北鎌尾根〜槍ヶ岳

          3180m(長野)
KITAKAMA

燕岳からのつづき。

2007年8月14日 快晴

テント(北鎌沢出合)4:00〜(北鎌沢)〜北鎌のコル6:30〜独標9:00〜槍ヶ岳14:30〜(槍沢・雪遊び)〜殺生ヒュッテ15:30(テント泊)

朝食。レーズンパン。
うす暗い中、ランプをつけて歩き出す。北鎌沢は美しい白い沢だった。空が明るくなって沢沿いのお花畑にも見とれる。クガイソウ、シモツケソウ、ニッコウキスゲなど。
沢を右に右に進んで北鎌のコル到着。テント数張りほどの狭さ。
先客若者一人。七倉から高瀬ダム沿いに来たとのこと。「古いルートであまり歩かれていない。踏み跡もなく何度も川を渡渉して疲れた〜。」水が欲しいと北鎌沢を降って行った。
ガイドブックで調べただけで、初めてでそれも単独。彼の冒険心に脱帽。
ここから、いよいよ憧れの北鎌尾根を歩くのだ。
慎重に確かな一歩でいこう。


天上沢側や千丈沢側を行ったり来たりして進むと独標が見えてきた。緑の美しい岩山だ。右に巻きながら登る。
緊張して岩場を歩いていると蒼いミヤマオダマキが目に飛び込んできた。幾株も。北鎌尾根の独標のこの場所にだけ咲いていた。初めて見るこの花のその蒼さに感動する。丸で空の蒼さをそのまま吸い取ってしまったよう。綺麗。ゆっくり見ていたいけど先を急ぐので素通りする。
このあたりで小さいチムニーを楽しく越える。


踏み跡を辿りながら尾根伝いに岩場を進む。槍ヶ岳の穂先が見えてきた。前穂高岳の北尾根も。千丈沢側には硫黄尾根も大きい。そこだけ緑のない尾根が異様に見える・・・。
遠く西鎌尾根の上には笠ケ岳が大きい翼を広げたように美しい。背後には針ノ木岳あたりの山が蒼い。
今私はなんて素敵な所を歩いているんだろう。こんな美しい山々に囲まれて・・・。他には何にもいらない・・・。


デーンと槍ヶ岳全容が目に入る。この北鎌尾根の荒々しい岩と緑のハイマツが裾模様。それは今まで私が見た中で最も端正で凛々しい槍ヶ岳。格好いい・・・。
きっと雪がついたらヨーロッパアルプスのようにさぞ美しいことでしょう。厳冬期の北鎌に散った岳人のことを偲ぶ・・・。
もし、私に若さと体力と気力と技術があったらやはり挑戦してみたい・・・。何にもないから無理だけど・・・。


荒々しい岩場に出た。前方に三人。ザイルで確保しているがあまり岩に慣れていない様子でもたついている。
我々も念の為、ザイルを用意するが問題なく進めた。


その後も岩場にある踏み跡をしっかり辿り、尾根どおしに進む。があちこちに踏み跡があるので判断に迷う。
我々の後から来る二人。クライミングコース?を攀じ登っている。
いつか「岳人」に落書きのように多いペンキ印を消したとあったがこの辺りだろう。印は何もないが踏み跡だらけ。
目の前にどんどん槍ヶ岳が迫ってくる。西鎌尾根も随分近くなった。



テラスに立つと目の前に常念岳。こんなガラガラした岩の隙間にも花が咲いていて驚かされる。雪渓が多く残っている左手の谷はカールのように美しい。
前方に緑の東鎌尾根が見えて来た。尾根上の登山者も目に入る。随分急登のようだ。
一年に何日もないような好天に恵まれ、北鎌尾根をこんなに楽しく歩けて幸せ・・・。
山頂までもう一頑張り!。

北鎌尾根Uにつづく。
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