硫黄岳へ。
登りの樹林帯で体が重い。今日は体調がいまいちだからゆっくり歩こう。疲れが出てきたかな・・・。
途中で足のつま先が冷たく痛いのでマッサージ休憩。少しあたたまった。
赤岩の頭。
雪崩れそうな斜面が怖くて足早に過ぎる。硫黄岳や蓼科山のモルゲンロートが綺麗。
仙丈岳や甲斐駒ケ岳もピンクだ。
手足が冷たい。カイロを持っている手をグーにする。足のつま先もグーにする。すると不思議、お腹に力が入って体がポカポカ暖かくなってきた。
硫黄岳。
風がきつい。立ち止らずに進む。爆裂火口は黒い口をあけていた。ケルンに沿って足元だけを見て歩く。吹き飛ばされないように足に力を入れて踏ん張って。ここが今日の核心部だ・・・。
「以前怖くて登れなかった横岳まではゼッタイに行こう。」と心に決めていた。前を行く二人には速くてなかなか追いつけない。ただひたすら歩く。ネックウォーマーで被った頬もぴりぴり痛い。凍傷にならないようにさらに上から手袋でも顔を覆う。
やがて難所の鎖場とはしごが現れた。富士山も見えてきた。ここは岩が風を防いでくれて暖かい。吹き飛ばされる心配はまったくない。いつかの恐怖がうそのように楽しく雪の急斜面を登る。
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