空木岳
      
2883m(長野)  

UTUGIDAKE

宝剣岳からのつづき。

2007年9月17日 晴れのちくもり時々霧

池山登山口P4:15〜(池山尾根)〜空木駒峰ヒュッテ(8:45〜9:05)〜空木岳(9:15〜9:30)〜(池山尾根)〜P13:10

コマクサの湯¥600

昨日の下調べのおかげでさっと登山口に到着。
ヘッドランプをつけて歩き出す。階段が多いが歩きやすい遊歩道。はじめてなので迷わないかなと心配したがしっかりした道で、要所に標識があり迷いようがない。さすが百名山、整備されている。


五時を過ぎるとうす明るくなってきた。シラビソの樹間に南アルプスの山並みを望む。暑くてカッパ上下を脱ぐ。
てすりのついた、木やアルミの階段が多い。


タカウチ場分岐、池山避難小屋への分岐を越え遊歩道を進む。

池山小屋。
ここからいよいよ登山道らしい雰囲気。直登する急坂にくま笹が生い茂る。
雑木林からジグザグ道を登って遊歩道と合流、尻無。
落葉松の緑が綺麗。しばらくすると苔むした原生林、林床の緑一色が神秘的。深い森にいることを実感する。
道は山腹を巻くように進んだり降ったり、登り一辺倒ではない。
ダケカンバにツガかシラビソの針葉樹。やはりくま笹におおわれている。

マセナギの頭の指導標。
上から単独男性が降りてきた。昨日、雨の中千畳敷カールから空木まで8時間30分かかって縦走したそうだ。「大変だった・・・。」私なら泣き出したかも・・・。縦走断念して正解。夫は行きたかったらしいが・・・。

迷い尾根。
サルオガセが木に揺れている。深山の風情・・・。
上の大地獄小地獄の岩場にはしっかりしたロープが取り付けられている。滑落事故が多い岩場だと注意書き。
右手の尾根上に微かに小屋が見える。檜尾の避難小屋だろうか。
シラタマノキ、ゴゼンタチバナの赤い実、マイヅルソウの葉。

空木平への分岐点。
そこからは右の駒石の尾根へ。
背丈の低いシラビソやツガの登山道。緑のハイマツの中にシャクナゲ、ナナカマドの赤い実、ワイン色のウラシマ躑躅が鮮やか。
なだらかな稜線歩きは気持ちいい。晴れていたら絶景だろう。
緑のハイマツに映える白いザレが美しい。
肌寒くてカッパ上衣を着る。


四角張った花崗岩の塊が優しく丸みを帯びて現れた。サイコロをでかくしたような・・・。駒石!
デッカーイ。だれかがここに作って置いたような岩。登れるのかな?
岩小屋のような岩、動物のようなのも。霧の中、ハイマツに覆われた登山道に時々そんな白い岩があらわれる。綺麗。
ザレた花崗岩の白い砂を歩くのが気持いい。あちこちにイワシロツメクサが草紅葉。どこか双六岳にも似て・・・。

ふと目の前に小屋が現れて、駒峰ヒュッテ。
地元の山岳会が運営。7月の開山から8月は毎日、9月は週末のみ、10月8日まで利用できる。
新しくて綺麗。昨夜は50人ほど宿泊したらしい。

ほどなく空木岳山頂。
霧雨に煙って視界なし。残念。どことなく燕岳のような雰囲気。たおやかで女性的な山頂。


何も見えないので降り続く霧雨の中を降りはじめる。ヒュッテで休んでいた今日最後の登山者がゆっくり空木岳を味わうように歩いていた。


再び駒石。
空木岳のシンボル。
霧の池山尾根、しっとり落ち着いた風情。

途中ガスが空いて空木平を見下ろす。避難小屋も。この辺りの紅葉が美しいとガイドブックにあったが・・・。なるほどダケカンバが多い。
白い霧の中、ハイマツとシャクナゲの緑の彼方の駒石や山頂あたりを何度も振り返り空木岳に別れを告げる。
ガスが流れたり空いたりして、爽やかな稜線漫歩でした。



その後はシラビソなどの針葉樹林、ダケカンバ林、落葉松林、シラカバ林。朝は暗くてわからなかった道は見事な原生林だった。幹の美しさに見とれる。
足元のおぼつかない高齢登山者のガイドツアーが数組。越百への縦走登山を断念しエスケープルートで降りたという若者。彼は仙人のような速さで降って行った。
サルオガセ、ダイモンジソウ、センジュガンピ。


登山口では迎えのタクシーが何台も。菅の台バスセンターまではまだ相当かかるから・・・。
今日空木岳へ登った人、我々を含めわずか十名ほど。
深田久弥も「うつぎ」と言う美しい響きに憧れたらしい・・・。私も同じだった・・・。
その山を、霧雨降る九月に歩けて幸せ・・・。展望が望めなったせいもあるが、池山尾根の深い原生林の美しさに惹かれた。シラビソ、ツガ、落葉松、ダケカンバ、シラカバ林の美しさを私は決して忘れないだろう。
次回は是非好天に宝剣岳から縦走したい。

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