徳沢

         (長野)
TOKUSAWA
奥穂高岳からのつづき。

2009年5月3日 晴れ

涸沢のテント4:00〜(小豆沢)〜白出のコル(6:00〜6:15)〜奥穂高岳(7:00〜7:18)〜コル(8:00〜8:10)〜涸沢岳(8:40〜8:50)〜コル9:00〜涸沢・テント撤収(10:20〜11:10)〜本谷橋12:35〜横尾(13:40〜13:50)〜徳沢15:00(テント泊)

コルから小豆沢を降る。さんさんと春の陽ざしが降り注ぐ。暖か・・・。涸沢からどんどん人が登ってくる。ボードに鍋をくくりつけた若者もいる。次第に雪が融けてきた。K国の若い人たち?がきゃっきゃっ声をあげている。我々もはしゃいで駆け下る。
涸沢に近づくほど暑い。照り返しがあるので真夏のよう。夫は合羽、フリ−スと何枚も脱いだ。稜線とはまるで天国と地獄・・・。

ゴマ粒みたいなテント村目指してひたすらザラメ雪を降る。踏まれていない雪面を選んでヘッピリ腰にならないように片足で斜面に立つ。融けて柔らかい雪に、しばしば転びながらも、小豆沢の雪を存分に味わう。鈴鹿ではとっくに消えた雪がここにはたっぷりあるから。


涸沢のテント着。
雪の少ないゴジラの背には二人だけ取り付いている。明日の天気は曇りから下り坂。北穂高岳はあきらめ、降りれるところまで降りよう。

テントを撤収していると、隣の方から話しかけられる。なんと半そでシャツに、ショートパンツスタイル!
山歴40年。「毎年、涸沢へ来る。今回も奥穂と涸沢岳へ。東稜は雪が多い時がいい。前穂は岩が脆いから夏でも危険。持った岩ごと落ちる事故が多い。縦走するなら、長野県側寄りに歩けばトレースがなくても風があっても大丈夫。」次回の参考にさせてもらいます。「山やさん」と同等の山行ができて満足!穂高岳の神様に感謝して、涸沢を後にする。
本谷からはぞくぞく人が登ってくる。ほとんど大きいザックを背負った年配さん。昨日よりずっと多い。みんな苦しそうだけど体調大丈夫かな?トラバース道での対向では足を踏み外したらと心配になって、早めに道をあける。

中に横長の布製ザック(キスリング?)の人を発見。ザックそのものが重そう。雨で濡れたらさぞ重かろうに・・・。
横長は対向するのも一苦労だ。


本谷橋。
登ってきた人、降る人が行きかう。それぞれアイゼンをつけたり、はずしたり。
屏風を仰ぐ辺りでは雷のような音。バリバリゴロゴロ・・・。雪崩れだ。


横尾から徳沢へ。
横尾は宿泊の人だけお風呂に入れるとか。たしか徳沢ロッジに日帰り入浴と書かれた張り紙があった。ではそこまで降りよう。
足元に雪がある時はなんとも思わなかったが雪が消えるとつま先が痛い。

徳沢園キャンプ場。
涸沢ほどのテントの数にびっくり。上高地から来てキャンプするだけの人もいるようで、靜かに読書などしている。芝生のような草原にテントを設営するのは初めて。柔らかな緑の絨毯で気持ちいい。それに涸沢と随分気温が違うし・・・。
早速日帰り入浴のロッジへ。¥400
川の水を沸かしているそうだ。上高地でお風呂に入れると思っていなかったので得した気分。さっぱりする。
胃のムカムカも随分楽になった。甘口のお酒「氷壁の宿」をお湯割で・・・。ここ徳沢は山の余韻を味わうに素晴らしい所だ。いつもせかせか通り過ぎる度にいつかゆっくりしたいと思っていた。張り紙に感謝!

2009年5月4日

徳沢8:00〜明神9:00〜上高地10:10〜平湯温泉行き臨時バス10:18発〜平湯〜福地温泉〜(せせらぎ街道)〜郡上〜羽島〜自宅
バス代¥1160

朝方冷え込む。外に出ると徳沢園から煙!薪ストーブからのものらしいがどこかヨーロッパの風景画を見てるよう・・・。
日帰りで行けるらしい蝶ケ岳への登山路あたりを散策すると、ネコヤナギが猫の尻尾のような芽を出していた。ハルニレの芽吹きはもう少し先なのかな?

テント撤収。
林の中にニリンソウの群落。良くみるとピンクと白がある。しばらく可憐な花に見とれる。



梓川の水は青く澄んでいる。芽吹き始めたケショウヤナギの柔らかな黄色もいい。
河童橋手前のセンター付近で奥穂高岳山頂の双眼鏡を覗く。今日は風がないのか30人ほどがゆったり山頂に。
カッパ橋付近は観光客で溢れている。

上高地着。
満員の平湯行き臨時バスに乗る。その後、今回はひなびた福地温泉へ。水車が回って桜が咲き始めている。遅い春の山里風情はとてもいいが、シャワーがなく苦労する。

新緑のせせらぎ街道。萌黄色のカラ松に心奪われる。白い幹の白樺とその新緑も爽やかだ。明宝スキー場辺りから特に鮮やかな萌黄色に染まった山々を楽しむ。園田家の芝桜も見頃。早い時間に行動したので渋滞にはまらず順調に帰る。
天候に恵まれ、春山奥穂高岳に登頂でき大満足の山旅でした。ザックの背負い方に気をつけたので腰も肩も痛くなかった。
反省。
@鍋を忘れたので出かける前にもう一度点検しよう。Aテントの外張り、春山は夏用で。Bピッケルも研いでおくと良かった!奥穂高への登り、硬い雪壁にすばやく対応できるように。

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