竜ヶ岳

        1099m  (三

2009年2月1日 くもり時々はれ 強風

宇賀渓落合橋P7:30〜(ホタガ谷)〜竜ケ岳11:00〜(横谷)〜P15:00

駐車場ですでに強風が吹き荒れている。山頂はどんなだろう。

ホタガ谷登山口。
崩壊箇所が掲示されている。登り始めると樹林帯だからか風を余り感じない。「暑い。」とカッパ上着を脱ぐ人が多い。私は袖口を曲げたり、衿もとを開けたりする。
谷沿いの道には数箇所丸木橋がかかっている。凍っているので足を滑らさないように慎重に渡る。落ちたら左手ははるか下の谷まで行く。濡れた落ち葉にも気をつけよう。

遠足尾根への道を分けて沢を詰める。ぼちぼち雪が出てきた。谷を離れ、ゆるく左にカーブする辺りから雪が硬くしまってきた。
尾根にあがって進んだ人二人。我々は雪を歩きたいので普通にそのまま登山道を行く。しまった雪に靴を蹴りこんで斜面をトラバース。気分いいけど下の谷まで滑落しないように慎重に。ここが今日の核心部かな?



県境の稜線にちょっと融けた雪庇が張り出している。下にはデブリ。氷のような硬い雪を踏んで進む。気持ちいい。
背後には伊勢湾。右手前方に薄化粧の藤原岳、御池岳。トレースは笹の間をぬぐって進んでいる。凍ったようなその跡に時々はまりながら進むと御嶽山、中央、恵那山などが見え始めた。本峰も目に飛び込んできた。
辺りの木々には樹氷。この木はみなシロヤシオらしいが・・・。神々しい白い林に見とれる。足元の緩斜面は今までより硬い雪で覆われている。踵や靴横を強く蹴りこむ。柔らかい雪にはないこの感覚とその音がいい。

なだらかでたおやかな山の広がりがなんとも優しい世界。御在所とは違う雰囲気。二日前の大雨で雪が融けてこの美しさ。それ以前はさぞ白いばかりだったのでしょう。ラッセルでここまで到達できなかったかも・・・。

靜ケ岳が見えてきた。
周囲の山々に見とれ、あえぎながら最後の急登。笹についた氷の花が美しい・・・。


竜ケ岳山頂。
荒涼とした草原は氷の世界。背たけの低い草も凍りついている。山頂の吹き飛ばされた雪が直下の東斜面に積もっていた。



突然、遮るものが何もなくなって白と蒼の世界。ドキッとする。綺麗!
ここは強風が吹き荒れて寒すぎるし、立っていられない。もう少し降ろう。一度滑り降りてみるが雪は岩のようだった。

起き出した笹が風を除けてくれる陽あたりのいい場所。ここで目の前に氷の花を見ながらお茶にする。


降りはヨコ谷から。
雪をどこでも歩いて中道を降る。トレースどおりだがどこか違う?赤テープもあるにはあるが古ぼけている。蛇谷へ進んだようで少し登り返す。よく見れば正規の登山道は黄色と赤が目立つ幅広テープだった。この道は急斜面で、右手は落ちたらどこまでもいきそうな崖っぷちだ。よく滑落事故のある所だろう。
岩陰から黒っぽいリスが飛び出した。ちっちゃい体ですばしっこい。


堰堤に出ると、稜線に孫次郎谷上部の笹原が目に入る。やわらかな薄緑色。その春色草原に陽が射してきた。
手すりつき階段を二つ降り、谷沿いに歩き続けると水量が多く豪快な五階滝が見えてきた。左に蛇谷らしい道をわけて進むと魚止滝。きわだって白い川底の大石に目が釘付けになる・・・。雪のようだ!



駐車場で「大日向から遠足尾根を降りた。」という人が里の方から戻ってきた。長いのかな?その尾根。いつか歩きたい・・・。

笹原を吹き抜ける強い風と硬い雪。厳冬期の竜ヶ岳に会って心満たされました・・・。

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