立山 

      3015m (富山)
TATEYAMA
2012年4月29日  はれ
自宅20:00〜立山24:30

2012年4月30日 くもり
立山駅6:10〜(ケーブル)〜美女平〜(バス)〜室堂7:30〜雷鳥沢テント場(テント設営)9:00〜一の越11:00(下見)〜テント場12:00(テント泊)

憧れていた雪の大谷。バスの中からは、17mあるとは思えなかった。

室堂。
天候は曇。所々、ポールが立っているが、ガスったり、吹雪になったら方向がわからないだろう。みくりが池はまだ白く凍っていた。早速、雷鳥がお出迎え。回りにも数羽いる。夏道を進んでテント場着。



地獄谷へは立ち入り禁止。風向きによって、硫黄臭がする。


テント設営後、室堂からスキーヤーの為に付けられた雪道を通って、一の越へ向かう。室堂からは、雪崩れそうな雪庇が大きく張り出している。時間が遅い為、雪が緩んでいるので一歩ずつグサグサとはまりこむ。歩きにくいし、疲れる。

数日前に、扇沢から入ったというカップルが、一の越から黒部へと降りるとか。スキーのように歩いていたが、ボードだそうだ。楽そう。



室堂からのルートと出会って一の越までもう少しというところで、黒雲が出て、空が真っ暗になってきた。そしてなんと雨。雪も降ってきた。
あたりの景色も見えなくなったし、トレースがなくなるとテント場に戻れない!ここで遭難はできないよ。本日の下見はここまでにして戻ろう。



テント場。
風がキツイ。フライシートをしっかり固定し直す。

テント近くで、昔のスキーリフト(T字リフト?)が活躍。立って板を履いたまま斜面を登って行く。足にはさむのが難しそう、でも楽しそう。

天候が回復したので、15分ほど歩いて雷鳥沢ヒュッテまで買い物に行く。水は管理所で。トイレも綺麗。

夕食。
アルフア米、カップ麺、スープ、ソーセージ、ぬれせん。
テントの中で、ストーブをつけると暑いくらいで、濡れたものも乾いた。



アタックザックの準備。
ツエルト、水、食料、防寒着、予備手袋など。ヘッドランプの電池は新しい物に替える。

夕方、奥大日岳へ沈む神々しい夕陽を眺める。明日、天候は回復するかな?

休もうと横になるが、寒くて眠るどころではなかった。マットの下に、新聞とレスキューシート。マットの上に、持っている服などを敷いて、カイロを腰に貼り、昼間着ていた厳冬期用の上下も着こんで、ツエルトにくるまるとようやく温まってきた。これで眠れるよ。


2012年5月1日 はれ

テント3:00〜一の越5:00〜雄山神社6:30〜大汝山7:15〜富士の折立8:00〜大走の尾根8:30〜雷鳥沢(テント撤収)(9:30〜10:30)〜みくりが池温泉(11:45〜13:15)〜室堂14:00〜美女平〜立山15:00〜自宅20:00

明け方、風がキツくて、フライシートがバタバタと騒々しい。

朝食。
パン、スープ、ザバス。

アイゼン装着、ピッケルを手に出発。強風で滑落するのではないかと心配しながら歩く。道は、昨日下見したので暗くても大丈夫だった。満天の星も瞬いている。雪が締まっているのでアイゼンがよく効き、歩きやすい。風はほとんどない。


室堂からの道と合流するあたりで、空が明るくなってきた。モルゲンロート。立山の夜明けだ。

一の越の小屋へ到着。
そこには見事なパノラマが広がっていた。


まず目にとび込んで来たのは黒い槍ヶ岳、後方に穂高岳、手前に野口五郎岳などの尾根。彼方に燕岳の尾根。手前に双六から三ツ又蓮華鷲羽岳。水晶岳からの尾根、三角はきっと笠ヶ岳。

足元は岩と氷と雪。滑落しないように一歩一歩丁寧に歩く。ここでも心配した風はほとんどなかった。


雄山神社に近づくと、背後に、五色ヶ原あたりから薬師岳、黒部五郎岳、白山まで望める。
白い日本の屋根を一人占めしているよ。贅沢で美しい絶景!


どーんと目の前に雄山神社。
なんと鳥居は一番上まで雪に埋もれ、神社の黒部側雪庇はすっぱり切れ落ちている。


見おろすと、室堂や弥陀ヶ原にまで陽が射して来た。雪の大谷もはるか下だ。


ほんの二週間前までは神だけが知る世界だった。そこに足を踏み入れて、今ここに自分が立っているなんて信じられない。

人懐っこい鳥が傍にやって来た。まるで「ようこそ」と挨拶するように・・・

鳥居のてっぺんを通過する頃、彼方に剱岳がのぞいた。
その後は、神社正面から、裏手に向かってトレースがある。落ちたらおしまい、黒部まで行くよ。本日の核心部はここ。ロープがいる・・・
絶対落ちないように、一歩一歩真剣に慎重に行こう。前方の剱岳も、下も見ないで、足元だけを見るようにして・・・


どう歩いたか良く覚えていないけど、振り返ると雄山神社から降りた自分達のトレースが目に入った。黒部側にできた雪庇を歩いたのだった。「ふーっ」胸をなでおろす。

心臓のドッキンという音が聞こえるほどの緊張感?!を超えて、目の前に大きく白い剣岳!


タイミングよく、雷鳥のカップル登場。
神々しいその白さに感激!


巣作りのお邪魔をしては迷惑。先へ進もう。トレースを辿ってなだらかな雪原を登る。


立山Uへつづく。

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