槍ヶ岳〜西岳〜燕岳

           3180m 2758m 2763m
YARIGATAKE

北鎌尾根Uからのつづき。

2007年8月15日 快晴 

テント(殺生ヒュッテ)4:00〜ヒュッテ大槍・ご来光(4:35〜5:00)〜(東鎌尾根)〜西岳(8:00〜8:30)〜(喜作新道)〜大天井ヒュッテ(11:00〜11:15)〜燕山荘14:00〜中房温泉16:00〜有明荘(温泉)(17:10〜17:50)〜新島々〜沢渡〜平湯〜清見10:00(車中泊)

朝食。リッツ、トマト。
ヒュッテから東鎌尾根へ登る。尾根を降り始めると空が明るくなってきた。あかね色に染まり始めた東の空から真っ赤な朝日がのぼり始める。
今アルプスの夏の一日が始まろうとしている。背後に赤く染まる槍ヶ岳。穂高岳への峰々も鮮やかな色だ。私はなんと神秘的で厳かで美しい空間にいるんでしょう。
槍ヶ岳のモルゲンロート、美しい。今この時、ここにいられて幸せ。それは壮大な大自然のショーに魅せられる最高に贅沢な時間だった・・・。
「槍ヶ岳の神様ありがとうございます。」東鎌尾根ヒュッテ大槍360度パノラマのご来光を私は忘れない。


西岳へ。
又、この尾根はなんと素晴らしい展望なんでしょう。右に槍沢から穂高の峰々、左に北鎌尾根から北アルプスの山々。
Nさんが30年前に山を歩き始めた頃感動したというこの尾根に私はずっと憧れていた。たしかその時は西岳から槍ヶ岳に向ったと聞いていた。そして数年前キレットを越えた日にいつか歩きたいと槍沢から見上げた。
その尾根を今私は歩いているのだ。それは雄大なパノラマが広がる、想像以上に美しい尾根だった。


水俣乗越。
岩場を降ると峠。最近は槍沢の大曲から登ってこの乗越から天上沢に降り北鎌沢から北鎌尾根を登る人が多いとか。貧乏沢からのルートと時間的にあまり変わらないかな?
そこから西岳に登り返す。岩場が崩れていたり梯子があったりする。ナナカマドの緑の葉に水玉が綺麗。彼方に槍ヶ岳と北鎌尾根。
緑の峰と白い雪渓が美しく、何度も何度も振り返り、立ち止まり見とれる。美しい・・・。



ヒュッテ西岳。
夫等は牛丼。私、ミルクパンとトマト。
穂高岳から南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳の大パノラマを目の前にして、またまたなんと贅沢な風景。涸沢カールや南岳の氷河公園?らしき雪渓も綺麗・・・。
素晴らしきかな東鎌尾根・・・。


ここから大天井へは、昨日歩いた北鎌尾根を望みながらの稜線歩き。険しかった山旅の感動をかみしめるように歩く。余り起伏はないので疲れきった降りには丁度いい。
先ほどから槍ケ岳山頂、北鎌尾根に少し雲がかかってきた。もう美しい峰とはお別れ。お陰でちょっと陽射しが和らいで楽になった。


途中、貧乏沢入り口から天上沢へ降る尾根を見下ろす。急な斜面だ・・・。
なんやら足が痛い・・・。踵に豆ができてそれがつぶれたようだ。でも歩かなければ帰れない・・・。痛みに耐えて歩き続けるしかない・・・。

燕山荘へ。
再びコマクサ。帰るのを待っていたように迎えられ元気をもらう。体力の限界ならここでもう一泊しなければ・・・。
何とか歩けそう。踵にバンドエイドを貼ってゆっくり中房まで降ることにする。事故は降りに多いので慎重に。足が重くて痛いのに気分だけはハイになっている私。今日は約12時間の行動。
中房温泉に辿り着いた時、もう歩かなくていいんだと思ったら体から力が抜けてしまった。達成感やら安堵感やらごちゃごちゃして・・・。

有明荘。
三日ぶりの温泉。ふーっさっぱりした・・・。後は帰れるところまで帰ろう。

私にはもう二度と歩けないかもしれないハードな北鎌尾根からの槍ヶ岳。危険な箇所は余りなかったが体力がいることを痛感。
今まで夏に三日間もアルプスを歩いた経験はない。連日10時間以上の行動も初めて。
今回、熱中症対策をしっかりやれば、スポーツ飲料水とパンだけで動けることを体験。

天候に恵まれたし、体調を崩すこともなかった。槍ヶ岳の神様とガイド役のI藤さんに感謝してアルプスを後にした。

清見10:00(車中泊)

2007年8月16日 晴れ

清見6:00〜自宅8:30

水。ペットボトル約15本。一日平均2500ml。
行動食。アクエリアス、餅、パン、飴。
歩いた時間。一日約10時間×3日。


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