春山の涸沢に来れただけでいいのだから。フイナーレには青空をプレゼントされて山を望めたし・・・言うことなしです。穂高の神様、美しい山を、ありがとうございました。
徳沢へつづく。
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