八ケ岳
   2899m(長野、山梨

2003年12月30日 くもりのち晴れ 夫と二人

自宅2:00〜美濃戸口〜美濃戸山荘P(5:30〜6:30)〜赤岳鉱泉(テント設営9:30〜10:15)〜硫黄岳〜テント14:30

渋滞にはまらず順調に着いた。鉱泉の前は、はる場所がないほどのテントだった。
テントの中と下にシートを敷き、さらにマットを敷いて冬用の外張りをかけた。冬山での初めてのテント泊まりは大丈夫かな。私はここで寝られるだろうか。不安だ。


硫黄への道は今まで見たことのない迫力のある樹氷だった。ガスが切れて青空が樹の間から見えるようになった。
赤岩の頭をすんなり乗越すと、目の前に横岳、赤岳、阿弥陀岳が、厳しい冬の装いで現れた。白い山なみが紺碧の空に映えて、実にりりしかった。
稜線は強風に吹き飛ばされそうなので前かがみでふんばって歩く。さらに硫黄岳頂上は息もできないくらいの強風で、顔や手が即凍りそうだった。
喜びに浸る間もなくすぐ下山する。テントに戻るとIさんら四人が赤岳から下りたところだった。
いつもながらの頭痛でバファリンを飲む。マイナス3度と昨年ほど寒くない。食事は小屋でお世話になる。1人¥2000


12月31日 雪

起床(5:30〜6:30)〜(文三郎尾根)〜赤岳〜天望荘(9:30〜10:30)〜(地蔵尾根)〜中山乗越11:15〜テント12:00

ガスの中、ライトをつけて歩き出す。行者のテント数は鉱泉前に比べ少ない様だ。今年は風もあまりなく昨年より暖かい感じ。文三郎尾根も雪が少なく、階段のネットにアイゼンがはまり歩きにくいので気をつけて行く。
手と足にカイロ、目にゴーグル、顔にスキー用のマスクをつけたら寒さを感じなくて快適だ。
あっという間に中岳からの縦走路に出て、頂上手前岩場も問題なかった。さすがに山頂は風がきついが、ガスがかかったままなのですどおりして地蔵へ下りる。
ここも雪が少なくて岩がむきだしでアイスバーン状態だった。風が冷たくて小屋に駆け込む。この日の頂上からの一番乗りらしい。
ストーブで服を乾かしたり、温まったりできて有難かった。甘酒、はちみつ、おでんを頂く。
下りてからもただ静かに雪がさらさらと降り積もり降り続いて積雪10cm。昼間なのに手足も体も凍って耐えられない寒さだった。時々ガスで温まる。カイロをあちこちにはったが、この日は寒すぎてまったく眠れなかった。


2004年1
月1日 快晴 
 
テント4:30〜(地蔵尾根)〜天望荘6:50〜赤岳〜中岳分岐〜中岳〜中岳分岐〜(文三郎尾根)〜行者小屋12:00〜赤岳鉱泉〜美濃戸山荘P〜美濃戸口15:00(入浴)中央道諏訪南IC〜羽島〜18:30自宅

朝3時起床、朝食、みそしるに佐藤の切り餅5個。ヘッドライトをつけて昨日と逆のコースで行く。
地蔵尾根は傾斜が急で、ここを登るのは初めてだったからたいへんきつかった。尾根最上部岩場が雪と氷で真っ白でまるでエベレストにでも来た様な錯覚に陥った。踏み跡がなく、一人アイゼン跡があるかなという程度なので滑落しないように慎重に行く。お地蔵さんが現れてほっとする。
稜線にでると五分もしないうちにパッとガスがきれて、どこまでも広がる雲海から富士山が現れた。
すぐ左手からオレンジ色の初日の出、その太陽の前に丸い虹のようなブロッケン現象、反対側の穂高の前にも大きなブロッケン。
素敵な2004年の幕明けに寒さも忘れて立ち尽くし、この美しい山々に吸い込まれそうだった。小屋の中にいた人達も、三脚つきのカメラや携帯を持って外に跳び出した。
天望荘で初日の出が見えるのは何年ぶりだとか大騒ぎしていた。この一瞬を求め何年も待った人がいるのに、我々はなんとタイミング良く登ったことだろう。ちょっと申し訳ない気がした。
温かい甘酒をいただいて赤岳へ向かう。


小屋からの道は、やはり風がきつい。頂上は昨日と違って360度の眺望。蒼い冬空に穂高岳も白く大きく迫り、乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスもシャープだった。南アルプスも富士山も、やはりシャープ。
中岳分岐へおりる道が気持ち良かったので、そのまま分岐から阿弥陀岳の方へ行ってみる。しかしここは風がきつくてザレ場で歩きにくいし、広々してガスがまいたら方向がわからなくなりそうで中岳までで戻る。阿弥陀岳は次の楽しみにしよう。
行者小屋で赤岳、横岳大同心を前に樹氷に包まれての昼食となった。さらになごりおしいのでヘリポート近くでサラサラの雪とたわむれた。「もうちょっとこのまま八ヶ岳にいたいなあ。」その思いを胸に美濃戸へ下りた。
はじめての本格的な雪山は、去年の反省を生かしてダウンの上下、カイロ(手と足)、スキー用マスク、ゴーグル、使い捨てコンタクトで正解だった。まあ寒さ、風対策がよくできた。 
さらにテント泊まりについて、肩と腰が冷えるのでエヤーマットの厚手のものを、又寝袋のカバーもゴアテックスのものが良いと思った。とっておき冬の雪山八ヶ岳は、実に魅力的だった。


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