双六岳
2860m(岐阜・長野)


2001年10月19日 晴れ 

自宅22:00〜飛騨清見24:00〜新穂高20日2:30(仮眠)

10月20日 快晴

P6:00〜鏡平(11:30〜12:00)〜双六小屋(14:00〜14:30)〜双六岳〜双六小屋16:30

風はないが陽があたるまで寒い。気温はとても低いようだ。8cmの霜柱。
チボ岩下あたりのカエデ、ダケカンバなどが見事な紅葉。
鏡平から望む秋の槍ヶ岳は形容する言葉が見つからないほど美しかった。
お天気がいいのに出会った人は鏡平でスケッチ1人、夫婦2人、カメラ1人だけで上へ行くのは我々だけだった。ちょっと不安になる。
弓折岳付近は特に風がきつくて寒い。7月に雪渓だったところは雪がとけて砂地になっていた。
小屋泊まりは14人。1人8500円 弁当1000円 
小屋を締める日にこんなに多いのははじめてと小屋の人の話。
ザックを置いて双六岳に向かう。日陰はぐっと冷える。頭が痛いし胃がムカムカするのでバファリンを飲んで行く。体調が悪いので行けるとこまで行こうと頂上は半分あきらめてハイマツの中を歩いていたがどうにかこうにかたどりついた。
夏には望めなかった私の憧れの風景が目の前に今はっきり望めた。秋枯れの野原の様な双六岳の向こうにとんがった槍ヶ岳が・・・
夏の賑わいがウソのような誰もいない静かな双六岳は、厳しい冬を前に少し寂しげだった
秋深まった北アルプスの山々も夏とは違って落ち着いた雰囲気だった。山頂までで出会った人は東京の夫婦だけ。
小屋に戻ったら同じ部屋で、「夏に来た時、槍ヶ岳が望めなかったのでもう一度来た。」と言って見えた。小屋は部屋も畳も新しくきれいだった。談話室にも食堂にもストーブがあり温まる。
夕食はかぼちゃとさつまいものてんぷら、豚肉の炒め物。食欲はあまりなかった。
この時期一晩で1mも雪が降る事があるのが普通で、今日ここで泊まった人は無謀だと小屋の人に言われた。
冬の装備を何も持たない無知な我々には有難い忠告だった。暖かい部屋でゆっくり休ませてもらう。

10月21日 くもり

双六小屋6:30〜新穂高ゲート11:30〜新穂高温泉富貴(12:15〜13:30)〜自宅18:00 

朝、雪が積もっているのではと心配して起きたが幸いにも何もなかった。朝食は玉子焼きとさけの塩焼き。
小屋を出ると風がきつく寒かった。下りの弓折岳稜線もさらに風がきつい。何時雪が降ってもおかしくない寒さの中、笠ケ岳へ行く富山の人と霜柱をふみしめアルプスの風を感じながら山を下りた。
小池新道の下の方ではダケカンバの紅葉が素晴らしかった。ここでつらかった寒さも忘れて「もみじ」を歌いながら楽しく落ち葉やドングリ拾い。
さらにその下のワサビ平では黄色のブナの紅葉がとても鮮やかで、しばらくうっとりと黄色一色の秋山の世界に浸る。
昨日の朝は薄暗かったし、心のゆとりがなかったので全く気づかなかった。

無知で無謀な我々は雪にも降られず無事に山を下りたが、やはり北アルプスの3000m級の山に入れるのは10月10日ぐらいまででその後山は長い冬に入ると知った。
決して下界と同じでないことを自らの体験で理解したのだった。
トップメニューへ
inserted by FC2 system