大天井岳
      2922m(長野)

OTENSHO

2004年5月2日 快晴  
 
燕岳テント場7:30〜大天井岳13:00〜常念乗越16:00(テント泊)

今日も快晴で風もあまりなく絶好の登山日和。アイゼンも必要なく表銀座コースを大天井岳に向かう。
昨日に引き続いて、槍ケ岳、笠ケ岳などを眺めながらの贅沢な山歩きだ。


I さんの膝の調子が悪いので荷物を手分けして持つ。痛み止めを飲んだりサポーターにカイロをはったりする。
大天井岳の登りでふりかえれば、すでに燕山荘はずいぶん遠くなっていた。山頂は正面に今までになく大きく槍ケ岳が迫りさらに左の穂高岳もぐっと近づいた。これ以上美しい山はないと感動し、今ここにいられる自分が幸せだった。
山頂からは気持ちのいい稜線漫歩となる。西岳への表銀座の尾根と北鎌尾根東鎌尾根の向こうに相変わらず槍ケ岳がスマートにそそり立ち少しずつ形を変えていく。
穂高岳もますます近くなりジャンダルムもはっきりそれとわかる。さらに涸沢カールの小屋やテントも確認できるほどになった。
前方には、雪の少ない常念岳がどっしりした山容でそびえている。常念小屋を見下ろしてハイマツの中を下りた。
テント場から槍ケ岳に沈む夕日をながめた。黒い槍ケ岳のシルエットが夕焼けに映えて美しかった。夕食はちらしずし。山でおすしが頂けるとはなんて幸せ。


5月3日 晴れのちくもり

常念乗越7:30〜(一の沢)〜一の沢登山口(11:15〜12:00)〜(予約のタクシー)12:00〜中房温泉〜穂高温泉しゃくなげ荘(14:00〜15:00)〜豊科15:30〜羽島18:30〜夕食(19:00〜20:00)〜自宅21:15

4日から天気が悪くなりそうなので、常念岳蝶ケ岳はあきらめて常念乗越から一の沢を下る。
沢は雪が多くすぐアイゼンをつける。しばらく行くと安全に雪すべりができる斜面が現れたので滑り下りる。
ピッケルで雪を蹴っているとなぜかカヌーに乗っている気分になった。カヌーに乗ったことはないのに・・・
雪の中を泳ぐ感覚で爽快だった。北アルプスで雪すべりが出来るなんて夢のようだった。
水場あたりでスキーでもできそうな斜面を二ケ所ほど見上げたが山頂は雲の中だった。
高巻道で一の沢の川の流れの音が谷から響いてきた。常念の雪どけ水の音。水量が増えて音がだんだん大きくなり胸に響き続ける。心地よい音。忘れられない音になりそうだ。
川のそばに来たのでそっと水に手を入れた。「冷たい!!」厳しい冬の常念岳を知っている雪どけ水を肌で感じた。
登山口辺りの山は、カラマツの緑とシラカバの薄緑で彩られていた。さらにタクシーで下りた安曇野は、りんごの白い花や一斉に咲いた感じの春の花と鮮やかな新緑に包まれていた。
数年前には北アルプスに来ることさえ考えられず、まして残雪の5月の北アルプスに来ることなど想像もできなかった。
今回燕岳大天井岳に来る事が出来たのも、御在所岳で出会った方たちのおかげだなと感謝した。
雪をとかして水にしたり雪で顔を洗うのを見るのもはじめてで、自然の恵みをうまく生かすことも出来ると知った。
又アミノ酸のゼリーとブドウ糖そして食べる酸素で頭痛にもならず、はじめて快適な登山ができた。

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