剣岳
     2999m
(富山)


早月尾根からのつづき。

2009年9月26日 晴れ

早月小屋5:00〜剣岳山頂8:00〜長次郎のコル〜剣岳山頂9:30〜カニノタテバイ・ヨコバイ9:50〜早月尾根分岐標識10:40〜(早月尾根)〜早月小屋(テント撤収)(12:40〜13:10)〜馬場島P16:30〜滑川〜羽島〜自宅21:30

朝霧がかかってもやっとしている。ヘッドランプをつけて歩き出す。30分もすると霧が晴れて、明るくなった。W大学山岳部3人に道を譲る。学生さんの足は速い。それからは追い越したり後になったりしながら進む。


紅葉がどんどん鮮やかになっていく。展望台に出てからいよいよ岩場にさしかかる。気温がぐっと低くなった。手がかじかんだので氷点下近くだろう。耳あてもつける。

がっしりした鎖がつけられている。しっかり持てば問題なかった。

カニのハサミはどこかな?と思っているうちに尾根分岐の標識が見えてきた。がらがらした岩を登りつめると室堂からの道と合流。

新しい祠が建っている。「やったー、剣岳山頂だ!」剣沢から別山、立山、室堂もくっきり。槍ヶ岳も見える。剣沢の紅葉が鮮やかだ。


目を転じると憧れの八ツ峰、源次郎尾根が・・・。はるか彼方には鹿島槍ヶ岳などの後立山の山々が蒼い。今、目の前に剣岳全景が360度のパノラマとなって広がっている。

朝から行動を共にしたW大学の三人と、写真を撮り合って別れる。彼等は室堂へ。我々は好天だから行けるところまで、北方稜線を辿ることにする。


微かな踏み跡を進むと八ツ峰がドンドン近くなる。長次郎の谷も見えてきた。V字に切れて滝になっているところが熊の岩らしい。雪渓がまだかなりある。コルへと降りる。

見上げれば剣岳の澄んだ青空が広がっている。遠く三の窓辺りを行く人が米粒のように見える。今日の探検はここまで。


山頂への上り返しが大変。何処から来たのだろうと岩場の踏み跡を探しながら戻る。ガスっていたら迷うかも・・・。

戻った山頂は人で溢れていた。誰もが、この秋空に広がる剣岳からの見事な展望にはしゃいでいる・・・。



小屋で会ったガイドさん等が室堂へ降りて行った。我々もカニのヨコバイを降り、カニのタテバイを登ろう。鎖とボルトを持って降ったり登ったり・・・。ここは二回目。前回はガスっていたので、ただ目の前の岩場を歩いていただけだったけど今日は違う。すっぱり切れ落ちた岩場も崖も何もかも視界にある。眼下には切り立った平蔵のコル岩峰群。すごい迫力で格好いい!雪渓の残った平蔵谷も見下ろす。

そのコルからは、ガイドさん等が見守ってくれている。ちょっと違う意味で緊張するけど・・・。

早月から来て同じようにカニのヨコバイ、タテバイを登る人が前にいて、この方も案内してくれる。




地元の方でいつも剣岳を日帰りするそうだ。びっくりして話を聞いていると、目の前を若い女性がささっと進む。「馬場島から4時間40分で・・・。」と言っている!私たちの倍の速さだ。この人達はいったい何者だろう?


尾根を降り始めると、今度はピッケルを持った方三人。今から池の平山まで行って、明日早月尾根へ戻るとか。北方稜線上り下り!すごーい!

遠く丸い山容の山が見えてきたが、あれが去年行った池の平山だろう。足元には草紅葉が真っ赤。綿毛になったチングルマも可愛い。


標高が低くなったらガスッてきた。鮮やかな紅葉に見惚れながら歩く。

まだ十分時間があるのでテントを撤収しよう。すると先ほど山頂で会った女性が降りてきた!トレランかな?速すぎる・・・。

敦賀さんと一緒に降りることにする。霧で岩が濡れている。滑りやすいので、尖った岩で怪我しないように慎重に足を置く。行きに通った道をよく覚えていなくて「こんなとこあったかな?」もしかして、愉快なおしゃべりに気を取られていたから?「ながら歩き」は注意力散漫になることを実感する。


膝がガクガクしてきた。滑落事故などもきっとこんな時に起こすのだろう。自分が思う以上に足は疲れている。

下からはどんどん人が登ってくる。小屋の従業員がお客さんを迎えて戻ってきた。「あさっては雨で、山はたぶん雪。」だそうだ。今日、登った人はもしかしたら新雪と紅葉を一緒に見られるかも・・・。


時々ガサッと音がして熊かとドキッとする。それはドングリの落ちる音。大きいドングリが足元にコロコロ転がっている。


やっとキャンプ場到着。長い降りに足が限界。もう歩かなくていいんだ・・・。駐車場は満車状態だった。

馬場島荘で日帰り入浴。¥500 この新しい施設はお風呂も広くて綺麗。山を降りてすぐさっぱりできるのが有難い。従業員の方が、「夏はガスッた日が多いので、剣岳はこの時期が一番いいよ。」と話してくれた。滑川へ出て高速に乗る。

剣岳の紅葉と岩稜歩きに大満足。剣岳全体の様子もちょっと解ったし・・・。このコースは一本道で迷いようがない。林道がないのもいい。でも健脚向き!翌日、筋肉痛・・・。

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