愛知川
         (滋賀)

ECHIKAWA

愛知川Tからのつづき。

2007年7月28日 晴れのちくもり

朝明P5:30〜ハト峰〜(白滝谷)〜愛知川白滝谷出合(7:30〜7:45)〜(愛知川遡行)天狗滝〜七条淵〜ヒロ沢〜大瀞(10:30〜10:45)〜タケ谷出合(11:30〜11:38)〜根の平峠11:58〜朝明P13:00

少し穏やかな流れになって廊下の向こうが明るい。ヒロ沢が近づいて来た。
手前の淵が深くてここも歩けない。

ヒロ沢。
高校生らしい若者数人が川泳ぎ。


その後は浅くて穏やかな瀬がつづく。こんななんでもない所で気が緩んで滑って転ぶ。渓流シューズのフェルトは滑らないはずなのに・・・。
亀が甲羅ごとひっくり返るようにザックが下になってクッションの役目。背中あたりが水浸し。でも歩いているうちにすぐ乾いていった。


テーブル岩手前で釣りの人。でかい岩魚数匹。私が歩くと魚がささっとすばやく逃げたけど・・・。こうやって捕まった魚もいる。
深い淵が現れ、左岸の岩をへつったり、岩伝いに歩く。


長い廊下の先に美しい滝が見えてきた。

大瀞だ。
あまりに綺麗なのでしばし呆然とする。暗い廊下、緑の流れの彼方に光る白い滝。神秘的・・・。天狗滝よりは小規模だけどこちらのほうが美しい。
ここも泳げないので戻って高巻く。少し上流から再び川へ。降りた廊下の緑の淵も美しい。
その後、湖のように広い淵は、左岸の岩場を行く。エメラルドグリーンの水が足元までひたひたと寄せて来る。深さ数メートルもあろうかと思われる透き通ったみどりの淵が今、私の足下に。こんなに綺麗な所を歩けて幸せ・・・。ちょっとした岩壁を登って岩棚歩き。


大瀞の大岩に到着。
白滝谷出合からここまで約三時間。それは愛知川の水と白い岩に遊んでもらった時間。
岩をぴょんぴょん飛んだり、大きい岩に登ったり、緑の淵を岩伝いにへつったり。頭の中は目の前の岩と水のことだけで他のことはきれいさっぱり忘れている・・・。
穏やかな浅瀬や荒々しい流れ、次々姿を変える美しい愛知川。去年は来たくても来れなかったので、今日は二年分楽しませてもらった。大満足。
それに涼しいからかマムシは一匹も見なかったし・・・。二年前に多かった流木や倒木も皆流されて今までで一番美しい愛知川だった。

小休止。
ところが岩が熱くない。外気温が低いし曇りがちだから・・・。これでは冷えた体も温まらない。大休みせず歩こう。

二回目、川の中でひっくり返る。
去年一度も来ていない上に、四時間水に漬かっていると足も冷えるし疲れる・・・。浅瀬だったので流されもせず、カメラも無事だった・・・。


タケ谷出合。
椅子のような岩が見えてきて、愛知川遡行終了。靴などを履き替える。

その後、根の平峠に向かって、タケ谷を歩き始めるとなんか様子が違う。明るい。二年前までは生い茂っていた笹が枯れてほとんどない。今までの鬱陶しさがうそのよう。風もよく通るので蒸し暑くもなく虻も蛇もいない。
これがタケ谷?信じられない。毎年「愛知川はいいけど蒸し暑いタケ谷が・・・。」なんて思っていたけど・・・。
雨乞への三叉路付近、ここも笹が少ない。タケ谷は明るい谷に変わった。

ヒグラシが一斉に鳴きはじめる。鳴き声が二部合唱で波のように押し寄せてくる。耳をつんざくほどに右のほうから、左から・・・。
先ほどまでは水の音だけの世界。今は緑の林の中にヒグラシの声ばかり・・・。他には何もない。
その澄んだ高いなき声が哀愁を帯びてもの悲しく心に沁み入る。今、命を燃やして青春しているセミの声に、心研ぎ澄まされる。
水の音やセミの声に心奪われる時間が持てるなんて・・・。とてもぜいたく・・・。
山は(自然は)いい。人が勝手に作り出した物や雑音がない、手付かずの世界だから。

根の平峠。
御在所への尾根道も以前より笹が少ない。このあたりさっきまでの喧しいほどのセミの声はない。夢だったのかと思うほど静か・・・。
堰堤のススキや伊吹笹の薄緑が美しい。
西山荘ではキャンプする子供等の歓声が上る。夏休みだから・・・。
駐車料金¥500

きょうの余韻。
ただ愛知川の水の音と哀愁を帯びたヒグラシの声がいつまでも耳に残る。夏の愛知川の良い所全てが体のすみずみまで沁みこんだ感じ・・・。

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