槍沢   
       (長野)

YARISAWA

2005年8月13日 くもり

12日22時自宅〜平湯1:50(仮眠)〜4:30
13日平湯あかんだなP上高地行きバス5:30〜上高地6:00〜明神〜徳沢〜横尾9:00〜(槍沢)〜槍沢ロッジ(10:30〜10:50)〜殺生ヒュッテ15:20(テント泊)

小雨。朝食はパン、バナナ、飲むヨーグルト。
天気が悪いのに、たくさんの登山者。ぞくぞくと横尾目指し歩いて行く。
今回はザックを軽くするため食事は小屋でとる。幾分軽い?気がする。
歩き出すと右足かかとが痛い。筋が延びたような感じ。明神でシップを張ったり徳沢でバファリンを飲んだりする。
横尾でほとんどの人が穂高へと大橋を渡って行く。我々は槍沢へまっすぐ。道は広く整備され歩きやすい。
水の綺麗な槍沢の川沿いを行く。一ノ俣、二ノ俣の橋を渡る。
この辺りですでに日本百名山完登した「山旅くん」と会い、ガイドされながら行く。
八ヶ岳、南アルプス、北アルプスと進んで日本海に抜ける一ヶ月の長旅とか。
山から山への移動もバスなど使わず全部自分の足。
ザックの大きさも桁外れ。すごい若者!


槍沢ロッジで軽く梅干しオニギリ。ここも人が多い。
槍見の岩から槍ヶ岳は見えない。ガスッている。
センジュガンピ、黄色のヤマジノホトトギス、シャジン、濃い紫のミヤマトリカブト、サラシナショウマなど。
ババ平キャンプ場はロッジから少し離れている。そこには広々した槍沢が目の前に。
沢前方には雪渓が現れた。周辺はお花畑。タデ、フウロ、クルマユリなど。
ちょっと飛騨沢に似ている。雪渓からの風が冷たい。気持ちいい。そのうちだんだん冷えて寒くなってきた。
さらに進むと雪渓上を歩く事になった。
先月この雪渓に嵌って凍死したらしい。槍沢は夏に凍死する世界なのだ。
こんな大雪渓があるなんて、又歩けるなんて思ってもいなかった。
針ノ木雪渓か白馬の大雪渓のつもりで歩く。欲張りかな?
水俣乗越への大曲を右に分ける。
背後の西岳に日が当たって東鎌尾根が浮かび上がる。少し右に明るい砂地のテント場が見える。いつかあの尾根も歩きたい。


さらに槍沢上部にはあちこち雪渓が残っている。
左に天狗原への道を分ける。雪渓を越えてそれに続くザレの道がはっきりわかる。
雪渓があいた広々した所で休んでいる人がいる。今から天狗原から氷河公園に行くのかな?
聞くところによればとてもいいルートだとか。ここもいつか歩きたい。歩きたいところばかり・・・。


前方右手高い所に殺生ヒュッテの小屋が見えてきた。
少し手前に播隆上人の岩小屋。この岩で雨風をしのいで開山されたのだろうか。しばし先人の苦労を思う。
辺りにはアオノツガザクラやミヤマダイコンソウが咲き乱れている。
ここですっかり体が冷え寒くなってきた。フリースを着る。
殺生ヒュッテ着。



目の前の岩山は大喰岳。前方、霧の中に槍ヶ岳。
ヒュッテからは大きく大喰岳、南岳、左に前穂高岳北尾根がくっきりわかる。


槍沢の登山道は初めからどこも整備され、石畳を敷き詰めた様だった。
槍ヶ岳を仰ぐ一角にテント設営。(辿り着いた時、既に出来上がっていた。)
夕食は小屋でカレー。食欲はあまりない。
槍ヶ岳はガスがかかったまま。いくら待ってもとうとう姿は見えずじまい。

風もなく静かな槍沢の夜。前夜二時間しか寝ていないので倒れこむように眠る。
二時頃目が覚めた。空を見上げると細かい星屑までもがキラキラ輝いて綺麗。これこそ満天の星。
三角のシルエットで槍ヶ岳が黒く浮かび上がる。
他には何もない。ただ星と岩だけに包まれている私。
不思議の国に迷い込んだ気分。
明日は槍ヶ岳から大キレットを越え、北穂高岳へ。

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