八ケ

2899m(長野、山梨)


2003年1月2日 はれ 夫と

自宅2:00〜(中央道)〜美濃戸口P7:50〜美濃戸8:50〜(北沢)〜赤岳鉱泉(11:30〜12:30)〜中山乗越13:00〜行者小屋13:50〜赤岳鉱泉14:40(泊まり)


風もなく良いお天気で、美濃戸口より気分よく歩き出す。雪はさらさらで踏み跡も多く、大勢の人が入っているので歩きやすい。アイゼンなしで小屋まで行く。積雪は赤岳鉱泉の小屋のあたりで1mほどもあって、例年に比べ多いらしい。
小屋の前にはカラフルなテントが多く、にぎやかだった。小屋の入り口で、耳がパンパンにはれて凍傷になった人がいた。硫黄岳の強風にやられたらしく感覚がないと言っていた。柳沢さんに帽子や手袋を飛ばされないようにしっかりつけるようにと言われた。
ザックを小屋に置いて、中山乗越方面へ歩いてみた。乗越で、重装備の倉敷山岳会の方に会った。横岳の大同心あたりの氷と岩を登ったらしく、興奮冷めやらぬ様子で話された。この痛いような寒さの中で岩と氷に挑むなんてすごいなと尊敬のまなざしをおくった。
そのとき、今までのガスがうそのように消えて、紺色の蒼い空に雪化粧の赤岳が顔を出した。思わずみんな「ウオー」と歓声を上げた。
息も凍るようなピンとはりつめた大気の中に、凛とした赤岳はすっくとすまして微動だにしない。実に立派な姿で、時のたつのも寒さも忘れて見とれてしまった。
もう少し先の行者小屋まで歩いてみた。なんか空気が違う感じで、小屋の温度計を見に行くと、マイナス12度を示していた。カメラも凍ってシャッターも下りない。寒すぎて痛くて手足も凍りそうだった。夜、喘息症状が出て眠れなかった。



1月3日 くもり 

鉱泉7:00発〜(文三郎尾根)〜中岳からの縦走路〜(文三郎尾根)〜行者小屋10:00〜赤岳鉱泉10:45〜美濃戸山荘11:30〜美濃戸口(12:45〜13:30)(入浴)〜諏訪南IC14:00〜自宅17:30

小屋から昨日のルートの行者小屋を越えて、文三郎尾根を登って行く。行者でマイナス6度。樹林帯ではあまり風を感じなかった。
プラブーツにザイルを持った赤岳西壁主稜を登る人らが、尾根を左に入るあたりから強風となった。立っていると吹き飛ばされそうなので、はうように登った。顔と手足が冷たいのを通り越してピリピリ痛い。凍傷になるのではないかと心配になった。メガネも曇って先が見えないし、さんざんだった。
中岳の出合いまで歯をくいしばってはうように行ったが、この風にはかなわないと山頂はあきらめて引き返すことにする。
夫は頂上へ行きたがったが、私は今の自分の力ではここまでで十分と満ち足りた気持で文三郎尾根を降りた。
後で足には足ポカシート、手袋の中には使い捨てカイロ、顔は目だし帽やスキー用のマスク、メガネは使い捨てコンタクトにすると良いことがわかった。雪山を快適に登るには、風と寒さ対策をきちんとやることが大切だと知った。

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