赤岳

       2899 (長野)

2009年12月27日 くもり

自宅20:30〜恵那(仮眠)〜諏訪南〜美濃戸口〜赤岳山荘P(車中泊)

恵那で4時間ほど仮眠。諏訪南から美濃戸口へ。道に雪はない。そのまま赤岳山荘駐車場まで入る。がたがたの山道を登り車中泊。

2009年12月28日 小雪

赤岳山荘P8:30〜赤岳鉱泉11:00

駐車料金一日¥1000×3日

小雪が降っている。十人ほどザックを背負って行く人が居る。今日は小屋までだからゆっくり出発。辺りはガスッている。暑くて袖口をまくったり襟元を開けたりする。
下が暑すぎ。小屋までは厳冬期用ズボンはいらないよ。裾をたくし上げてタイツとスパッツだけにしたらスッとした。汗をかかないように歩くには、小屋まではタイツと合羽でいいかも・・・。
一時間ほどで堰堤に到着。9:45 林道歩きはここまで。
年配の三人さんが「今日の天候が良くないので降りてきた。」と話してきた。稜線は荒れているそうだ。


山道に入る。谷へ落ちないように歩く。登山道脇の雪を測ると80センチほどある。足元の新雪は歩くとキュツキュツと鳴っている。超気持ちいい。

橋を越えると鉱泉手前のアイスキャンデイの蒼い氷が見えてきた。

赤岳鉱泉到着。
テントは数えるほど。早速テント設営。風がキツイ。雪をふみ固めたいのに新雪のふわふわ雪で固まらない。そのままテントを置く。
夜用に着替え、足裏マッサージをすると全身に血液が巡って生き返る・・・。

夜の食事は6時から小屋で。¥2000 テント一日¥1000
濡れた物を小屋のストーブで乾かす。年末、不景気、数日前の赤岳滑落事故などの理由で?宿泊者が少ない。

夕方5時頃、小屋の窓から硫黄岳が見えた。星も月も綺麗だ。明日はきっと晴れるよ。
メニューはステーキ、けんちん汁、サラダ、フルーツ。ワインもすこし・・・。

おなかと背中にカイロを貼る。ダウン上下に合羽上下。テントシューズもはいて寝袋にくるまる。隣りの山岳会が賑やか。夜中、背中が寒くて冷たい。マットの下に新聞を敷いたり、レスキューシートを掛けたりする。

夫は「ライターがつかない。」と言っている。ポケットに入れて温めていたようだが・・・。もしかして酸欠?少し空気を入れ替える。どうにかついたけど、ライターの予備も必要。

2009年12月29日 快晴

鉱泉前テント6:00〜(地蔵尾根)〜地蔵尾根稜線7:40〜赤岳8:50〜文三郎尾根分岐9:25〜中岳〜阿弥陀岳10:50〜(文三郎尾根)〜行者小屋13:10〜テント13:45

ヘッドランプをつけて歩き出す。30分ほど足のつま先が凍ったままだった。行者小屋から地蔵尾根へ。トレースがちゃんとある。朝焼けが綺麗。阿弥陀岳が大きく迫って来る。穂高岳から白馬まで北アルプスのモルゲンロート。白い峰がピンクに染まる。美しい。



急な梯子を上ると最初の御地蔵さん。さらにその上稜線の御地蔵さん到着。風を除けて岩陰へ行くと先行の方が一人。トレースを提供してくださった方だ。「ありがとうございます。」と話すと「すぐ降りますので・・・。」地蔵尾根を往復するだけのようだ。

孤高の富士山が雲海に聳えている。
凛々しい・・・。


天望荘へ。
朝食中で小屋へ入れず、冷たい餅一個をほおばって赤岳へと向う。雪は少ないし、凍ってもいない。風もそれほどきつくない。

赤岳山頂。
澄んだ空に冷たい風が吹きぬける。でも凍えるほどではなく冬らしい風。後から来た方の身のこなしが軽い。「良い天気になってよかったですね。」 写真を撮り合う。
聞けば、昨日天狗から入って、吹雪の硫黄岳横岳を越えて天望荘へ。今日は阿弥陀から御小屋尾根で美濃戸まで降りるとか。あの天候で硫黄岳を歩けるなんてすごーい!


文三郎尾根分岐から中岳へ。
雪が少ない。風もほとんどない。右に黒い横岳と白い硫黄岳、左に白く格好いい権現岳。富士山もずっと雲海に浮かんだまま。先日の片山右京さんの事故も信じられないほど穏やか。

先ほどの赤岳の彼にあっという間に追い越される、あれよあれよという間に阿弥陀に登ってしまって視界から消えた。まるで仙人だ。



我々は雪が少ない尾根をゆっくり進む。すると目の前にカモシカ!じっとこちらを見て動かない。中岳沢のコルの吹き溜まり雪で遊ぶ。
いよいよ阿弥陀への登りだ。岩と雪のミックス。雪が少なくてかえって歩きにくい箇所もある。

北稜の岩登りの人が目に入る。頂上直下が核心部のようだ。私は歩くので精いっぱい。かじかんだ手に手袋をつけてどうやってロープワークできるのだろう。

上から人が降りてきた。この方もすごい。朝1時に美濃戸から歩き続けて今阿弥陀岳。もう行動時間は10時間を越えている。しかも寝ていない。星の写真を撮りたくていつもそういうパターンだそうだ。



阿弥陀岳山頂。
諏訪湖が見える。美ヶ原らしい草原も。私は今、南アルプス、御嶽山、乗鞍岳、穂高から白馬までの白い北アルプスの山並みに囲まれているよ。なんて世界に居るんでしょう!360度の大パノラマに圧倒される・・・。

目の前にはドーンと赤岳。朝から空には雲ひとつない。風もない。富士山の上に飛行機がちょこっとらくがきして直ぐ消える。全く穏やかな紺碧の空。年末にこんな暖かな日があるなんてラツキー!

阿弥陀岳へつづく。
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