槍ヶ岳
3180m(長野)

YARIGATAKE

2001年9月22日 晴れ 夫と二人

自宅19:30〜(東海北陸自動車道)飛騨清見〜新穂高温泉P23:00(仮眠)

美並から郡上八幡まで渋滞

9月23日 晴れ

P5:30〜槍平小屋〜(飛騨沢)〜飛騨乗越13:00〜槍ケ岳(テント設営)〜槍ケ岳山荘14:05〜槍ケ岳山頂〜山荘16:05〜テント16:30

先週肩まで行ったが、台風で山頂が踏めなかったのでもう一度挑戦。2週続いて槍ケ岳へ行く。
笠ケ岳と小屋を下からずーっと眺めながら新穂高からの道を進む。道は整備されているが岩がごつごつして歩きにくい。滝谷下では霜がおりていて体が急に冷えたので、手袋にカイロを入れて温めた。
槍平小屋にはいつ着くのだろうと二回目なのにとても遠く感じた。あえぎながら行くと、ジョンレノンの「イマジン」がお出迎え。疲れもどこかへふきとんでいった。
お花畑ではコバイケイソウ、トウヤクリンドウ、オニタデなどが枯れていた。赤のウラシマツツジや赤い実をつけたゴゼンタチバナなどがあった。
5cmの霜柱。昨夜は氷点下3度まで下がったらしい。先週の大きなキイチゴはもうなかった。
高度が上がるにつれ奥丸山からの尾根、夏に行った鏡平、双六岳など裏銀座の山が少しずつ見えて来た。さらに槍ケ岳から双六岳に続く西鎌尾根がすぐそばに現れた。綺麗。今日は風もなく暖か。
飛騨沢上部のガレのジグザグ道を登りつめ、飛騨乗越に着くと大きくそびえた槍ケ岳が目の前にあった。
先週は霧の中だったけど今日は念願の勇姿をこの目で見る事ができ大感激だ。富士山も甲斐駒ケ岳、北岳も望めた。

頭は痛いし胃がムカムカして体調は最悪だが、気分は最高。夫は元気に動き回って、大きい岩の傍の狭い場所にテントをはった。
いよいよ頂上へ。登る人が多くはじめから渋滞。岩はいつもの御在所岳藤内沢のつもりで行く。ドキドキする。
ほとんど垂直のはしごが二つ見えた。あのはしご登れるかなと下からずっと心配しながら見ていたが、ゆっくり慎重にしっかりつかまって行くと上がれた。「やった。」 槍ヶ岳山頂だ。
頂上は狭いが360度の大パノラマ。初心者を二人ザイルで連れたガイドさんに山の名前を全部教えてもらった。
黒部五郎岳、薬師岳、立山、剣岳、白馬岳、鹿島槍ケ岳、燕岳から大天井岳、常念岳、蝶ケ岳、穂高岳、北鎌尾根、西鎌尾根、東鎌尾根、裏銀座の山々など。絶景だ。

いつも写真で見ていた槍ヶ岳の穂先に今自分が居る事が信じられなかった。山頂から見る槍岳山荘は、狭い場所で岩にくっつくように建っていて丸で空中都市マチュピチュのようだ。
穂高岳の方だけ他の山と違って、黒々とした岩の世界だった。もっと体力をつけていつか穂高岳も歩いてみたいと強く思った。



北鎌尾根からヘルメットに重装備の二人の若者が上がって来た。その笑顔が山行の充実ぶりを示していた。
今、初心者からハイレベルな人まで槍ケ岳の山頂でそれぞれの感動を味わっている。やっぱり山はいいなと思った。下りるのもさらに慎重にゆっくり行く。


山荘前から見下ろす槍沢は傾斜が急で吸い込まれそうだ。テント場では、皆がオレンジ色の夕日に見とれていた。
今夜は風もなく穏やかだ。夜中に星空を見上げると天の川、スバル、カシオペア座、人工衛星までもがはっきり見えた。こんなに星があったのかと驚くほどの星の数だった。


9月24日 晴れ 

テント6:30〜新穂高温泉P12:00(深山荘温泉)〜自宅17:40

槍ヶ岳の岩のさらに浅間山横からのご来光は厳かそのもので、空じゅうが黄金色に染まった。しばらく感動と興奮で身動きできない状態だった。
飛騨沢の下りは浮石が多いので岩の上を慎重に歩いた。槍沢から登って新穂高へ下りる人が多かった。
ドームの下の幽谷、「鳥も通わぬ滝谷」には雪渓があった。どうりで行きに冷えたわけだ。
下の方で北鎌尾根を登った若者に追い越される。「水俣乗越から天井沢へ入り、独標へザイルなしで上がった。」「独標のトラバースするところの片側断崖絶壁がいやだ。」と言った。ザックもとても大きく歩くのも仙人の様に速く身のこなしがしなやかだった。海外の山を遠征するために北鎌尾根で鍛えているという頼もしい若者だった。
今回はまだ経験の浅い我々が、山を志す人ならだれもが憧れる槍ヶ岳の頂上に立つ事が出来て夢のようだった。
又長時間行動のこのコースを2週続けて歩けた健脚さに我ながら驚いた。さらに体力と技術を身につけてもっともっと山を歩きたいと思った。
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