白馬乗鞍岳
    2436m
(長野)

HAKUBANORIKURA

2006年3月25日 快晴

栂池からのつづき。

天狗原11:00〜白馬乗鞍岳(12:00〜13:15)〜栂池ヒュッテ14:50〜ロープウエイ15:00〜ゴンドラ15:10〜P15:30〜栂池温泉栂の森荘16:25〜豊科17:45〜羽島19:15〜自宅19:45

どんどん高度が上がって行くが、延々と続く急斜面。行けども行けども山頂に着かない。
なんとなく雪質が変わってきた。硬く締まった雪。稜線だ。トレースをはずれて歩く。この方がスノーシューの前アイゼンが効く。固い雪の急斜面をサクサク登れる。これは最高。超気持ちいい。
あたりに美しいシュカブラが現れる。昨日までただ風が通り過ぎていただけなのに今日はヘリスキーの人・人・人。
みんな、贅沢にもその美しいシュカブラを踏んで歩く。神が創造したものを人間が壊す。崩したらもったいないような悪いことをしたような気になる。「いいの?こんな綺麗な物を壊して。」と思ってしまう。


登ってきた栂池の方向には火打岳や妙高、戸隠が一段と鮮明。
前方シュカブラと黒い岩々の遥か彼方に白い峰、小蓮華山と白馬岳。白馬乗鞍岳山頂のケルンも目に入る。
右前方に目をやれば真白き峰の雪倉岳、朝日岳。「やったー。白馬乗鞍岳山頂だ。」
風はほとんどない。穏やか。暖か。お湯を沸かして軽く食事。パン。チョコ。熱い紅茶にホッと一息。
寒くはないがカッパ上衣を着る。このように山頂でゆっくり寛げるとは思っていなかった。
食事後ケルンまで歩く。つぼ足で。広大な雪原を夏には歩けないような所をどこでも歩き。ハイマツは見えはじめたばかり。岩とシュカブラと時々全面氷。滑って転ばないように踵を利かして慎重に。
ケルン到着。


目の前には小蓮華山が白く緩やかな美しい曲線を描いて澄ましている。隣りに白馬主稜のゴツゴツした黒い岩壁。対照的で似合いのカップルみたい。
シュカブラで被われた雪原の彼方に険しい白馬杓子岳杓子尾根。白馬大雪渓の深い谷も魅力的。稜線は凍っているらしく太陽光が反射して眩しい。
天狗の頭、不帰の剣、唐松岳、五竜岳、鹿島槍ケ岳の白い峰が重なりあって迫力がある。改めてひときわ白く雄大な八方尾根に目が釘付けになる。ただ白く美しい。


この蒼と白の世界に酔いしれて、いつまでもここにいたい気分・・・。そういう訳にもいかず重い腰をあげて山頂を後にする。
先ほどまでいた大勢のヘリスキーヤーは皆滑り降りてボーダーが数えるほど・・・。朝の賑わいがうそのよう。
下りはサクサク雪を降りる。水分が少なくサックリしている。これこそ北アルプスの雪。先日の八方尾根以上にサクサクしている。これは最高だ。踵で降りる。気持ちいい。
その名前の響きが好きでいつか行きたい「雨飾山」らしき峰を見下ろして・・・。
天狗原から白馬乗鞍岳を振り返る。山は何事もなかったように朝のままの姿でそこにある。空も蒼空。一点の曇りもない。これも朝のまま。
一瞬山頂で過ごした時間が夢の中で、時間が止まっていたのではないかと思われた。



栂池から仰ぎ見る白馬三山、柔らかな午後の光に包まれている。穏やかな春の陽射しが降り注ぎ、白い峰をより白く美しく輝やかせている。黒い岩肌も誇示して・・・。

午後のこの時間になってもまだスキーヤーがどんどん登ってくる。「今から蓮華温泉に降りる。」と言う人もいた。
だれも皆、Iさんの立てた赤旗に沿って上って来た。何も言わない赤旗だけど黙って人の役にたっていた。
ヒュッテ手前の尾根でもう一度スノーシューをつける。はまらず歩きやすい。見下ろせば自然園にもスノーシュー跡が点々と。


ロープウエイは栂池自然園駅四時が最終。ゴンドラから見る栂池高原スキー場は緩急斜面が程ほどにあってとても滑りやすそう。広いので人が疎ら。リフトの鉄柱が錆びてちょっと怖い。

最高の天候に恵まれた今日、後立山連峰を望みながら乗鞍岳へのスノーシュー歩きができて幸せ。
朝はただ栂池自然園あたりを散策できればいいなと思っていただけだったのに山頂まで歩けた。雪は最高のサクサク雪だったし・・・。
三月のこの時期、栂池高原、白馬乗鞍岳には危険な箇所はなかった。緩斜面が多く山スキー初心者にも向いている様だ。
土曜日なので渋滞にはまることもなく北アルプスの雪を堪能して帰途につく。


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