御岳山

        3067m (長野)

2009年4月11日 快晴

自宅3:30〜(羽島〜中津川)〜御岳ロープウエイ7:00〜ゴンドラ山麓駅8:30〜山頂駅8:45〜御嶽山山頂(12:00〜12:15)〜ゴンドラ山頂駅13:45〜山麓駅14:00〜木曽温泉15:00〜自宅18:00

数日、安定した天気が続いている。今日も日本中、晴れの予想だ。
こんな穏やかな日なら、御嶽山の山頂まで行けるかもしれない!最高気温が20度近くになるようだが雪はどうなるんだろう。赤旗はいるかいらないか?数日前にボーダーが山頂まで行って戻らないようだがガスが巻くと心配・・・。

早朝に家を出る。車が多い高速道。御岳ロープウエイスキー場へつくと駐車場は満車。「今季最後のスキーをここで。」と言う人が詰めかけている。下のリフト周辺に雪はなく土が見えている。

8:30発のゴンドラに一番乗り。真っ白の穂高岳、乗鞍岳が見える。
山頂駅で降りて樹林帯に入る。山スキーの跡をつぼ足で辿る。雪ははまり込むがたいしたことはない。日陰の雪は凍っている。


森林限界のダケカンバにスノーシューを置く。ハイマツが雪を割って出て来ている。八合目の小屋が見えてきた。
山スキーヤーは尾根に取り付くように登っていく。我々はちょっときつい斜面をつぼ足で歩き続ける。この辺りから数センチの雪の下がアイスバーンになって滑り落ちそう。急斜面でアイゼンをつける。研いでもらったので怖いほどアイゼンが効く。
後から山スキーヤーがゾクゾク来る。ボーダーはほとんどいない。みんなシールを貼って、踵を上げ、ハイヒールを履いたような格好でスイスイ。楽そう。



八合目石室、九合目覺明堂小屋の前を通って鳥居をくぐる。数年前は青氷が張っていて怖くてここで断念した。今回は氷でなく雪なので順調に通過する。

ルンゼを登ってくるスキーの人らがここでぐんと遅くなる。スキーで急登は難しそう。
大きい風紋が現れた。御嶽山の風が通り抜けた証のその鋭い雪塊に見とれる。風に思いを寄せながら歩く。近くに幅10cmほどの亀裂が入っている。ひびわれは雪面になだらかなラインを延々と伸ばしている。「ビシッビシッ。」と割れる音が聞こえてきそう。ここから雪崩が起きるのだろう。

数時間で1000m以上登ったので、高所に弱い私は頭がガンガンしてきた。苦手な硫黄臭もするのでバンダナで顔を覆って・・・。

高度が上がって、だんだん息苦しい。ずっと深く大きい息を心がけてきたけど・・・。でもあとちょっとだ。頑張ろう!

遮るものが何もなくなった。稜線に出たようで、乗鞍岳、穂高岳がすっきり見える。背後には中央アルプスの青くて白い山並みが美しい。右手下に見えてきたのは二の池と二の池小屋のようだ。ただ白いだけの雪の原っぱ。一の池も白い。
左手には田の原からのルートも見える。駐車場の車がキラキラ朝日を反射している。これ以上の天候は望めない。最高の登山日和。
頂上の標識が見えてきた。

剣ケ峰への階段はどこにもない。雪の下だ。鳥居もほとんど埋もれている。確か青氷が張っていると聞いていた所だ。
柔らかい雪を歩く。屋根だけが出ている灯篭や鳥居の上に手が届くのでご利益があるのではとなでながらお参り。こんなこと雪たっぷりの今日しかできないよ。神様にぐんと近づいた気がする。

階段を覆った雪を歩いて剣ケ峰へたどり着く。「やったー!雪山御嶽山頂上だ!」三角点にも触れる。過去二回は氷とガスで撤退している。
三度目の正直、今日、無事登る事が出来、感無量。御嶽山の神様、好天をありがとうございます。



社の裏手から一の池へスキーで颯爽と滑り降りる人、その後あっという間に二の池へ。気持ち良さそう。その人が白い雪原にゴマ粒のように見える。二の池まで降りて尾根まで登りかえしている。
雪は砂糖雪。ベタベタしないので滑りやすいのか誰も転んでいない。今日のこの雪なら私でも滑れたかもしれない。なだらかだし・・・。




頭痛が治まらないのでさっさと降りることにする。山スキー、登山の人がどんどん登ってくる。風紋に乗ってみる。柔らかい雪。風の通り過ぎた跡を私が歩いて壊す。ちょっと申し訳ないような気分。今日の今このときでしか味わえない白い御嶽山に大満足。

下へ降りるほど雪がベタベタしてきた。小屋からは急斜面を駆け下る。踵を効かして・・・。
北穂沢ほど急だ。雪が団子になってついてくるので時々ピッケルで叩き落す。
どこまで歩いても雪雪雪。アイスバーン状態の日陰は慎重に降る。ここでもスキーの人は何処でも寄り道して楽しそう。
午後のこんな時間でもまだ板を付け登ってくる人がいる。降るのはあっという間だからいいよね。




樹林帯手前で、スノーシューに替える。ジグザグと急斜面を滑り降りる。アキレス腱が相当くたびれてきた。やっとスキー場到着。

ボードの若者等で、一番上のリフトは満席。次々人が降りる。

降りのゴンドラから、見納めの白い乗鞍岳。空と山が蒼いので、中央の白き峰はそこだけ絵のように浮かんでいる。萌え出した春色カラマツも美しい・・・。
快晴の雪山御嶽山初体験。素晴らしい一日でした。



木曽温泉。
つるつるした茶色の湯がいかにも御嶽山の温泉らしい。中の湯は白濁していたし、どこかは無色だったような・・・。同じ御嶽山の湯でも所によって色が違うのが不思議。
開田高原ヨーグルトと野沢菜ワサビをお土産に、新緑とコブシと山桜が美しい19号線を走る。

結局、好天で赤旗は使わなかった。つくづく山は天気次第。風次第と実感する。

日本最高峰、雪の富士山も御嶽山同様さぞ綺麗だろうな。高度に強くなって、空と相談して、いつか挑戦したいよ。でも夏でさえ、八合目までしか行ってないんだから、いつになることやら・・・。


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