八ヶ岳
2899m(長野・山梨)
YATSUGATAKE

2001年5月3日 晴れ 夫と二人

自宅21:00〜(中央道)〜美濃戸口24:00(仮眠)

5月4日 くもり

美濃戸口(5:00〜6:00)〜赤岳鉱泉8:30〜行者小屋9:30〜(文三郎尾根)〜赤岳山頂(11:30〜11:50)〜(地蔵尾根)〜登山口13:00〜赤岳鉱泉14:00(小屋泊まり)

前日、鉱泉に電話で問い合わせると「雪が多いので冬山と思ってきてください。」との事。
雪は美濃戸口で10cm。鉱泉は70cm。新雪は20cmほどあるが積雪は頂上までほとんど変わらない。
文三郎尾根のくさりはうもれ雪はしまっているので滑らず歩きやすい。アイゼンであいた雪の穴が青く見えるので不思議だった。


中岳からの出合でガスって来た。頂上小屋のテラスで食事とする。
地蔵尾根も去年より雪の量がずっと多く階段もほとんど埋もれていた。ここは傾斜が急なので慎重に下りる。
コガラ、コマドリ、ミソサザイなどの鳥が多い。
この時期小屋に戻ってお風呂に入れるのは冷え性の私にとってはとてもありがたい。
夕食はにじますのホイル焼き。コタツの部屋泊まり。

5月5日 晴れ 

赤岳鉱泉6:00〜赤岩の頭7:50〜硫黄岳8:10〜横岳9:25〜赤岳天望荘11:00〜赤岳頂上(11:25〜12:00)〜(文三郎尾根)〜行者小屋13:00〜赤岳鉱泉14:00(小屋泊まり)


2年前横岳で怖くて進めず引き返した苦い経験がある。
今回は硫黄岳から横岳、赤岳と縦走できるだろうか。
今年の硫黄岳への登りは雪が多く、赤岩の頭に上がる所は格好いい雪庇ができていた。それを乗り越えると一面雪の原。下のオーレン小屋の方までずーっと真白の世界。風はほとんどない。
硫黄岳の頂上直下もうそのように風がない。硫黄岳の道も雪が多く、岩は隠れてずっと雪の道を行く。
横岳直前は下の鎖場へ行ってはしごを上がる。次の鎖場は両端が切れ落ちた狭いやせ尾根を行くのだ。一歩ずつ慎重に行くと尾根が少しずつ広くなり横岳に着いた。
「やったー。」横岳登頂の瞬間だ。いかにも山なれた感じの木のピッケルを持った方と一緒になって感動を共有した。
この方は十何年のブランクがあって喜びもひとしおとか。
2年前は怖くてなんとしてもこのはしごから横岳への一歩が踏み出せず、無念にも引き返した所だ。
そこを普通に歩ける自分に我ながら驚いたけど雪の状態はほとんど変わらないからやはり私が強くなったらしい。怖くて泣いた2年前とは雲泥の差だ。


そこからは雪と岩の道をはるか遠くの山を望みながらの稜線歩き。
天気が良いので多くの縦走する人と出会い、その素晴らしさを存分に味わう。
杣添尾根分岐の手前はそれまでになく傾斜が急だった。岩をいくつも越える。右へのトラバース地点は雪が多くて歩きやすく、ロープ伝いにまっすぐ下りる所やはしごはあわてずゆっくり進んだ。
見覚えのある地蔵尾根に着いて「もう終わり?」なんか物足りない気がして、もっと歩きたくて地蔵尾根を見送る。頂上小屋直下の雪面はしまって3月の藤内沢より楽で気持ち良かった。
赤岳の岩場の下りは慌てずにゆっくり下りた。又、ここでも雪が青くて不思議だった。
中岳から来た東京の人は2本のストックで文三郎尾根をあっという間に駆け下りた。
行者小屋から今縦走してきた険しい稜線を見上げると、横岳の感動がよみがえり心も体も達成感と満足感で満ち溢れた。
小屋は2Fの「赤岳」。きれいな部屋でちょっとヨーロッパアルプス気分。個室料¥4000。連泊の人はステーキで豪勢だった。

5月6日 晴れ

南沢はいつもより雪が多く凍って危険なのでゆっくり下る。
八ヶ岳らしいカラマツ林や苔むした岩の中を歩くのがとても気持ちいい。
駐車場の2日前の雪はすっかり融けていた。
春山八ヶ岳とはいえ積雪量は冬並みの今年、3年目でやっと念願の硫黄岳から赤岳まで縦走ができ大満足。
そして今、去年まで怖かった雪と岩の八ヶ岳を楽しむ事が出来る少し成長した私がいる。
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