仙丈ケ岳
3033m(山梨・長野)

SENJYOGATAKE

2000年8月6日  晴れ 夫と二人

北沢峠キャンプ場4:30〜小仙丈岳〜仙丈岳(8:30〜8:50)〜仙丈非難小屋9:10〜キャンプ場(12:00〜12:30)(テント撤収)〜北沢峠臨時バス12:45〜戸台口P(仙流荘・入浴)(13:45〜14:30)〜自宅18:00

朝、ヘッドライトをつけて歩き出すがすぐに空が明るくなって北沢峠で日の出を見る。カニコウモリが多い樹林帯を抜けハイマツ帯になり、「えらいな。」と思いながら歩いていると突然目の前に緑鮮やかな仙丈岳が現れた。それはすばらしいカールときれいな裾を持った山だった。南アルプスの女王と呼ばれるわけだ。疲れ切った足が突然現れた美しい山に元気をもらって復活した。
見渡せば八ヶ岳、鋸岳、北岳、鳳凰山、北アルプスの槍ケ岳、穂高岳、中央アルプス宝剣岳、御嶽山、秩父の山、昨日登った甲斐駒ケ岳などがはっきり望めた。
ここが小仙丈岳だ。自分の足でここまで歩いて来た人だけが見ることができる美しい山々。そのスケールの大きさと輝く緑に心を奪われ、目の前の仙丈岳に釘付けになっていた。
我に帰って、今からこのカールの一番上まで行くことに気づいた。それからは左手にこの美しい裾模様を見下ろしながらの豪華な尾根道稜線歩き。
北岳が背後に大きく現れ、肩の小屋がキラキラ光って見えた。富士山も北岳の左にだんだん近づいてそれはすばらしいパノラマだった。
山頂手前のお花畑ではミヤマウスユキソウ、チシマギキョウ、オトギリソウ、イワベンケイ、イワオオギ、イブキジャコウソウ、シオガマ、ハリブキ、イブキトラノオなどが咲き競っていた。



仙丈岳山頂は狭く登頂の喜びに沸く人であふれていたが、昨日と同じようにあっと言う間に西の方からガスがかかってきた。
山頂からの風景をあきらめて風車や太陽ソーラーのあるホテルのような避難小屋を目指し馬の背へ下りる。



小屋はこの7月1日にオープンしたばかりで最新式のトイレも完備し、とても非難小屋とは思えぬ豪華さだった。
その下もお花畑が広がっていた。モミジカラマツ、クロユリ、フウロ、キンポウゲ、クルマユリ、メタカラコウ、トリカブト、ウサギギク、エンレイソウ、ツマトリソウ、タカネグンナイフウロ、赤白のムカゴトラノオ、ナナカマドの白い花、カイタカラコウ、スズランのようなコバノイチヤクソウ、ヤグルマソウの葉、小さいマイヅルソウなどの花々を愛でながら楽しく下りた。
馬の背は左がスパッと切れ落ちていた。そこから見上げるとさっきまでいた山頂や小屋がはるか彼方だった。馬の背ヒュッテはログハウスでアルプスにふさわしくとてもいい感じだった。
北沢峠へ下りる手前で、仙丈岳のフィナーレを飾るにふさわしい白い清楚なオダマキに出会った。
テントを撤収してバス停に行くとちょうど臨時の戸台行きが出るところでそれに飛び乗り、戸台では出来たばかりの新しい温泉施設仙流荘で汗を流した。
テントを張って一泊で百名山に二座も登れるなんてとても合理的な登山だった。そして仙丈岳との出会いがあまりにも強烈だったので、その端正優美な姿がいつまでも目に焼きついていた。
又、はじめての南アルプスを自分の筋力を超えて長時間歩いたので右ひざを痛めこの後しばらく山に行けなかったが、仙丈岳の感動の余韻が幾日も心身を満たしていたので欲求不満にならずにすんだ。

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