霊仙山
1098m
(滋賀)

RYOSENZAN

2005年1月16日 くもり時々晴れ Iさん 夫と3人

米原町上丹生霊仙登山口8:40〜(谷山谷)〜漆滝9:40〜最後の水場10:40〜井戸ケ洞11:40〜経塚山〜霊仙山最高点13:30〜避難小屋(14:00〜14:30)〜漆滝15:30〜登山口16:30

醒ヶ井駅から上丹生に入る。西出商店から左折、対向できない狭い道をしばらく行くと谷山谷からの登山口に着く。10台ほどのスペースがあるが他に車はいない。
登山口辺りには雪は全くなく、小雨がぱらぱら。気温6度。これで山頂に雪はあるのかな?
猪が土を掘り起こした跡がある。漆ケ滝からちょっと雪が出て来た。滝を右から巻く感じで上がる。左は絶壁。ロープを持って一歩一歩進む。近くでカモシカの鳴き声が聞こえる。その足跡をたどり谷山谷沢沿いに進む。
昨年の台風23号で谷が荒れて深くなり大きい岩が掘り起こされ、以前の様子とは全く違う。
下の方ではべたべたした重い雪なので嵌まり込んで動けなくなったりする。上に行くほど降ったばかりのふかふか雪ラッセルとなる。一歩一歩に時間がかかるので大変だった。


右折して最後の上り。ここでわかんをつける。今までより嵌まり込まないがラッセルの大変さは同じ。時々わかんでも腰あたりまで嵌ったりする。
誰もいない誰も来ない静かな雪山。どんどん谷が狭くなって稜線に近い感じだ。回り道の案内板が出てきてやっと柏原からの道と出合う。曇って辺りは何も見えない。木々に大きい樹氷がついている。
Iさんはここから赤い旗を立てて行く。竹の先に赤い布が縫い付けてあり、30mほど間隔で雪に刺していく。前方にぼんやり避難小屋が見えて来た。なだらかな山でガスがかかって方向が全くわからないから不安。風もきつい。
振り向くと白い霧の中で赤い旗がヒラヒラしているのが目に入る。それは唯一安心できるもので心強かった。ラッセルに時間がかかったのでもう1時を回っている。「もう戻ろうよ。」と泣きを入れても男性軍は前に進むことしか考えていない。
仕方なくついていくと岩にエビノシッポが一杯付いている。なんとなく山頂らしいがガスで何も見えない。少し歩き回ると「霊仙山最高点」の案内板が見つかった。「ああ良かった。」ラッセルすること5時間、やっと山頂に辿り着いた。
右も左もわからない世界で気温マイナス6度。



もう一つの霊仙山頂へ行くには危険すぎる。赤旗も残り少ない。
諦めて旗に沿って下りていくと少しずつガスが空いていった。私は広々とした雪景色の中で美しい樹氷に包まれていた。この広大さが何ともいえず心がフワッと広がった。
Iさんは赤旗を回収しながら降りる。経塚山まで来るとさっきまでのガスがうそのようにあき、光が射し時々青空も顔を出した。
遠く、別ルートから来たらしい人一人が山頂に浮かび上がった。
風がとても冷たくきつい。カイロを握りしめていても手がかじかんでいる。



避難小屋に戻ったのは午後2時。行動中にお餅2個。軽い食事をとる。山小屋から下りようとすると目の前の山(谷山?)と右手の山々(ソノド?)は全山見事な樹氷で雪化粧。「綺麗。」惚れ惚れと見とれてしまう。帰りはラッセル跡をたどり楽しい雪遊び。しんどかったラッセルや山頂の不安な気持もどこへやら。嵌まり込んだり滑ったり。キャッキャッと笑い転げて降りる。
数年前一度夏に訪れた事がある霊仙山。雨上がりでヒルに脅えて歩いた記憶が脳裏に焼きついてそれから一度も来た事がなかった。
今日は全く別山だった。これぞ雪山これぞ冬山という迫力で魅力的な霊仙山だった。
ただ起伏がなく広大な山だから良く晴れた日でないと迷いやすい。今回Iさんの赤い旗がとても役に立った。
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