剱岳・北方稜線
     2999m
(富山)


剱沢からのつづき。

2011年9月24日 快晴

剱沢テント場4:30〜剱岳山頂9:00〜北方稜線〜池の平小屋15:00

朝食、パン、味噌汁、紅茶。
テント撤収。アタックザックに替えて、不要な物は全て置いていこう。
ヘッドランプをつけて出発。剱山荘前で、鹿島槍あたりが明るくなってきた。剱岳に向かって光の帯ができている。しばらくすると御来光。
薄化粧の前剣が大きく迫ってきた。草や岩についた柔らかい雪が美しい。


富山湾が蒼い。後方に白山も見える。


平蔵のコル辺りの鎖場で渋滞。カニのタテバイは大渋滞。40分ほど待って岩に乗る。どこもかも凍っていた。慎重に大きいボルトを持ったり、乗ったりして一歩一歩進む。腕力のある若い人はさすが身軽。山ガールさんもスイスイ!

剱岳山頂、9:00。

360度の大パノラマ。お見事!鹿島槍、五竜、唐松、白馬・・・
剱沢のテントもはっきり見える。昨日の天候はウソみたいに秋晴れ!同じ頃に剱沢を出発した若い人と感動を共有。ハイな気分!



でも、今日の核心はここからだ。気分を引き締めて、北方稜線目指し出発。
源次郎尾根、八峰、くまの岩を見ながら踏み跡を辿って行くと、目の前に大きな岩峰が現れた。長次郎の頭!


先行の数名がロープを使っているのが見える。簡易ハーネスでロープにつながり、岩登り。雪と氷がついた岩に緊張する。その後、長次郎側をトラバース。

左手に岩壁を仰いで進み、再び、長次郎谷側をトラバース。


廊下みたいな所にテント一張り。八峰に数名のクライマーが見えるが、彼らのだろうか?

左手に攀じ登って行くと、眼下に岩峰が現れた。
岳人八月号でも見たチンネ、三の窓の頭、八峰の頭。迫りくる岩壁が圧巻!

長次郎谷もよく見える。これが右俣だろう。



ここでTじさん等が登ってきた。我々と反対のルートなのだ。「雪が多いのと、凍っている所があるから気をつけて」とアドバイスを頂く。

いよいよ北方稜線核心部、池谷乗越への下降。スタンスもホールドもあるが、急だし、長いし、降ったばかりの雪があるし・・・


死にそうな思いをして降った。ロープを出してもらえば良かった!振り返って仰ぐ「あんな所、何事もなく、よく降りられたもんだ」


池谷乗越着。
見おろす池の谷ガリーは雪で真白。急傾斜のガラガラした谷。チンネ側を降りる。


三の窓着。
目の前に小窓の王。岩の塊が、すごい迫力で覆いかぶさって来る。右手に少し登ると三の窓雪渓が見えた。チンネの岩場にクライマー!てっぺんに左稜線があるのかな?


小窓の王。
南壁直下のバンドを登る。数十メートル上の岩についたツララが、落ちてきてヘルメットに当たった。かぶってなかったら怪我するよ・・・

登り切ると、小窓、池の平山が見えて来た。小窓の王側へ寄るように降ってから、左手に高くトラバース。岩に氷がついて危ないけど、前のガイドツアーさんの踏み跡があるので有難い。草つきの急斜面を降って小窓到着。

数名が休んでいる。ガイドツアーさんは雪渓を行く。我々もアイゼンをつけよう。


10分ほど降って、左岸に大きくペンキ印。旧鉱山道に入る。先程の数名さんがやってきた。「池の平山から北方稜線を登ろうとしたけど、迷いに迷ってやっと小窓に着いた。今回は中止」

確か、我々も数年前、そこで迷った。HPとかで見るとたいていこちらの鉱山道を歩いているようだ。この鉱山道も落ちたら終わりという危ない個所がいくつもあるけど・・・

水がなくなったのでフラフラ。池の平山小屋に辿り着いて、まずポカリ!生き返る・・・

私だけ小屋泊りで、お風呂があるのだ。温まって、やっと緊張がほぐれた。11時間歩き続けた足をマッサージ。

単独さん三人が同じテーブルで夕食。とろろごはん、味噌汁、カレー、サラダ、オレンジ、ゼリー。
「前にガイドさんがいたので、ここに辿りつけた。準備は十分したつもりだったのに、実際の岩場に行くとルートがわからなかった。間違っても、戻るに戻れず行くしかなかった」我々もトレースを提供してもらって有難かった。「聞いていた通り、北方稜線はルートフアインデイングが難しい」一同頷く。

布団は寝袋形で清潔。一番内側に自分の化繊ツエルトカバーを敷く。一人一畳。

剱沢雪渓につづく。
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